アイデアは出るのに、決まらない。「決められない病」を治すAIとの“収束”設計図|「とりあえずAIに聞く」ブレストの罠【生成AI部下と上司の仕事日誌】 Day20
システム部門でPMOをしている、元・非システム系の立場から、「現場で本当にあったAIの困りごと」とその乗り越え方を書いています。
アイデアは出た。
なのに、手が止まる。
画面にはこう書いてある。
「新規企画案 1.〇〇〇〜30.〇〇〇」
アグボくんは、困った顔で言った。
「部長……案は30個あります。でも、どれにするか決められませんでした」
部長は少し笑って答えた。
「それ、AIに考えさせすぎて、自分で決めなくなってる状態かもしれないな」
アグボくんは目を丸くする。
「“正解”を出してくれると思ってました」
「AIは案は出せる。でも、“どれを選ぶか”までは代われないんだ」
──この場面、
あなたにも心当たりはありませんか。
この連載は、実際に寄せられた相談の中から
「これは多い」と感じたテーマを取り上げています。
ひとりの失敗談ではなく、
現場のあるあるとして読んでもらえたら嬉しいです。
※このシリーズのまとめはコチラ!
🤯 よくある困りごと
生成AIにこう頼む。
「新規企画のアイデアを10個出して」
→ それっぽい案が並ぶ
→ どれも浅く見える
→ もっと出してもらう
→ 20個、30個に増える
→ 余計に選べなくなる
結果どうなるかというと、
決めきれず時間だけが過ぎる
会議前に無難な案を1つ選ぶ
「AI使ったのに、なんか疲れた…」で終わる
これは失敗というより、
多くの人がハマる“詰まり方”です。
🧠 なぜ「決められなくなる」のか
① AIに“決断”まで期待している
AIは
✔ 案を出す
✔ 比較する
のは得意です。
でも、
「この会社で、今やるべき案」
を決めることはできません。
それなのに、
どこかで
“正解を出してくれる存在”
として期待してしまう。
不安になるほど、
「もっと案を出して」
→ 永遠に保留。
② 評価軸がないまま眺めている
たとえば、
売上につながるか
すぐ実行できるか
自分はワクワクするか
こうした基準を決めないまま
案だけ増やすと、
「全部そこそこ」
「全部ピンとこない」
に見えてしまいます。
③ 「考える」と「決める」が混ざっている
本来は、
フェーズA:広げる(発散)
フェーズB:削る(収束)
なのに、
広げながら
同時に決めようとする。
これは、
頭が一番疲れるやり方です。
+ 心理的なフリーズ
さらに、ここに感情が乗ります。
外したくない
間違えたくない
責任を負いたくない
この気持ちが強いほど、
「AIが完璧な正解を出してくれないかな」
と期待してしまう。
結果、
案を増やして、決められなくなる。
💡 処方箋:AIで“決められない病”を治す4ステップ
🩺 処方箋①
AIは「発散」と「比較」まで。決断は自分で
役割を分けます。
AI:案を出す・並べる
人間:どれを選ぶか決める
AIは
「0 → 0.3」を作る相棒。
(ゼロから“それっぽい”ところまで持っていくのがAIの役割)
「1.0を決める」のは、
あなたの仕事です。
※全部を完璧に決めなくていい。
“まず1つ進める”を決めるだけで十分です。
🩺 処方箋②
「3つまで絞る評価軸」を先に決める
例①(企画向け)
インパクト
実現可能性
自分のワクワク度
例②(実務向け)
売上貢献
工数
リスクの低さ
もっと現実寄りでもいい。
上司が喜びそう
現場が助かる
すぐ試せる
軸を決める → 人間
点数をつける → AI
これで、
「眺めて迷う」状態から抜け出せます。
🩺 処方箋③
「比較させる」プロンプトに変える
おすすめの頼み方:
「似ている案でグループ分けして」
「半年以内にできる順に並べて」
「A案とB案を、メリット・デメリットで比較して」
“案を出させる”から
“案を削らせる”へ。
これだけで、
思考停止がかなり減ります。
🩺 処方箋④
迷ったら「小さく試せる1案」を選ぶ
完璧な案より、
一番コストが低い案
一番ワクワクする案
一番失敗しても痛くない案
を選ぶ。
たとえば、
1チームだけ
1週間だけ
社内限定で
“お試し版”として動かせる案を選ぶ。
正解を探すより、
進める案を決める。
それが、
AI時代の決断です。
🎬 エンディング
翌日。
アグボくんは、
案3に絞った企画書を出した。
「評価軸を決めて、比較させました。
一番動かせそうなのは、これです」
部長はうなずいた。
「いいね。
AIは候補を出しただけ。
決めたのは君だ」
アグボくんは、少し照れた。
「昨日までは、
AIに考えさせてるつもりで、
自分が止まってました」
📌 まとめ
AIでアイデアが出るのに進まない。
それは、
あなたがダメだからではありません。
“決める設計”がないだけです。
「AI使ってるのに、企画が進まない…」
そう思ったことがあるなら、たぶん同じところで止まっています。
「わかる…」と思ったら、スキ、フォローやコメントで、あなたの「選べなかった経験」も教えてください!
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