【健診の読み方】お酒を飲まないのに“肝機能B判定”…? 放置すると怖い「隠れ脂肪肝」の正体
こんにちは。内科医のくまのです。
普段の診療で健診結果を見ながら、いつも思うことがあります。
それは、身体はすべてつながっているということです。
健診結果の読み方や、生活習慣病を身体全体のつながりで考える記事を少しずつ書いています。
▶︎ [はじめて来てくださった方へ/このnoteの歩き方はこちら]
今日は、「お酒を飲まないのに肝機能B判定」と言われたときに、何を考えればよいのかを一緒に見ていきます。
最近はなんかジメッと梅雨めいてきて、コンビニのアイスコーナーの誘惑に勝つのが難しい季節ですね。
実はこの時期、診察室で『お酒は飲まないのに、なぜか肝臓の数値が悪くなった』と相談に来る方が増えるんです。
お話を伺うと、共通しているのは『冷たい清涼飲料水』や『果物』の摂りすぎだったりします。
今回は、そんな『自覚のない肝臓の悲鳴』を健診結果から読み解く方法を解説します。
「肝機能B判定ですね」
健康診断で、
ALT 45
AST 38
γGTP 軽度上昇
くらいを指摘されたこと、ありませんか?
でも多くの人は、
「お酒飲まないし大丈夫かな」
で終わります。
実際、
症状がないこともほとんどです。
痛くもないし、
熱が出るわけでもない。
だからこそ、
放置されやすい。
でも実は。
🚨 その“軽い異常”の裏に、
脂肪肝が隠れていることがあります。
「脂肪肝=お酒」は、少し昔のイメージかもしれない
以前は、
「脂肪肝はお酒を飲む人の病気」
というイメージが強くありました。
でも最近は、
お酒をほとんど飲まない人にも脂肪肝がかなり増えています。
実際には、
体重増加
内臓脂肪
運動不足
中性脂肪↑
血糖値↑
など、
“代謝の乱れ”が背景にあることが多い。
つまり。
📣 「アルコールの病気」ではなく、
“生活習慣の積み重ね”で起きる脂肪肝が増えているんです。
意外と多い「飲み物の落とし穴」
ここ、
かなり多いです。
「甘いものはそんなに食べてません」
と言われる方でも、
毎日のカフェラテ
スポーツドリンク
野菜ジュース
フルーツジュース
夜のアイス
は意外と頻繁に出てきます。
さらに、
夜遅い炭水化物
深夜のラーメン
“疲れた日のご褒美スイーツ”
なども積み重なる。
肝臓って、
余ったエネルギーの“倉庫”みたいな役割があるので、
使いきれなかった糖質や脂肪が少しずつ蓄積されていくんですよね。
「HbA1cは正常だから安心」でもない
これ、
他の記事とも少しつながる話です。
📣 関連記事
血糖値だけでは見えにくい、身体の小さな変化についてはこちらでも書いています。
▶︎ [インスリン抵抗性という見えない始まり]
▶︎ [血圧・血糖をバラバラに見ない話]
実際には、
HbA1cは正常
血糖もギリギリ正常
でも、
ALT軽度高値
中性脂肪↑
HDL低下
お腹まわり増加
が先に出ている人、かなりいます。
つまり。
🚨 HbA1cが上がる“もっと前”から、
体の中では変化が始まっていることがある。
肝臓って、
かなり早い段階でサインを出してくれる臓器なんです。
「脂肪肝くらい大丈夫」が危ない
脂肪肝というと、
「よくあるやつでしょ?」
と思われがちです。
もちろん、
すぐに肝硬変になるわけではありません。
でも一部の人では、
肝臓の炎症
線維化
肝硬変
へ進んでいくことがあります。
さらに最近は、
📖 脂肪肝は“肝臓だけの病気”ではなく、糖尿病・心血管疾患・CKDとも深く関係する「全身の代謝異常」として考えられるようになっています。
だからこそ、
「まだ軽い今」
がかなり大事。
まずは“小さく”始めれば大丈夫
ここまで読むと、
少し不安になるかもしれません。
でも、
最初から完璧を目指さなくて大丈夫です。
例えば、
✅ 寝る3時間前の甘いものを減らしてみる
✅ 毎日のジュースをお茶や水に変えてみる
✅ 体重をまず2〜3kgだけ落としてみる
✅ 一度、腹部エコーを受けてみる
こういう“小さな一歩”でも、
肝臓の数値は意外と変わることがあります。
実際、
5%以上の減量で脂肪肝は改善し始めるとされています。
最後に
健康診断って、どうしても「合格・不合格」のテストみたいに見てしまいますよね。 でも実は、ALTや中性脂肪といった数字たちは、「最近ちょっと頑張りすぎじゃない?」と教えてくれる、体からの優しいメッセージなんです。
「お酒を飲まないから自分はセーフ!」と思っていた方こそ、一度じっくり自分の数字を愛でて(?)みてください。
大丈夫、今ならまだ「ちょっとした習慣の引き算」で間に合います。 これから一緒に、一生モノの健康を手に入れていきましょう!
Rp.今日の一言

📣 続きはこちら
今回は「お酒を飲まない人にも脂肪肝が隠れていることがある」という入口の話をしました。
次の記事では、もう一歩踏み込んで、
脂肪肝の本当に見逃したくないポイント——炎症と線維化
について書いています。
▶︎ [脂肪肝は、なぜ“ただの肥満”で終わらせちゃいけないのか]
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