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【英国文豪、令和を歩く】第29回:April Fool’s Day, hey hey hey—got a joke to play, don’t walk away!

窓の外では、桜の蕾が今にも弾けそうな京都の午後。ドイルは手帳に何かを書き留めていたが、ふとペンを止めて顔を上げた

                                                                                                                       コナンドイル

そういえばウィル、今日は「エイプリルフール」だね。この現代の街でも、人々が他愛のない嘘を楽しんでいるようだ。嘘と言えば、私の友人ホームズも得意でね。かつて空き家で自分の塑像(ダミー)を窓際に立てかけ、十五分おきにハドソン夫人に動かさせて、敵を欺いたことがあったよ。

ウィリアムシェイクスピア                                                                                                                    

(あんみつの最後の一口を惜しむように食べて)
ふふ、素敵な演出ね。偽りの姿で真実をあぶり出す……それはまさに演劇の真髄だわ。でもドイル、嘘というものは劇薬よ。使い方を間違えれば、取り返しのつかない悲劇を招くわ。私が書いたオセロも、たった一枚のハンカチと、イアーゴーの悪意ある嘘に踊らされて、愛する人をあやめてしまった。

全くだ。嘘には二つの顔がある。一つは、真実を隠して身を守るための盾。そしてもう一つは、他人を陥れるための剣だ。以前、ある依頼人の妻が、離れ家に通う秘密を隠すために必死で嘘をついていたことがあった。彼女の顔は猜疑心に震え、声さえ変質していたよ。結局、その裏には彼女の過去にまつわる深い愛と悲しみがあったのだが……。

声が変わるほどの嘘……それは魂が悲鳴を上げている証拠ね。でも、今日のような「四月の馬鹿(エイプリルフール)」は、もっと軽やかなものでしょう? 例えば、妖精パックが森で仕掛ける悪戯(いたずら)のように。ロバの頭を乗せられたボトムだって、目が覚めればそれは「夢」で済むのだから。

そうありたいものだが、現実の人間はなかなかそうはいかない。私が知るある事件では、病を装って寝込んでいた男が、実は強盗の共謀者だったということもあった。彼は実に巧みな計略で医者を診察室に閉じ込め、その隙に悪事を働いた。これなどは「悪戯」では済まされない、冷徹な計算に基づいた嘘だ。

あら、あなたはいつもそうやって事件の香りを嗅ぎつけてしまうのね。せっかくの春の日なのに。私はね、ドイル、嘘というものは「可能性の扉」だと思っているの。もし私が「実は私は王女で、このカッフェーは私の宮殿なのよ」と嘘をついたら、その瞬間、この古びた木の椅子は玉座に変わるわ。

(苦笑して)
君がそう言うと、本当にそう見えてくるから困るよ。だが、嘘を見抜く側からすれば、それは常に緊張の連続だ。相手の目を見れば、そこに恐怖があるか、あるいは真実を隠そうとする不自然な輝きがあるか、大抵は見当がつく。……おや、ウィル。今、君のその微笑みは、何か私に隠し事でもしている時のものじゃないか?

あら、名探偵(の生みの親)に気づかれてしまったかしら? ……実はね、ドイル。このコーヒーのお代わり、さっきあなたが新聞に夢中になっている間に、私がこっそりあなたのツケにしておいたの。これも「エイプリルフール」の可愛い悪戯だと思って、許してくださる?

(一瞬呆気に取られ、それから愉快そうに笑い声を上げる)
ははは! やられたよ、ウィル。君のような稀代の劇作家に仕掛けられたら、私のような論理家は形無しだ。いいだろう、その「嘘」という名の代金は、喜んで私が支払うとしよう。

ふふ、ありがとう、ドイル。真実ばかりの世界は少し窮屈すぎるもの。たまにはこうして、優しい嘘の香りに包まれていたいわね。

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