#1054 アルバム論78|幸せの鐘が鳴り響き僕はただ悲しいふりをする / Blankey Jet City(1994)
アルバム論、本日はブランキーの4thアルバム「幸せの鐘が鳴り響き僕はただ悲しいふりをする」を紹介しましょう。
作品としては5作目ですが、前作の「METAL MOON」はミニアルバムなので、この「幸せの鐘が鳴り響き僕はただ悲しいふりをする」が4thアルバムという扱いなんですね。
そんな感じでブランキー史上最も長いアルバムタイトル「幸せの鐘が鳴り響き僕はただ悲しいふりをする」を紹介します。
幸せの鐘が鳴り響き僕はただ悲しいふりをする とは?

とにかくその長いアルバム名は、この前年にヒットした「愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない」の影響は恐らくないと思いますが、粗削りだった1st、勢いが感じられる2nd、完成形の3rd、そして更に世界観を広げたMETAL MOONから、更に進化した新境地のブランキーを聞かせてくれます。
SEが入ったり、ホーンセクションが入ったり、アレンジがジャズっぽかったり、そして売れ線のシングルを入れたりと、なかなか冒険的な作品なんですけど、何よりも攻めたのはこの女装のジャケットだったりしますね笑
僕はこのアルバムを中古で買ったので持っているんですが、正直そこまで聞き込んだアルバムでは無いですね笑
幸せの鐘が鳴り響き僕はただ悲しいふりをする 歌詞カード





幸せの鐘が鳴り響き僕はただ悲しいふりをする 渾身の全曲解説
1. 円を描く時
珍しく1曲目からテリーの曲ですが、これまでのアルバムとは一線を画した世界観であることが、この1曲目のイントロから伝わってきます。
まず、イントロで謎のナレーションが入るのですが、、そしてイントロではどういうコネクションか不明ですがTower Of Powerというアメリカのファンクバンドの方のホーンセクションが加わるのですが、このサックスがメチャクチャカッコいいです。とにかくこの曲の売りはサックスです。
イントロと間奏で聞けるんですが、間奏の方が好みですね。
そんなゴキゲンな世界観を演出し、これまでのアルバムとの違いを演出する感じで曲は始まるんですが、いきなり全裸の海賊が「皆殺しにしろ」と叫ぶという物騒極まりない世界観の感じでこのアルバムは始まります笑
全体的にイカれた歌詞で、MOTHERとかMETAL MOONとかを彷彿とさせるグルーヴなのですが、下記のフレーズが一番イカレてますね笑
悲鳴を上げる女の足首ほど純粋なものはないさ最後まで
そんな感じで抑揚がさほどないのですが、カッコいい曲ですね。
そんな独特のオシャレな世界観でこのアルバムは始まります。
2. 親愛なる母へ
この曲もなかなかなジャジーというか、これまでのブランキーではあまり無かった感じの曲ですね。
アフリカの民族楽器のコンガがずっと鳴り響く曲で、この曲はブランキーで初めてテリーがウッドベースを弾いた曲との事ですが、ウッドベースを弾いているライブ動画を発見できず・・・
その弾きっぷりが動画で見れないのが残念です。
全体的にベースが主張しており、ベンジーのアコギとの対比がいい感じで、サビの「もう二度とここへは帰れない気がするから」のフレーズが美しいです。
結構ライブで演奏している動画や音源も多く、MONKEY STRIPのライブ音源もなかなかカッコいいですね。
3. 風になるまで
5thシングルとして、アルバムリリース後にシングルカットされた曲です。
個人的にこのアルバムのベストソングはこれですね。
初めて聞いたのは16歳の頃、友人に借りた「国境線上の蟻」ででしたが、当時はロックとかその辺を度外視に、この曲が一番メロディアスで良い歌と印象に残り、未だに聞いたら16歳の頃を思い出してしまうメロウな曲です。
イントロのストリングスからメロウなんですが、Aメロのベンジーの切ないアルペジオと「キスしてくれないか 僕のこのナイフに」の一節は後に氣志團がパクるくらいの破壊力があるフレーズですね。
そしてBメロは曲のメロディもですがベースラインも最高に美しく、かなり曲としての完成度が高いと感じさせるのですが、この後に続くサビも相当メロディアスで切なく、ブランキーの曲の中でもかなり上位に来るくらい美しいメロディです。
