【獣医による過剰医療?】セブルスとのお別れ
タイトルでびっくりした人もいるかと思うが過剰医療をしているのは他でもない、獣医であるこの私である。
寿命だと分かってはいるけどハムスターが死んだ。
ゴールデンハムスターのセブルス、2歳半
セーブル模様なのでセブルスにした。
そろそろ何か起こるかな、でも元気そうだなと思ってたときに急にきた。
🐹ゴールデンハムスターのさだめ
ゴールデンハムスターは加齢によって心筋症が出やすい。
よく言われるのは拡張型心筋症。
心臓の動きが悪くなり心臓の中に血栓ができる。
そうすると循環が悪くなり、腹水や胸水が貯まり、一気に状態が悪くなる。
何匹も何匹もみてきた症状。
呼吸が速くなって急に食欲が落ちる。
もしかしたら本人はもっと前からしんどかったのかもしれない。
もっと速く検査してたらよかったかもしれない。
でもやっぱり獣医でも元気で小さな身体に無理に検査することを躊躇ってしまっていた。
ハムスターの心臓病についてはこちらで詳しく解説中
🐹セブルスの心臓病と治療
見慣れたレントゲン、見慣れたエコー
ちょっと張り切って麻酔をかけてエコー検査をしてみたら死にかけてしまった。
(死ななかったが…)
飼い主さんのハムスターなら冷や汗もんだ。
でもおかげでしっかり診断できた。
拡張型心筋症からの左房血栓
胸水貯留
循環不良からの肝臓障害
飼い主さんのハムスターなら
『心臓のお薬の肝臓のお薬で様子を見ていきましょう。でも余命わずかです。』
と言って返すところだが、
残念ながらセブルスは獣医の飼うハムスター。
胸水抜去をやってみた。
胸に針をついて水を抜く処置である。
劇的に呼吸が改善するが、血管や心臓に針が当たれば死ぬ。
ギャンブルみたいな処置である。
本来は麻酔をかけて行うことが基本だが、
検査での麻酔で死にかけたので麻酔は諦めた。
🐹セブルスの状態
胸水が1ccとれたが、色が良くない。
かなり血液が濃い。
以前3歳半まで生きたハム次郎と比較してもこんな感じ。

もしかしたら血管の破綻があるのかもしれないと思ったりもする。
お薬もモリモリに種類を入れて飲ませた。
帰宅後は呼吸が楽になってうろちょろ。
これだけ変わるならやりがいもあるというものだ。
しかしそれも2日くらいで終わる。
また胸水が溜まってしんどくなる。
食欲がなくなるのが早い…。
もともと食欲旺盛!って感じでもなかったしな…と思いつつ。
🐹胸水抜去をしつつ介護
2日おきに胸水を抜く。
軽く書いているがリスクもあるし、超音波の機械も使う。
そして脱水もあるから少しだけ点滴もいれる。
飼い主さんがやるとしたら3000〜5000円はかかる処置だ。
『もう可哀想だから逝かせてあげなよ。』
なんて病院スタッフに言われながら、ちょっとでも楽にならないかと針を刺す。
本当はこの状態なら安楽死が一番いいことも知っているけど…。
りんごやバナナ、ハム用のおやつに栄養パウダー。
何か食べないかといろいろ与えたが彼は結局食べ慣れたペレットがいいらしい…。
家にある酸素発生器も稼働し、厳戒態勢で管理。
日に日に呼吸は悪くなる。
🐹最後の日
また呼吸がしんどそうなので、胸水を抜きに病院(勤め先)につれて行った。
しかし胸水はほとんどなかった。
胸水でしんどいんじゃなくてもう心臓が破綻してるな、と思った。
それでもせっかく来たのでちょこっと胸水を抜いて、点滴をして帰る。
その次の日の朝方、セブルスは冷たくなっていた。
🐹過剰医療にしがちな獣医のペット
亡くなったのは治療してから1週間のことだった。
1週間だけど全力で治療した。
たくさんのお薬が入った内服
無麻酔の胸水抜去に点滴
酸素室
病院の処置だけでも飼い主さんがやるとしたら数万円になる価格だ。
これで良くなったとしても、飼い主にこれ提供できないよなぁなんて思いつつ、私はやっぱり自分の子にはモリモリに治療してしまうのだ。
まぁこの状態から良くなることなんてほとんどないのだけど。
やっても助からないと分かっていても、手を止めなかった。
結果的に苦しませただけだったかもしれない。
やらない方が、良かったのかもしれない。
ただ、私は最後まで“できること”をやり続けた。
それがセブルスにとって良かったのかは、今でも分からない。
どうかお空では元気に走れてますように💐

ハム次郎の話
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