挿管後の最初の1分:換気量とPEEPを迷わず決める人工呼吸器
はじめに
人工呼吸器って、どう設定したらいいのか。
A/C(assist control)と CPAP(continuous positive airway pressure)のどちらを選ぶべきなのか。
このnoteは、挿管後の最初の1分で「何をどう決めるか」を、"とりあえず""最短経路で"設定するためのメモです。
A/CとCPAPなどのmode選択。
具体的な呼吸器の設定。
上記の設定で困るような人が、"当直で迷わなくなる"ことを目的にしています。
読むべき場所は「初期設定」と「抜管までの流れ」だけ。
当直中にスマホで開いて、そのまま指示が書ける形にしています。
ここに書いてある内容さえ押さえれば、A/CモードとCPAPモードの最低限の設定項目は確実に身につきます。
逆に、すでに呼吸器を自在に扱える方。
呼吸の同調についてやSIMVのメリットについても説明できるような方。
この先を読む必要はありません。
“人工呼吸器を触るときの初手ルーチン”をこのnoteで手に入れましょう。
この続き(中級編)は別noteへ書いています。
途中まで無料で読めます😌
※本noteは以下の記事における『呼吸』の章に加筆したものです。
ちなみに、挿管自体の手技に関しては別にnoteを書いています。
適応ややり方はこちらへどうぞ。
呼吸の目標
☑️PaO2、PaCO2を至適化する
※正常値にすることが目標ではない!
☑️抜管までの評価ができるようになる
しっかり勉強したい方は成書を自分で購入して読んでください。
ここではあくまで人工呼吸器をどういじるかの簡単な方法論、そして抜管までの手順をマニュアルにして紹介します。
呼吸の目標
☑️PaO2、PaCO2を至適化する
※正常値にすることが目標ではない!
☑️抜管までの評価ができるようになる
呼吸器設定の仕方
さて、呼吸器のまずmode設定に関して。
急性期はA/C mode→落ち着いたらCPAP/PS mode
この2つのmodeだけで十分です。
SIMVは実は人工呼吸器離脱を早めず、むしろ挟んだほうが離脱が遅れるなんて報告もあるようで、私はあえて使うことはありません。
集中治療や呼吸器専門の先生は使うかもしれないですけど。エキスパートオピニオンの領域です。
以下、 chat GPTさんに簡単に説明を書いてもらいました笑。mode自体は知っているから、設定の説明をして!って人は飛ばしてください。
人工呼吸器の基本モードの一つ、A/Cモード(Assist/Control mode)は、「患者の努力呼吸があってもなくても、決められた設定で呼吸をサポートする」というモードです。
▶A/C mode
Control(コントロール):患者の自発呼吸がなくても、設定した回数・圧・量で「強制的に」換気を行う。
Assist(アシスト):患者が呼吸しようとしたときに、それを「検知してサポート」してくれる。
→つまりA/Cモードは、
✅ 自発呼吸があれば「アシスト」
✅ 自発呼吸がなければ「コントロール」
という両方の役割を兼ねたモードです。
メリットは自発呼吸があってもなくても機械で決められた通りの設定で呼吸させてくれるので
◯管理しやすく換気の「一貫性」が保たれやすい
◯毎回フルサポートされるため「呼吸仕事量」が少ない
(=酸素需要を減らすことが可能)
などがあげられます。
また、以下のように肺のメカニクス(肺の問題なのか、気道の問題なのか)を判断するのにも使われます。
AC/VCモードの
— 永井友基@みんほす! (@yukina_minhos) November 21, 2025
最大の利点の一つが
圧-時間波形から
肺メカニクスがわかる事
✅気道抵抗が上昇してるのか
✅肺コンプライアンスが低下しているのか
見た目でもわかりやすいのが好き
普段はPCVで管理するのを習ったけど
時折VCVに切り替えて肺メカニクスを把握して
✅病態の理解を深めた治療をしよう pic.twitter.com/hnknpAEGHZ
▶ CPAP/PSV(Pressure Support Ventilation)とは?
PSVモードは「自発呼吸を前提とした補助換気モード」です。
患者自身が吸気しようとする努力を検知して、呼吸器がそのタイミングで「吸気を手助け」する形でサポートします。
🫁 ポイントは
→ 自発呼吸がないと動作しない(=呼吸器は何もしない)
→ 吸気ごとに「サポート圧」をかけて換気を助ける
▶ どんな仕組み?
患者が吸気しようとすると(トリガー)
呼吸器がそれを検知して
設定されたPressure Support(サポート圧:例:10 cmH₂O)を加え
吸気を「楽に」してくれる
※呼気終末陽圧(PEEP)は別に設定します。
▶ どんなときに使う?
呼吸状態が回復してきた離脱(ウィーニング)期
抜管前の確認やリハビリ段階
自発呼吸がある軽症〜中等症の患者に対して
▶ メリット
呼吸パターンが患者の自然なリズムに近く、生理的な呼吸に近い
抜管可否の判断にも利用される
▶ 注意点
自発呼吸がないと換気されない
→ 鎮静が深すぎたり、呼吸停止すると酸素化・換気が失われる換気量(VT)はサポート圧と患者の努力に依存
→ 呼吸努力が弱いと、低換気・CO₂蓄積に注意
人工呼吸器設定の超基本モード②
— 永井友基@みんほす! (@yukina_minhos) November 20, 2025
CPAP+PS
✅自発呼吸に合わせてPSが入る
✅呼吸の開始と終了のタイミングは患者が決める
✅呼吸数が低すぎるとバックアップでPCが入る
✅換気量がばらつく
A/Cモードで治療開始して
病態が良くなってきて呼吸状態が落ち着いてきたら
CPAP+PSにしよう… pic.twitter.com/9BjABU6rPz
📌 まとめ:PSVは「自分で呼吸させるけど、ちょっと手伝ってくれる」モード。
回復期や抜管前の評価にぴったりで、「患者主導」の呼吸をサポートする設定です。
人工呼吸器の設定について
人工呼吸器の設定について
🔵目標値
☑️SpO2
🫁肺が普通;SpO2 96%以上
🫁肺が悪い、高齢;SpO2 88〜92%以上
(PaO2なら70 ~100 mmHgの間でコントロールを)
☑️PaCO2
🫁肺が普通;PaCO2 35〜45mmHg程度
🫁肺が悪い;PaCO2 50〜60mmHg以下
⚠️特殊病態;PaCO2 30〜40mmHg
(脳圧亢進、右心不全、肺高血圧など)
※ permissive hypercapnia
pHが 7.2以上でアシドーシスの進行がなければ
PaCO2が高くても許容するという考え方
⭐️SpO2(PaO2)に関わる部分
✅FiO2
→100%から開始、SpO2 90-96%以上保てれば
FiO2 10%ごとtaperingしていく
※指示例
SpO2 96%以上を目標に管理
SpO2 92%以下ならFiO2 10%増量 最大100%
SpO2 96%以上ならFiO2 10%減量 最小30%
✅PEEP
→肺実質に問題があれば 8-10cm H2O
問題なければ 6 cmH2Oで開始
※SpO2値を見て適宜調整、血圧低下に注意
※重度右心不全、閉塞性ショックはhigh PEEPに弱い
🫁基本はFiO2→PEEPの順番でtaperingする
⭐️PaCO2に関わる部分
✅1回換気量
→6-8mL/kgで調整
※予想体重で補正
男性:50+0.91×[身長(cm) -152.4]kg
女性:45.5+0.91×[身長(cm) -152.4]kg
✅呼吸回数
→15-20回で開始
PaCO2, pHをみながら調整

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