そして全体的にこの曲はストリングスの力がかなり強く、間奏とかはメチャクチャ切なくて泣きそうになりますね。それくらいの力を持った曲です。
後半はライブであまり演奏する機会は無かったと思いますが、初期を代表する名曲ですね。
4. カモメ
イントロから続くベースとコンガが印象的な曲です。
ベースは同フレーズを弾き続けるんですが、少しずつ階層が変わったり、パターンが変わったりでなかなか聞いていて気持ちい曲ですね。
このアルバムは「海」「風」とか、何となく吹き抜けていく自由な感じを感じるんですけど、まさにカモメなんてその最たるものですね。ジョナサン・リヴィングストンのような感じです。
この歌詞には一切「カモメ」というワードは出てこないのですが、広がっていく自由を感じるような、そんな曲です(母親がいなくなったり、父親が汗まみれで働いたりと難解ですが…)
5. 嘆きの白
この曲も「風になるまで」同様、ベストアルバム「国境線上の蟻」で初めて知りましたが、正直そこでの印象はあまり無かったんですけど、このアルバムのこの位置で聞いたらメチャクチャ自然というか、カッコよさを感じます。
全体的にこのアルバムはホーン・セクションがカッコいいですけど、この曲は一番ホーンが楽しいというか、楽曲のロックさとの融合が凄くカッコいいですね。
なかなか難解ですが、なんとなく危険な意味は伝わる、そんな歌詞ですね笑
6. 螺旋階段
これまでのブランキー感を保ちつつ、ジャズな感じも加わって、パワーアップしたブランキーみたいな感じで、このアルバムではかなり好きな方な曲です。
ドラムもギターもベースも全体的にオシャレですし、冒頭の入りからカッコいいんですが、色々とアクセントがあっていい感じです。
途中の人身売買の「売買」がBYE!BYE!みたいな感じに歌われているのとか、途中の雰囲気が変わる間奏から、更に展開を変えてのギターソロなどもオシャレで、とにかくセンスの高さを感じる曲ですね。
7. 小さなガラスの空
クリスマスソングなんですかね?
個人的にはこの曲は後にリリースされる超・名曲「小さな恋のメロディ」に繋がる曲の印象を持っています(タイトル的にも?)
例によってなかなか難解の歌詞の曲だったりしますが、メロディは非常に美しくて秀逸です。
8. 幸せの鐘が鳴り響き僕はただ悲しいふりをする
アルバムの表題曲ですね。
この曲も結構愛された曲では無いでしょうか?
スタジオ音源はアコギとコンガで始まるんですが、ライブ音源は「世界の終わり」みたいな感じで始まって、それが最高にカッコいい。
MONKEY STRIPのが最高にカッコいいです。
この曲も何と言うか、歌詞がなかなか深いんです。
この辺とかの表現は本当に凄いと思いますね。
平和のハトが小さな子供を埋め尽くした
もがきくるしむ子供は窒息寸前
あわてた母親バットを振り回す
気をつけな 動物愛護団体が
手錠をジャラジャラ揺らしながら バスを走らせる
そんな感じで令和の今では更に肥大した社会問題をこの早口パートで伝えてくれているんですが、そしてサビのこのフレーズに繋がるんです。
誰か僕を傷つけてくれないか もう二度と立ち直れなくなるほど強く
幸せの鐘が鳴り響き その中で僕はただ悲しいふりをする
アルバムの表題曲に相応しい名曲ですね。
9. 砂漠
「脱落」にも近い印象を持つ曲なのですが、歌詞はラブソングです。
とは言え希望に溢れているような、そうでもないような難解の歌詞なのですが・・・
ベースが終始良い感じで、淡々と進むロックバラードな感じの曲なんですが、謎にアウトロが結構攻める感じで、それがそれで良かったりする曲ですね。
10. 青い花
このアルバムの先行シングルです。
「そろそろ売れる曲を作らないと」という使命感で作ったようで、結果的にはこれまでのブランキーのシングルでは一番売れたようです。
とにかくポップでドストレートな曲ですが、ブランキーらしさも十分に感じさせる曲で、僕としては全然アリだと思っております。
民生っぽいリフのギターで始まり、イントロからAメロ、Bメロ、サビ、間奏ととにかく超ポップでありながら、ベースラインが良い感じで、ギターも軽快で楽しく、バンドの一体感を感じさせる曲ですね。
まとめ
そんな感じの大人なブランキーを聞ける感じのアルバムです。
もう30年以上前の作品ですが、今聞いても全然古くないですね。
それでは次回はSKUNK、好きなアルバムですね!
