【創作大賞・エッセイ部門】初めての”読書泊”をしてみて 〜読書のための旅が広がるためには?〜
みなさんは”読書泊”というのをご存知だろうか?
最近生まれた言葉なのでまだ定義は固まっていないものの、「読書のために旅をする」と考えてもらっていいだろう。
”読書泊”については上記により詳しく書かれた記事があるので、そちらを読んだ方がわかりやすいかもしれない。
実を言えば、僕もこの記事を読んで「読書泊をやってみよう!」と思った人間のひとりだ。
そんな読書泊を今回、新潟から山形県にまたがる羽越地方で2泊3日かけて人生初めてやってみた。 この記事はそんな人生初の読書泊の体験談であり、それを踏まえ、どうすれば読書泊が人々に広まりやすくなるのか書いていこうと思う。
初めての”読書泊”概要
今回行った旅程は、ざっくりこんな感じ。
(1日目)自宅⇨(電車)⇨村上(新潟県)ー【バス】ー瀬波温泉ー(泊)
(2日目)瀬波温泉ー(バス)ー村上⇨(快速『海里』)⇨酒田(山形県)ー(泊)
(3日目)酒田⇨(電車)⇨帰宅
羽越地方で読書泊をしようとした理由は、本に囲まれた宿泊施設やカフェなど行きたい場所があったほか、瀬波温泉は夕陽が綺麗なスポットで「綺麗な夕陽を眺めながら本を読んでみるか!」ぐらいの心持ちで、読書泊を敢行したといってもいい。
「そんな単純な理由で大丈夫なの?」と疑問を抱いた人もいるかもしれないが、僕からすれば旅はそれぐらい気軽でいいものだと思っている。
読書泊 1日目
村上駅に到着

新潟県村上市へ到着。
東京からだと上越新幹線で新潟駅まで向かい、そこから特急『いなほ』あるいは普通列車に乗り換えるので、片道約3時間以上とかなりの長丁場だった。
今回の宿泊地である『瀬波温泉』は村上の海沿いにあり、バスで10分ほど。
ホテルのチェックインまで時間があり、また村上市内で行きたいカフェがあったので、しばらく村上の街を散策することに。

来訪した時に知ったことだが、この村上市は鮭の街として知られ、世界で初めてサケの養殖に成功したのだとか。
ちなみに今は季節はずれだったが、冬ごろになると家に鮭を吊るして日干しする光景が見られるという。 事前情報はなかったものの、訪れた街のことを知れるのは、旅をしているといつも楽しく思う。
猫関連の本とグッズに囲まれたカフェ
村上の街をひとしきり散策したのち、お目当てのカフェ『猫町珈琲店』へ。


このお店は、猫の本とアート、音楽が愉しめる自家焙煎珈琲カフェで、もともと印刷所だったところをリノベーションして2022年に開店したという。

13:00と少し遅めの開店で、カフェは10組限定。混雑時は予約が優先となる。
幸い平日だったこともあり、この日は予約もなくすんなり入ることができた。
ちなみに営業日が木金土曜のみで、不定期で休業することもあるため、もし足を運ばれる方は公式サイトなどで営業日を事前に確認しておいた方が吉だ。



中にはいる、猫・猫・猫まみれ!
実際の猫がいるわけではなく、オーナーさんが集めた猫関連の書籍やグッズが所狭しと並ぶ。

あちらこちらの猫たちにほっこりしながら、数量限定という水出しコーヒーを召し上がる。
瀬波温泉へ向かうバスの時間まで、のんびり読書タイム。

本当は家から持ってきた小説を読むつもりだったが、猫たちに目を奪われて本棚にある猫関連の絵本をいくつか。
しばらく読書をして頭が疲れてきたので、今度は「ぼーっと」する。
みなさんの中には「なぜぼーっとしているの?」と思われるかもしれないが、「ぼーっと」するのは僕の日課といってもいい。
こうする事で頭の中が一度リセットされてスッキリするため、新鮮な心持ちでまた本の内容を楽しめるのだ。
「ぼーっと」する×読書のメリットについては、別の記事で簡単にまとめているので興味があれば一度読んでみて欲しい。
ラウンジや客室から海が見渡せる温泉宿へ
ひとしきりカフェでくつろいだあとは、いよいよ『瀬波温泉』へ。
市営バスに10分ほど揺られバス停を降りると、キラキラとした青い海が視界いっぱいに出迎えてくれた。
瀬波温泉は夕陽が綺麗な温泉地で知られ、その風光明媚さから与謝野晶子もこの地で多くの詩を読んだとされる。

