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製図試験リベンジ編|本編①「悔しさの先にあった、“正しい努力”のスタート」

こんにちは、いえたろうです。

私は、製図で不合格になるとは、思ってもみませんでした

私はR6の一級建築士試験に合格し、現在免許申請中。
つまり、「一級建築士試験に受かっただけの、まだ一級建築士ではない(仮)」 です。
免許登録も完了し、無事に一級建築士となったものです。

R4年、コロナが落ち着いた頃に海外勤務から帰国。
「いつか挑戦したい」と思っていた一級建築士試験の勉強を、本格的にスタートしました。

R5の学科試験は 125点満点中110点。
勉強のペースがつかめたおかげで、「これは受かるやろ」と確信。

…ところが、製図試験はまさかの不合格。
「えっ…?」と思う間もなく、次の1年間はひたすら自分の勉強法を見直し、R6の製図試験でリベンジ合格しました。

この記事では、R5の学科試験で高得点を取ったが、R5の製図試験で不合格となった私が、その悔しさを糧に、どう立ち上がり、どう“本当の勉強”を始めたのかを記録としてまとめたものです。

「落ちるはずない」と思っていた自分が不合格となり、どう再起し、R6の合格を掴み取ったか。

この“軌跡”が、今まさに不安や悔しさを抱えている誰かの、再挑戦の力になれたら嬉しいです。

本編として書き出しましたが、令和5年度の製図不合格当時の気持ちがフラッシュバックしたのか、なが〜くなってしまいましたので、いくつかに分けさせてください🙇



第1章|R5 製図試験に向けた努力の軌跡

R5の製図試験の課題は『図書館』。

非常に面白そうな課題内容で、勉強したくなりました。図書館を設計できるなんて、私のキャリアの中ではそうそうありません。図書館の勉強を堂々とできるなんて、良い年に当たったなと、そう思いました。

そういう気持ちも相まったR5の製図試験に向けて。私は、真面目に、コツコツと取り組んでいきました。


R5の製図試験の勉強期間中に出張で出かけた際には、休日に時間を設けて、その土地の名建築の図書館を見に行ったりもしました!

※下の図は、R5の製図試験の勉強をしている当時の私が、磯崎新の図書館を見学して試験課題のゾーニングっぽく書いてみたラフ図です!

豊の国情報ライブラリー(磯崎新)/1F
豊の国情報ライブラリー(磯崎新)/2F
豊の国情報ライブラリー(磯崎新)/3F

こんな感じで、名建築を前にテンションも上がり、実例の図書館をみては、一級建築士試験のエスキス勉強っぽくまとめたり、楽しく学んでました。


資格学校の課題も欠かさず提出しました。
欠かさず提出するどころか、なんなら1週間で
・模範解答トレース
・自身のオリジナルプランの修正版
・全く新しい切り口のプラン
を書いて課題提出しました。

また、お盆休みまでに『2時間作図』を学び、実践しました。

私は学科時にマスタースケジュールでの時間を可視化した管理が自分に合っていたので、製図試験用のタイムマネジメント表(β版)を作成し、毎回の読み込み〜エスキス〜作図の時間を可視化するように努めて学習を進めました。
(ちなみに合格したR6でもアップグレードしましたが、基本設計は全く同じ。時間管理表は製図試験での、自身の実力を計る指標の一つとして、非常に有効なツールでした。)

『時間を制する』『誰よりも多く描く』『描けば受かるわけではないのは承知してるが、描けば合格率は上がる!』と自分を奮いたたせて励んでいました。

毎週の課題、エスキス、作図、記述…。とにかくひとつひとつ、丁寧に積み重ねました。

ただ、初めての製図試験対策。

…そして私の性格上、知識やアイデアを深くすることは得意かもですが、『足るを知る』的にちょうどよく、言われたことを言われたまま行うのは少し苦手。(ひねくれか 笑)

初学者 かつ 短期だということもあり、毎回の課題では合格のランク1になることはほぼありませんでした。何かに引っかかってしまったんですね。(でも今思うと、ミスは財産)

ただ私の性格の強み、『どうにかやり切る』ことが功を奏していき、徐々に仕上がっていきました。

模試も受け、そこそこの評価でした。後半には知識レベルも上々。いろいろなケースを想定できるようになっており解像度も高い。
製図一年目の割に、周りの中では“仕上がってる側”だと感じていました。

記述の文章も、知識を身につけそれなりにまとめられていました。記述の詳細図なんかは、お得意。

作図も一通り形にできていますし、なぜこうしたか、こうなるのかを人に説明もできます。
時間配分も大きく乱れることはありませんでした。
万が一間に合わなくなりそうな時の時間コントロール法も見出し仕込んでいました。
(※R5の途中で見出した『万が一の時間コントロール法』は、合格したR6の製図試験では再構成し、通常のプロセスに組み込みました。)

もちろん、完璧ではありません。
でも「合格ラインは超えている」と、どこかで思っていました。
「この調子なら、大丈夫だろう」って。
「本試験までには、仕上がった」…と。

