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【英国文豪、令和を歩く】第44回:Kyoto veggies—fresh and incredible 🌱✨

京都、寺町通の片隅にある、琥珀色のランプが灯る古風な喫茶店。使い込まれた革の椅子に、華やかなスカーフを巻いた現代的な女性姿のウィリアム・シェイクスピアと、ツイードのジャケットを羽織り、パイプの代わりに珈琲を嗜むアーサー・コナン・ドイルが向かい合っている

ウィリアムシェイクスピア                                                                                                                    

ドイル、見てちょうだい。このお盆の上に並んだ、色鮮やかでどこか誇らしげな姿の野菜たちを。……『京野菜』というのだそうよ。この聖護院大根のふっくらとした白さは、まるで汚れを知らぬ修道女の頬のよう。それにこの海老芋の、土の香りを残しつつも気品ある佇まい……。大地という名の母なる子宮から、これほどまでに霊妙な効能を秘めた子供たちが生まれるなんて、やはり自然とは偉大な演出家だわ

                                                                                                                              コナンドイル

全くだ。ウィル、君が劇の小道具を見るような目でそれらを眺めるのも無理はない。だが、私の観察によれば、これらは単なる自然の産物ではないよ。この独特な形状、そして緻密な繊維……。これは京都という閉ざされた土地で、代々の農夫たちが、まるでシャーロックが事件の証拠を精査するように、気の遠くなるような歳月をかけて『品種』という名の真実を磨き上げてきた結果だ。一種の、芸術的な執念すら感じるね

あら、執念だなんて人聞きが悪いわ。これは『愛』よ、ドイル。慈しみ育てられたからこそ、この賀茂茄子はこんなにも艶やかな紫の衣を纏っているの。……でも、ロレ神父様が仰ったように、植物にも人間にも『仁心』と『害心』が同居しているもの。この万願寺唐辛子だって、一見して穏やかそうだけれど、時折、驚くような熱情(辛み)を隠し持っていることがあるそうよ。不用意に口にすれば、心臓と共に五官を射抜かれてしまうかもしれないわ

ははは、それはまた油断のならない獲物だ。だが、その『予測不能な要素』こそが、探偵を……いや、美食家を惹きつけるのだよ。南アフリカの荒野で育った野性的な野菜とは違い、これらは洗練された知性が作り上げた『内地製』の傑作だ。ワトソンなら、この蕪の炊いたものを一口食べて、『仕事は悲哀に対する最善の解毒剤だが、この料理はそれ以上の癒やしだ』なんて、真面目な顔で言うだろうな

ふふ、目に浮かぶようだわ。……ねえ、ドイル。この九条葱の青々とした香りを嗅いでみて。若々しい癖に、どこか苦労を知った老人のような深みがある。まるで、朝早くから煩悶を抱えて起きてきたロミオのように、瑞々しさと憂いが同居しているの。今夜の献立は、これらをたっぷり使ったお鍋にしましょうか? 毒ある草も使いようによっては貴い液に変わるように、この野菜たちも、私たちの渇いた現代の魂を、優しく慰めてくれるはずよ

異議はないよ、ウィル。論理的な分析も、この芳醇な香りの前では一時休戦だ。君がその京野菜でどんな『舞台』を食卓に作り上げるのか、私は一人の観客として、あるいは空き家で犯人を待つ探偵のような忍耐強さで、楽しみに待つことにしよう。……さて、店主。この見事な野菜たちを、我が友のために包んでくれるかな?

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