そしてバス停から程なく、今日の宿『大江戸温泉物語Premium汐美荘』に到着。
ここは読書泊に特化したホテルではないが、夕陽が見えるオーシャンビューの宿ということ、平日利用のおかげか1泊2食の値段が思いのほか安かった(1泊2食で1万4800円ほど)ので予約した次第だ。
受付を済ませ、早速部屋へ。
スタンダード和室とのことだが、12.5畳もある広々としたお部屋に、「これがスタンダード!?」と思わず目を大きくした。当然、一人では部屋を持て余した。
そして窓を開けた途端、差し込んできた日光に目がくらみ、ほどなく目が慣れて再びまっすぐ見つめると、見渡す限りの水の平原が視界を埋め尽くした。



手前には真っ白な砂浜。旅行サイトで眺めた時の予想を大きく上回る景色に、しばらく言葉が出なかった。

窓際のソファでくつろぎながら早速読書にふける。 今日の読書は『どこよりも遠い場所にいる君へ』(著:阿部暁子 集英社オレンジ文庫)。
内容としては、ある事情を抱えた主人公が縁もゆかりもない島の高校に通うようになったある日、何気なく訪れた海辺で漂着した一人の少女に出会ったことで物語が動き出す青春ストーリーだ。海に近いからということで、数日前にブックオフで購入したものだ。
もちろん、読みたい本なら何でもいいと思うけれど、印象に残りやすくするうえで、行く場所の風景や環境にあった本の方がいいのかなと思う。


区切りがいいところで、場所を移して1Fのプレミアムラウンジへ。
ここでは滞在中フリードリンクが飲めるのだが、ここのフリードリンクはジュースやコーヒー類だけでなく、なんと生ビールやサワー・ハイボールなどアルコール類も飲む事ができる。
お酒の誘惑にかられるも、アルコールに酔うのが嫌だったので炭酸水でガマン(ちなみに、あとでビールを美味しくいただきました)
ちなみに夕食時のアルコールは有料。完全なオールインクルーシブではなく種類も少ないものの、それでもフリードリンクでお酒が飲めるのでアルコール好きには嬉しいサービスだろう。


そして日没が近づくにつれ、海も少しずつ黄金から茜色を帯びていく。
遮蔽物がないから、水平線に夕陽が沈む光景を客室からたっぷり堪能できるのは嬉しいところだ。

本を読む手を止め、夕陽の海を見つめてしまう。
人生でもう何度もみているはずなのに、昼から夜に向けて刻々と色彩を変える光景にいつも目を奪われてしまうのはなぜだろうか。
普段の自分に何気ない疑問を投げかけるうち、気づけば夕陽は沈み完全な夜を迎えていく。
夕陽をみたあとは、食事の会場へ。



ビュッフェスタイルの夕食だが、その内容には驚かされた。
新鮮な魚を使ったお刺身やお寿司のほか、ライブキッチンでお肉を焼いてくれたり、さらにはテーブルのコンロで自分好みの蒸し料理がつくれたり。 全てを説明したらキリがないくらいの充実した内容に、お腹も心も満たされた。