“自分なりに”は、ちゃんとやったつもりだったんです。

今振り返れば、「やったつもり」「できているはず」の中に、見えていなかった穴がいくつもあったんですが、当時は本当に気づけませんでした。

ーーだから、落ちたときの衝撃は、余計に大きかったんだと思います。

「合格すると思っていた人が落ちる」。
そういう経験をする人、意外と多いのかもしれません。

私は、まさにその一人でした。


第2章|R5 本試験当日の記憶

製図本試験当日。

Ⅰ.設 計 条 件
この課題は、ある都市の市街地にあり、近隣住民に親しまれている緑豊かな公園に隣接する敷地に、企画展示スペース等を有する地域の公立図書館を計画する。
2.建 築 物
⑴ 構造種別は自由とし、地上3階建ての耐火建築物とする。
⑵ 「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」に規定する「建築物移動等円滑化基準」を満たすとともに、ユニバーサルデザインとすることが求められている。
⑶ 要求室等
下表の室等は、全て計画する。
計画に当たっては、特に、次のことが求められている。
⑴ 多世代の利用や多様性の尊重・交流等を促し、地域住民の文化活動の拠点とする。
⑵ 読書空間は、自然採光を活用するとともに、蔵書の管理・保存に配慮する。
⑶ 省エネルギー化の実現及び再生可能エネルギーの導入によるエネルギー自立度を高めた計画とする。
---以下略---

令和5年度 一級建築士試験「設計製図の試験」問題用紙より

上記のような切り口で本試験の問題が始まりました。
私は落ち着いていました。

R5では北側斜線が初出題となり、『セットバック緩和はできるのか、できないのか』。また、北側に公園があることで『公園は緩和ができるのか、できないのか』を悩ませるような、致命傷必須の初出題の仕掛けがありました。

問題を読む際に、
・北斜
・ユニバーサルデザイン
・屋上等に設置する設備
・施設の運営管理に必要な室、その他必要な機能や什器、室等を適切に設ける

と受験生を悩ませることもいくつもありましたが、特に一撃必殺の致命傷になる北斜の設定はバッチリ見えていました。私は致命傷は回避。そして高さ設定とヘリアキ設定、塔屋の関係性も問題なし。

そして時間配分も、作図スピードも、練習通り。
エスキスも迷わなかったし、図面も一通り完成させて提出できました。記述も書けました。
R5では記述の補足図を描けというのに『蔵書等確保及び書架等のユニバーサルデザイン』への配慮について求められましたが、得意げに書き上げる余裕もありました。

「やれることはやった」「これは、いけた」と思いました。
なんなら試験終了の合図があった瞬間、『合格した・・・!』と実感してしまうほどでした。(アホ!)

正直、不安よりも期待の方が大きかったです。
海外から帰国して学科にめちゃくちゃハードに時間かけて、製図も目一杯頑張って…ふぅ…ようやく終わったか〜と思いました。

周囲と試験後の感想を話していても、自分の手応えが劣っていたとは感じませんでした。

でも——
今思えば、「できた気がした」だけだったのかもしれません。
無難なゾーニング。無難に配置計画。無難に誰もがやるように。…を意識して行い、事実無難にプランできました。

しかし。
“試験の完成”と“合格レベルの完成”の間には、大きな差があったのです。

そう…曖昧理解。そして、曖昧理解による無難な解答。
…それは無難ではない。
無難という言葉に甘えただけ。


第3章|R5 12.25 クリスマス。
合格発表日——

合格発表のページを開いたあの日。
自分の受験番号を探す指が、妙に震えていたのを覚えています。
「あるはず」「載っているはず」そう思いながらスクロールすしました。

……ん?

「え? 見落とした?」
もう一度スクロール。

……ない。

3回目、4回目。目を皿のようにして探しても、自分の番号だけが、ない。

——落ちた?

心が一気に無重力になる。
頭では理解していても、感情がまったくついてきませんでした。

まじか…

“信じていた分、落ちた衝撃が何倍にもなって襲ってきた”

「なぜ?」「どこが悪かった?」「本当にダメだったのか?」
しばらく現実を受け止められず、何も手につかない日でした。

なんでクリスマスだー!


第4章|R5〜R6  年末年始——“向き合い直す”と決めた時

自分の番号がなかった。これは現実。

落ちた原因も、明確にはわかりません。
でも、ひとつだけ思い当たることはありました。

それは、どこか“感覚”で乗り切っていたこと。
「この配置ならいけるだろう」「多分大丈夫」

ザ・エスキスギャンブル。当たるかどうかは運次第。

ギャンブル状態を無理やりねじ伏せていただけだったのは、一因。

曖昧な判断の積み重ねが、図面にも、記述にも、出ていたのかもしれません。
(事実、曖昧なままにしていたことがありました。数ヶ月後にはっきりとわかりました。)

悔しい。でも——
「やめよう」とは、一度も思いませんでした。
「今度は、“根拠のある合格”を目指そう」と、決めました。

感覚ではなく、構造化。
この時はまだはっきりとは見えていませんでしたが、“合格する”ための設計図を、もう一度、自分の中に描き直すときが来たのでしょう。

兎に角、まずやったこと。
スケジュールアプリに、一級建築士試験に落ちた日からしばらく日記を書いています。しかも結構な長文で反省をしています。
今見ると反省自体に的外れなところもありますが、私のnoteのコンセプトは『可能な限りリアルな実践を記す』ですので、ほぼそのままコピペで記載します。

