時代劇にデブはいない。でも将軍は脚気で死んでいる。江戸時代ダイエットの光と影
どういうからくりなのかは不明なのですが
(なんか闇のリストにでも載ってる…?)
ここ数日でフォロワー様が倍増しました。
皆様ありがとうございます。
改めて、自己紹介がてら私のスタンス、noteで発信する理由をお伝えできればと思います。
世の中には常に、新しいダイエットが次から次へと出てくる。
流行りは次から次へと移り変わる。
でも、結局のところ、痩せる原理はひとつだけです。
「消費カロリー>摂取カロリー」
それだけ。これは江戸時代も、令和も、変わらない。
でも人間はそれだけじゃ飽きる。だから無限にアレンジが生まれる。
そして私たちは目移りする。
「これ!」と決めて頑張っていても、もっと良い方法があるんじゃないかとアンテナを張り続ける。
インスタでダイエットのビフォーアフター画像が流れてくると、つい見入ってしまう。
ダイエットの広告があるとつい開いてしまう。
わかります。私もそうだから。
でも、それでいいんです。
あなたの身体と性格を一番わかっているのはあなた自身です。
いろんなダイエットの良いとこ取りをして、あなたに合う生活スタイルを手に入れればよい。
インスタでよく流れてくるフォロワー稼ぎのための短絡的なリール動画。
「ゆで卵を3日食べ続けたら痩せるか」
「スクワットを1週間続けたら痩せるか」みたいな企画、見るたびにため息が出ます。
……いや、そんな短期間で変わるわけがない。
あと、ゆで卵で痩せるなら板東英二はガリガリ。
続けることでしか、勝てない。
ダイエットの一番の成功の秘訣は、生活の一部にしてしまうことだと私は思っています。
野菜から食べることが当たり前になる。
食後に少し体を動かすことが当たり前になる。
無駄に動く意識が当たり前になる。
エレベーターより階段を選ぶことが当たり前になる。
最初は多少無理しながらでも続けることで、いつの間にか「しないと気持ち悪い」状態になる。
「頑張っている」という感覚がなくなった時、それが本物の習慣です。
比較的頑張らずにできることから始めて、それを当たり前にしていく。
何ができるかを見極めて選ぶことが大切。
ダイエットは、きっと特別なことじゃない。
健康的に食べて、よく動いて、よく眠る。
それは痩せることであり、健康的に生きることであり、ただ生きていくことだと私は思っています。
うまく言えないけど。
このnoteを書き始めて、GLP-1受容体作動薬をはじめとして、ファスティングから酵素ドリンク、乳酸菌、EMS、プロテイン、血糖コントロール、睡眠、漢方まで、ありとあらゆるダイエットの嘘と本当を書いてきました。
新しくフォローしてくださった方に、改めて私のスタンスをお伝えしたい。
医学的に正しいものしか信じない。
コスパとタイパで選ぶ。
そして続けられるものだけが正解。
このnoteを読んだ人には、良いものを自分で判断して選べるようになってほしい。
誰かに言われたからではなく、自分自身で選べるようになってほしい。
あなたの貴重な時間とお金、大切な身体を決して損なうことがないように。
そのための記事を、これからも書き続けます。
さて今日は、ネットニュースでたまたま目にした江戸時代ダイエットの話をします。
江戸時代ダイエットって何?
お笑いコンビ・空気階段の鈴木もぐらさんが3ヶ月で123kg→85kg、-38kgの減量に成功したことで一気に話題になりました。
もぐらさんの発想がシンプルで面白い。
「時代劇にデブはいない。江戸時代にあったものだけ食べれば痩せるだろう」
ルールはこれだけです。江戸時代の生活をイメージして
加工食品・砂糖・スナック菓子・ジュースを排除
米・味噌汁・野菜・魚・大豆食品中心
18時以降食べない
毎日歩く
確かに理にかなっている。
でも内科医として、少し補足したいことがあります。
「時代劇にデブはいない」理由、実は単純です
もぐらさんの言葉、面白いんですが医学的に補足すると。
江戸時代の庶民が太っていなかった理由は、食事が賢かったからだけではありません。
太る余裕がなかっただけです。
江戸時代の庶民の食事は一汁一菜が基本。

