生成AIを使ったチームビルディングの(ちょっとした)アクティビティ
今回は、チームビルディングのアクティビティとして、生成AIを効果的に活用できないかを考えてみました。以下ではGoogle Geminiを使用した結果例を書いています。
なお、生成AIに慣れること自体は目的とせず、あくまでアクティビティをサポートするツールとして有用かどうかをパイロット的に試し、2つの活用ケースを作成しました。
Case 1: チームの紹介動画を創ってみる
【使用ツール】Google Gemini Veo
【状況】下記
部門の全体イベント内の1つのコーナーとして(ちょっとした)チームビルディングアクティビティを実施
部門内の各課(マネジャー1人とその部下メンバー)単位でグループを編成
【ディスカッションテーマ】下記
自分たちのチームが「目指したい姿/ありたい姿」の動画を創り、部門内でチーム紹介動画としてプレゼンすること
【進め方】下記
まずはPC/スマホを使用せずに、各チーム内で「目指したい姿/ありたい姿」についてディスカッションを通じて整理する (注意: 綺麗な文章でまとめる必要は無い)。
Gemini に「目指したい姿/ありたい姿」をプロンプトとして入力し動画生成を指示する。
生成された動画がイメージと違う場合/伝えたいことが表現できていない場合は「目指したい姿/ありたい姿」の具体化や、プロンプトを再検討する。
動画が完成したら、1チームずつ完成動画を他チームに紹介する。
紹介時には、口頭で自分たちの動画の説明をする前に、まずは動画だけを見てもらい 見ている人に「どのようなチームを目指しているのか/ありたいのか」を当ててもらう。
【良かった点】
従来の目指したい姿をホワイトボード/フリップチャートに文章や絵・図でまとめてもらう方法と比較してみました。
従来の方法では、目指したい姿の検討だけでなく文章・絵・図をまとめる方・整える方にも時間と頭を使ってしまい、目指したい姿の深掘りが不十分になりがちでした。
一方、動画生成では、文章・絵・図にまとめることを気にせず、プロンプトとして与える目指したい姿のワードやイメージのディスカッションに集中できます。
特に、1回でイメージ通りの動画は生成されないため、プロンプトとして追加するキーワードを考えること=目指したい姿は?そもそも自分たちは何者?大事にしていることは?などディスカッションで深掘りしていくことに繋がります。
チーム同士の発表は、文章・絵・図に比べると動画の方が盛り上がります。
【アクティビティの要改善点】
10秒ほどの動画では伝えたいこと全てを表現することは難しいため、事務局側で動画生成プロンプトの知見を貯めて効果的なガイドをする必要を感じています。
メンバー同士で目を合わせて会話するよりも作業担当者のPC画面を皆で見ながら会話しがちになるため、目指したい姿などをディスカッションする時には、紙の付箋を使ってホワイトボードやフリップチャートの周りに集まって会話するといった"動き"も出るようにした方が良いかもしれません。
職場に戻って人に伝える時は資料に載せる時などは 動画よりも文章があると便利です。動画生成と同時に生成AIで「目指したい姿」の文章(キーフレーズ/キャッチコピー等)も創っておく方が良いでしょう。併せてチームのロゴマークを画像生成で創っておいても良いと思います。
Case 2: AIノートブックで創造を促進する。
【使用ツール】Google NotebookLM (+必要に応じて Deep Research)
【状況】下記
3ヶ月間の研修 (次世代リーダー研修など)内で定期的に集まってグループワークを実施
様々な部門から集まった多様なバックグラウンドのメンバーでグループを編成
【グループワークテーマ】下記
例: AIを使った自社の新規サービスを考え経営陣に提案する
他にも、自社の経営課題を分析し解決策を提案する、従業員エンゲージメントの向上策を考え提案する 等も可能
【NotebookLMの使い方】下記
グループごとに1つ(以上)のノートブックを作成する。
グループメンバーがそれぞれ解決したい顧客課題や創りたいサービスの類似サービスや参考サービス、新規サービスのラフアイデア等の情報をソースとしてNotebookLMに登録する (Youtubeもリンクを登録可)。
情報ソースの登録を終えたら、NotebookLM上でチャット形式で指示し、情報ソースを参考にどのようなサービスが考えられるかの候補を複数表示させる。
一旦、NotebookLMから離れて、メンバー同士のディスカッションを通じて新規サービス案を軌道修正したり、より内容を具体化させる。
ディスカッション結果で更新した新規サービス案(途中でも可)を、追加ソースとしてNotebookLMに登録し、AIにレビューさせたり、次の検討テーマや検討アドバイスをもらう。
NotebookLMから離れて、新規サービスの検討を続ける。
上記2.〜6.を繰り返す。
グループワークが終わり、職場に戻っている間に各メンバーが追加で調べた情報 (市場分析データや競合サービス等)を随時ソースとしてNotebookLMに追加登録しメンバー間で共有する。
【良かった点】
ネット検索のみ可として進めるグループワークと比べました。
サービス案の候補例や検討アドバイスやレビュー(壁打ち相手)、次の検討テーマなど、AIのアシストがあるためグループワークのディスカッションが停滞したり無駄に発散することが少なくなります。
NootbookLM上のマインドマップ機能(登録された情報ソースをマインドマップ化してくれる)も検討に漏れ・偏りがないかのチェックに使えます。
市場トレンドや競合分析などのリサーチは、必要であれば Google Deep Research を使えば10分程度でレポートにまとめてくれるので、ネット検索に費やす時間を削減し、その分をディスカッションに使えます。
また、各メンバーが職場に戻っている間も、調べた情報を随時NotebookLMに登録することで、グループ間での知識共有が行えます(登録された個別情報の要約版が表示されるので、受け取ったメンバーは短時間でポイントをおさえられます)。
【グループワークの要改善点】
楽にグループワークを終わらせようとすると、生成AIに新規サービス案を考えさせて終わり、となる可能性があることです。
人間同士のディスカッションを重視する場合は、グループワークの進め方を工夫して、例えばPC/スマホを使わない時間帯=ディスカッションに集中する時間を設けるなども検討余地があります。
ただ、せっかく使えるツール(AI)をあえて使えないようにするというよりも、サービス案について社内の色々な人にインタビューをして具体案・改善案の意見や助言をもらいNotebookLMに追加登録してディスカッションを深める、という人間ならではの作業を組み込む方が現実に即しているかもしれません。
その他、登録情報ソースに基づいて動画・スライド生成やフラッシュカード生成などの機能もあるので、効率的な学習以外で、グループワークにおいて効果的な使い方がありそうかは考えていきたいと思います。