温泉も充実していて、海の見える内風呂や露天風呂のほか、サウナや外気浴できるスペースもあるため体を整えることもできる。風呂上がりに湯上がりアイスが食べられるのも、温まった体には嬉しいサービスだ。
温泉と食事を堪能して、再び客室で本を読む。 晴れていたおかげか、夜の海はとても静かで波のうるささは微塵もなかった。
美しい海と夕陽の景色を眺められ、そのうえ温泉や食事を楽しみながら、読書をして過ごす。
読書に特化したホテルではないとはいえ、これだけ内容が充実していれば十分に読書を楽しむためのホテルだといえるのではないだろうかと思う。
独白:どこへ旅をすれば”読書泊”となるのか?
部屋でくつろぎながら、ふと「どこへ旅をすれば”読書泊”になるのか?」と考えた。
読書泊や読書旅をネットで調べると、よく本に囲まれたホテルやカフェが画像として取り上げられることが多い。
確かに「読書の世界に浸れる場所」という意味では、多くの人に理解してもらいやすいかもしれない。
けれど一方で、それらは読書をこよなく愛する無類の本好きなど、かなり読書に慣れた人向けにやや偏っている節があるし、なにより「”読書泊”とは、本に囲まれた場所へ行くこと」という固定観念を与えてしまうのではないだろうかと思った。
読書は、はっきり言えばどこでもできる。
家でも、近所のカフェや公園でも、旅先でも。
そして旅とは、「日常では体験し得ない場所へ自発的に足を運ぶ」ことだと思っている。
もっと言えば、日常から離れるべく足を運んだなら、たとえ近所だろうと遠方だろうと全ては旅になると言えるだろう。

”読書泊”を精力的になされている『おかえりさん』が「読書のために家から出たら読書泊」と記事に書かれていたが、僕も「読書泊」はそれぐらい気軽なものでいいと思っている。
本をテーマにしたライブラリーホテルはもちろん、旅館やビジネスホテルだろうと、あるいは自分の知らないカフェや図書館だろうと、読書泊になりうる。
なので「読書泊≠本に囲まれた場所で泊まること」という固定観念は抱かず、日常から解放されて気持ちよく読書ができる場所ならどこでもいいだろう。
それこそ、「読書をするためにちょっくら旅するか」くらいの軽い心構えでいいのだ。
読書泊 2日目
海が眺められる観光列車で読書を楽しむ

翌日、ホテルと読書に満足しながら送迎バスに乗って村上駅へ。
ここから快速『海里』に乗車して、山形県の酒田へ向かう。

快速『海里』について少し説明すると、金・土日祝・月で新潟〜酒田を走行する観光列車で、全車指定席。 1両目が特急のようなリクライニングシート、2両目が半個室のボックスシートとなっている。ちなみに3両目は売店&フリースペースで、4両目は旅行商品専用となっており一般客は入る事ができない。
当初乗るつもりもなかったのだが、ホテルから駅への到着時間と村上駅への『海里』の到着時間が近かったことや、予約サイトで調べたらボックスシートが独りじめできたので急遽予約した形だ。

『海里』が村上駅に到着し、さっそく乗車。
ボックスシートは全て海側に配置されており、羽越本線沿いに広がる雄大な日本海を眺めることができるのだが、ボックスシートをまるまる独り占めできたのは今回が初めてだ。
このボックスシートは1個室につき4人掛けの扱いのため、基本的には別の人と相席になることがほとんどだ。
実際『海里』は人気の観光列車なので、土日ともなるとリクライニング車両はほぼ満席。以前一度だけボックスシートを利用した際は老夫婦の方と相席となり、お互いの旅好きが重なって話が弾んだのはいい思い出だ。
今回は読書がメインだったので、こうして広々としたスペースを一人でゆったり過ごせたのはまさに僥倖だったといえる。

ちなみに、座席を引き伸ばしてフルフラットにすることもできる。
広々とした個室を一人で使えるのはいいのだが、もともと四人席なので一人だと当然持て余す。
いっそ読書仲間を3〜4人でボックスシートの指定席を予約して、新潟〜酒田まで読書タイムなんてよさそうと頭に思い浮かぶ。
いつか、そんな読書仲間が欲しいものだ。

列車は出発し、早速読書にふける。
しばらくすると大きな車窓に、日本海の景色が悠々と映り込んだ。

快速『海里』での見どころは村上〜あつみ温泉にかけての海の景色と、鶴岡〜酒田付近の田園風景と鳥海山。特に桑川駅〜あつみ温泉駅の間にある景勝地・『笹川流れ』はハイライトであり、ここを通る際は速度を落として景色を楽しませてくれる(ダイヤによっては通常の速度で通過することもあるので、事前に要確認)。