カロリー自体が現代人より圧倒的に少なかった。
そして移動手段はすべて徒歩。1日の歩数は2〜3万歩。
現代人が毎日ディズニーランドを歩くくらいの運動量を、普通の日常でこなしていたわけです。
つまり江戸時代の人が太っていなかったのは、食べる量が少なくて、動く量が多かっただけ。
結局「消費カロリー>摂取カロリー」の話です。
だから「江戸時代の食事を真似すれば痩せる」は、半分正しくて半分は違う。
正確には「江戸時代の食事+現代人の運動不足」では、思ったほど痩せません。

江戸時代の食事が医学的に優れていた理由
とはいえ、江戸時代の食文化は医学的に見て本当によくできています。

①加工食品ゼロ
保存料・添加物・人工甘味料が存在しない。加工食品は腸内環境を乱し、血糖スパイクを起こしやすい。それが全部ない時代の食事です。
②発酵食品だらけ
味噌・醤油・納豆・漬物。江戸時代の食卓は発酵食品の宝庫です。腸内細菌を整え、免疫を高める。腸活という概念を無意識にやっていたわけです。
③食物繊維が豊富
玄米・雑穀・根菜・海藻・豆類。食物繊維は血糖スパイクを抑え、腸内環境を整え、満腹感を持続させる。血糖コントロールの記事で書いたベジファーストの精神が、江戸時代の食事には自然と組み込まれていた。
④油・糖質の過剰摂取がない
揚げ物文化はあったものの(天ぷらは江戸時代からある!)、現代ほど油と砂糖が溢れていなかった。砂糖は高級品。
⑤夜遅く食べない
照明が乏しかったため、日が沈んだら寝る生活。概日リズムに合った食事タイミングが自然と守られていた。睡眠の記事でも書いた「早く寝ると太りにくい」が、構造的に実現されていたんです。
でも、ひとつ大きな落とし穴がありました
ここが今日の「あっと驚く」話です。
江戸時代に白米が普及したことで、ある病気が大流行しました。
脚気(かっけ)。
足がむくみ、しびれ、最悪の場合は心不全で死に至る病気です。江戸では「江戸わずらい」と呼ばれて恐れられました。
原因はビタミンB1不足。
白米は玄米からビタミンB1を含む糠を取り除いたものです。白米だけを大量に食べ続けると、ビタミンB1が不足して脚気になる。
実はこの脚気、徳川将軍も複数人が亡くなっています。10代将軍・家治、13代・家定、14代・家茂の死因も脚気と言われています。
将軍ですら死んだ病気が、江戸時代の食生活から生まれていた。
循環器内科医として補足すると、脚気が重症化すると「脚気心(かっけしん)」という心不全状態になります。ビタミンB1不足で心臓のエネルギー代謝が障害される。私自身、現代の臨床ではほぼ見ることのない病気ですが、教科書では必ず習う歴史的な疾患です。
つまり江戸時代ダイエットを現代に取り入れるなら、白米だけに頼ってはいけないということ。
玄米・雑穀・豚肉・豆類でビタミンB1を意識的に補う必要があります。

痩せても、早死にしたら、元も子もありません。
もしあなたが江戸時代ダイエットをやってみようと思うなら。
食生活のバランスを考えないと体調を崩す恐れがあるので、気をつけてくださいね。
結局、このnoteで書いてきたことと全部繋がっていた
改めて江戸時代ダイエットのルールを見ると、既にこのnoteで書いてきたことばかりです。
⏬️発酵食品を食べる→乳酸菌サプリ
⏬️食物繊維を摂る→血糖コントロール
⏬️夜遅く食べない→睡眠とダイエット
⏬️毎日歩く→NEATとジム
⏬️腹八分目→ファスティング・血糖記事
新しいダイエット法に見えて、本質は変わっていない。
ただし江戸時代そのままでは脚気になるリスクがある。
現代版に改良するなら、玄米・雑穀・豚肉でビタミンB1を補うこと。
そして江戸時代の人の運動量(1日2〜3万歩)を舐めないこと。
「時代劇にデブはいない」は本当。
でも時代劇には脚気で死んだ将軍もいます。
良いところだけ取り入れる。
それがコスパとタイパの良いダイエットです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
私は今回記事を書いて、玄米に興味を持ち始めました(手っ取り早いじゃん!)
次回は…
「次世代GLP-1、カグリセマ・レタルチドって何?マンジャロの次に来る薬を医師が解説」
体重25%減という驚異的な数字が出ている次世代薬。
でも筋肉が消える深刻なリスクも。
GLP-1当事者医師として正直に解説します。
2日後にお会いしましょう🌷
よろしければ質問、感想、お気軽にどうぞ☺️♡