読書に集中しつつ、小休憩として車窓を流れる海や田園風景に視線を移したり、「ぼーっと」したりしながら過ごす。
僕は集中力が途切れやすいので、大体30〜40分に一度は小休憩として本から視線を外すべく景色を見ることが多い。
バスや飛行機よりも比較的揺れが少ないし窓の景色をゆっくり楽しめるので、列車に乗りながらの読書は好きだ。
予定になかったことだったが、予想外に楽しい読書&列車旅となった。
図書館の本が部屋で読めるホテルで過ごす

車窓と本を楽しみながら列車に揺られること数時間、目的地の酒田駅に到着。 酒田駅を出てすぐの場所に、今回の目的地である『月のホテル』が見えてきた。


ここは複合施設となっていて、ホテルと図書館が併設している。 入り口にはいると、ずらっと本が並んだロビーがお出迎え。
フリードリンクとしてコーヒーも飲めるのも、嬉しいサービスだ。

そしてこのホテルの宿泊者はロビーにある本だけではなく、なんと滞在中は図書館の本を部屋に持ち込んで読む事もできる。
ホテルと図書館の建物は繋がっているので特別な手続きなくそのまま客室に持っていくことができる。なお、センサーがあるため外に持ち出すことはできないのでご注意を。


早速僕も図書館から本を部屋に持ち込んでみた。
ちなみに、以前に投稿したエッセイも、ここで借りた本を参考にしながら執筆したものである。
本好きの人はもちろん、創作物や書類を作成するために資料が必要なクリエイターやビジネスマンなどにも利用しやすいのではないだろうか。

ただ、今回宿泊したのは眺望に特化したENGAWA DESKが配置されたお部屋で、腰掛けのない椅子がないため長時間の作業には向かないお部屋だった。
部屋によりL字デスクのある部屋など作業しやすい客室もあるため、仕事や創作など部屋で作業をする予定がある人はL字デスクのある客室を事前に選んでおくといいだろう。
『月のホテル』では読書よりも作業がメインになってしまったが、それでも図書館の本を客室に持ち込めるというのは読書好きにはかなりありがたいサービスだろう。

そして、このホテルの魅力は図書館が併設されているだけでなく、酒田市の中心地にあるので酒田の観光地やお店にもアクセスがしやすいところだ。
実際、2キロ圏内には酒田の観光地である山居倉庫や本間美術館があるし、ホテルの近くでは居酒屋など食事処も揃う。

ちなみに夕食は、ホテルからほど近いお店『こい勢』でお世話になった。
酒田でも有名なお寿司屋さんで、目の前で握ってくれる回らないお寿司でありながら価格はお手頃。そのうえ酒田近郊で獲れた新鮮なネタと丁寧に施されたシャリの組み合わせは絶品で、今でも忘れられないくらい美味しかった。
基本は予約の客が優先で平日でも満席になるとのことだったので、行くならぜひ予約をするのをオススメしたい。

そのお寿司屋さんでのことだが、カウンター席でお寿司を待っていると、僕の両隣に夫婦のお客さんと若い男性がやってきた。
気さくな寿司職人さんと夫婦の話を偶然耳にしていると、その夫婦は観光で酒田にきたとのことで、生まれや住んでいる場所がなんと僕の出身と同じ街だったのだ。
僕は思わず夫婦に声をかけてそれを伝えると、なんともう片側に座っていた若い男性も反応して実は同じ都道府県の生まれだということだった。
「カウンター席の4人全員が同じ都道府県の生まれなんてことがあるの!?」
そんな偶然に驚きを禁じえない中でお寿司を待つあいだ話が弾み、美味しいお寿司に舌鼓を打った。
一人で過ごすのは、もちろんいい。
けれど、こうして見知らぬ土地で見知らぬ人と話せるのも旅の醍醐味だろう。同時に、こんな一期一会にまた巡り会えたらと思わずにはいられなかった。
カフェや温泉宿、列車やライブラリーホテルで読書を楽しみ、最後には他の人と言葉を交わす。
初めての読書泊ではあったが、充実した読書の旅になったのはいうまでもない。
読書泊が多くの人に広がるために
今回の旅で思ったことは、読書のための旅”読書泊”をより多くの人に広めるにはどうすればいいかということだ。
まず、ひとえに「読書が好き」と言っても、本への向き合い方は人それぞれだろう。
1日中ホテルの室内で読書を出来る人もいれば、数時間ほどで集中が切れて時々気晴らしに外へ出たい人、読書はほどほどに観光を楽しみたい人もいる。
ちなみに僕は、座りっぱなしが好きではないので、読書をしつつ時々外に出歩きたい派だ。
では普段から読書をする人が、”読書泊”をしない理由は何が考えられるか?
これは持論になるが、大概は「旅行先に行ってまで読書をする必要があるの?」という疑問を抱いているから。
もっといえば、旅行先で読書をすることに価値を見出せない状態であるのではないだろうかと思っている。
読書と旅行は別々に考えたいと思う人もいるだろうし、読書の目的や趣向なども人それぞれなので一括りに考えるのは難しい。
それでも少なくとも「旅先にいって読書することにどんな意味や価値があるのか?」「家でいるとどんな違いがあるのか」など、旅先で読書をすることの良さを伝えることが読書泊を広める第一歩なのではないかと思う。
旅先で読書をすることのメリットとは?

では、旅先で読書をすることの効能はなにか?
まず考えられるのは、本の内容がより印象的な記憶になりやすくなることだろうか。
例えば、海辺で潮風を感じながら小説を読むと、潮の香りと共に本の内容が記憶として結びつき、後日その香りを嗅ぐだけで、本の内容を思い出すことがある。
これは「文脈依存性記憶」という現象で、その場の景色、音、香り、空気感といった五感で感じる情報が、読んでいる本の内容と強く結びつくことで生じる現象だそうだ。
次に考えられるメリットは、日常から離れることで新鮮な心持ちで本を読めることだろうか。
普段の自分という人間は、日常生活での環境や人間関係によって形作られるものだから、非日常を体験しながら読書にふけることでこれまで知らなかった自分に触れられる可能性が高くなるかもしれない。
あとは環境を変えることで読書への集中力が増したといったところか。他に「こんなメリットがありそうなどあれば、コメントなどで教えて頂けると幸いである。
本を読むと、なぜ想像や思考の力が養われるのか?

そもそも、本を読むことのメリットとして知識が増えるほか、想像力や思考力が増えるとも言われているのはどうしてだろうか?
それについては、小林康夫さんの著書『教養のガイドブック』で参考になりそうだったので、その一部を引用する。
文字言語はイメージと違って、すぐには像が結ばれない。イマジネーションを働かせて自分で像を作りあげなくちゃいけないわけです。
(中略)
文字から像までには時間的なラグがあって、そこで考えたり想像しないといけない。これはわずかな時間なんですけど、ずれているその間に自分の脳が想像力と思考力を働かせる。そこではじめて言語の運用能力が出てくる。本じゃなくちゃいけない最大の理由がそこにある。
文章を読む⇨想像力・思考力を働かせてイメージを作り出す。
その一連の流れにより言葉というのが養われると同時に、自分の思考や想像力を育むことにつながるという考えには「なるほど!」と思ってしまった。
文章からイメージを創り出すというのは、いわば、書かれている文章を根拠にしてイメージを創り出すと言えるかもしれない。
そしてこれは持論になるが、根拠となる箇所から自分のイメージを創り出していくその積み重ねが、自分独自の創造性を養うと共に、創作活動における自己肯定感を高める事に繋がるのだろうと思っている。
本の捉え方や解釈を共有できる場を

"読書泊"を広げるうえで、ここでは本をテーマにした"ライブラリーホテル"の価値をさらに高めるにはどうすればいいのか、僕なりに考えてみる事にする。
本に囲まれている環境で、読書に夢中になれる空間を提供してくれたり、自分に合った本を見つけてくれるというのは十分魅力的なサービスだろう。
しかし個人的には「本を楽しめる空間」だけでなく、「本の捉え方や解釈を共有しあえる場」もあるとさらに良くなるのではないかと思う。
先ほど読書とは、読み取った文章から想像力と思考力を働かせてイメージすることだといった。
しかしイメージを紡ぐ自分の想像力や思考力は、これまでの人生で得た知識や経験、価値観によって形作られるものであり、それゆえにイメージも自分独自のものとなる。それは、他人がイメージを浮かべる時も同じだ。
だからこそ一つの文章をとっても、思い浮かべるイメージは人それぞれ異なるし、解釈や意見も違ってくる。
文章表現や作品の描かれ方によって同じ作品でも人々の感じ方や捉え方は異なり、さまざまな解釈や意見が出てくるというのは、文学もとい芸術作品においては日常茶飯事だろう。
その絶対的な答えがなく、自分なりの解釈や意見ができることこそ、文学や芸術の最大の魅力だと考えている。
日常を見渡せば、周囲と同じ意見を持つよう強要される、つまりは"同調"するよう求められる事が少なくないように思う。
学校・職場での人間関係では、仲間外れにされる危険性から自分の意見を抑えて同調する方向に行きやすいし、SNSなどのネット空間でも一見自由に意見が言える場に見えても、下手に異論を書き込めば炎上や批判の的になるリスクから当たり障りのないコメントになりやすい。
さらには、ある疑問について絶えず明確な答えを求めたり、答えの是非や優劣をめぐって紛糾したりもする。
日常がそんな”同調”を強いる場所であるなら、非日常では、各々の異論を語りあい、そして認め合う場所が必要なのだと思う。
こういう文章や表現があるから自分はこう考え、このように感じた。
そんな各々がもつ『根拠⇨意見(解釈)』を共有することで、これまで自分では思い浮かばなかった思考法や捉え方を得たり、相手の考え方に対する理解を深められたりする。
他人の解釈に触れるとは、異論に触れるということ。
そして新たなアイディアや知識、感動というものは、自分が知らなかった異論に触れてこそ生じるものだろうと考えている。
だからこそ、読書のできる空間の中に、この「本の捉え方や解釈を共有しあえる場」。
もっといえば「異論に触れられる場」があってもいいのではないだろうか?
たとえば定期的に読書会やワークショップを開催して、グループ内で一つの本を読んだうえで、どんなイメージや解釈を抱いたかを参加者同士で語りあったり。
あるいは発表会でなくても、例えばある本に対する解説を小冊子として色んな人に書いてもらい、それらを他の人が見られるよう展示したり。
そんな持論と異論を認め合えるようにすることで、"同調"がはびこる日常から解放される場を提供していく。
それが「本を読む空間」だけに留まらず、「読書泊」としての独自の価値にも繋がるひとつの道になるのではないかと思った次第だ。
まとめ
はじめたばかりの身で”読書泊”について高らかに語ってしまったが、ここで述べたことは読書泊のやり方ではなく、あくまで「こういう旅のやり方があるんだな」ぐらいに思っていただければと思う。
旅や読書は、突き詰めれば自分の知らなかった未知に触れる行動だが、そうするのはひとえに自分の人生をより豊かにしたり幸せにしたりするためだろう。
だからこそ充実した旅にできるのなら、型や定義に取られず、自分好みの読書泊へアレンジしてみてほしい。

最後に、いろんな方々の”読書泊”や参考になりそうな記事をいくつか下記に載せておくので、興味があればぜひ色んな方の”読書泊”に触れつつ、旅の参考にしていただければと思う。
あなたの人生をより良くするために、一度は本を片手に日常から抜け出すのはいかがだろうか?
今回とりあげた宿泊施設については、ブログの方でも詳しく載せておりますので、興味があれば併せてご確認ください。
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お忙しい中、最後までお読みいただきありがとうございます。
今後も『非日常的なソロ活動』をもとに、あなたの人生を彩るような体験やノウハウを届けしたいと思っています📕
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