2023年12月25日
一級建築士製図試験の反省点まとめ

1)プログラムに即した空間構成になってない可能性あり
【すべきだったこと】
・乳幼児連れの親子の利便性に配慮して児童書架を1階に配置。
・上記に伴い、子供用トイレ、授乳室を1階の共用部に配置。

2)設計力を発揮できていない計画になっている可能性あり。
【すべきだったこと】
・吹き抜け空間や全体的な高天井空間を設け、明るく開放的な書架スペースを構成。
・屋上庭園を設け、北側斜線をクリアしながら、公園に対して眺望に配慮した屋外読書スペースを構成。

3)周囲からのアプローチの多様性に配慮できてない可能性あり
【すべきだったこと】
・外部からのエントランスをいっぱい設け、様々な利用者のアプローチ方法に配慮
・公共駐車場から公園を通ってアプローチできるようにすることで、利用者の安全性に配慮
・例えば『隣地の公共駐車場からのアプローチ』について配慮するために、北側からエントランスやアプローチを積極的に確保(公園管理者とは協議をする旨の特記を記載し、隣地との関係性に配慮)

4)プログラムの調査や、座学不足の可能性あり。
【すべきだったこと】
プログラムを自分で考える際に具体的なイメージを持ってエスキスに臨む。
比較的現実的で最近の建築(今年で言うと例えば、◯◯市立図書館)を前もって見学。

5)記述がシンプルではなく、伝わる建築の記述になっていない可能性あり。
【すべきだったこと】
◯◯さんの淡麗な文章をお手本にする。
記述を日頃から写生トレーニングする。

●まとめ
上記のことは、今年対応もできていた内容。
特に、1)2)3)に関しては『試験に受かる程度の計画』という認識をして、楽に空間構成を納めようとしたことがマイナスに作用し、『受からない計画』を作った原因になった。

4)に関しては、リサーチは建築や空間デザインで最も大事なことなので、私が疎かにしていたことの現われだと捉えた。

5)に関しては、◯◯さんのようにわかりやすく文をまとめるトレーニングを積もうと感じた。◯◯さんが提出した記述を見せてもらうのも一つの勉強だと感じた。

エスキスや作図や設計の基礎力のレベルは問題ないと思うので、意図に沿った計画の魅力を発揮できなかったとための不合格だの痛感した。

これら反省点を活かすために、『この建築計画は、プログラム的に適しているか』を自問しながら、計画やトレーニングを進めることが必要。
多少困難でも、魅力的なプログラムや建築構成を図面で表現しよう。
その多少の困難を乗り越えれる設計力を発揮するよう、日頃からトレーニングを積もう。

来年は
・エントランスは、『メイン+サブ』必ず盛り込むようにする。
(避難のしやすさやアプローチの多様性に配慮し、周辺環境との記述対応にも繋がる)
・『吹き抜け』はできる限り計画に盛り込む。
・『屋上庭園』はできる限り計画に盛り込む。

なが〜い反省。年末休暇中ず〜っとスマホでぴこぴこしてました

【すべきだったこと】をしてなかったことが、結果に現れたんだと、そう感じました。


第5章|R6 1月〜2月、R6に向けたスタートダッシュ

再スタートを切ったのは、年明けすぐでした。

まず私が取り組んだのは、
・今の反省日記をつけること。
・「合格者の作図と記述を見ること」。

果たして私はできていたのだろうか…何がいけなかったのだろうか…わからない。
なので合格者の作図と記述を片っ端から見ようと思いました。(ユーザープランニングという、webサービスを活用しました)

見てみると明らかに上級者がいる。一方で私のプランとの相違はあるが、あまり変わり映えのしない合格者もいる。

まずは、ランクⅠの人達の作図と記述を採点することを試みました。
まず、作図。
ゾーニング分析を行い、空間構成や特徴、書き込みなどを細分化しNotionにまとめました。

そして記述。
何か合格者の特徴かを把握するために定量的に見ないといけない…と感じたため、マーカーで
・主語
・理由
・結果
を3色分けして読み進めました。

…発見しました。合格者と不合格者の違いの一つです。

合格者の記述はまず、漏れなく、主語・理由・結果がわかりやすい。誰も変なことをしていない。
この、
・主語・理由・結果
もしくは、
・主語・結果・理由

この法則を発見し、反復して読み進めました。


「記述」の強化。

R5では“書けた”つもりになっていた記述。
テキストに書かれている知識やキーワードは、浮かべは書ける…と思っていました。

でもそれは認識が甘かったのでした。記述の構造を理解していなかった、運任せの記述になっていたことに気づきました。

そこで私は、記述の読み込みで発見した法則をもとに、記述のフレームワークを自分なりに設計し直しました。

・記述に必要なキーワードは何か?
・何をどういう順で書くと伝わるのか?
・出題者が求める要素を、確実に盛り込むには?

それらをすべてをシンプルに実行可能にするために、『主語・理由・結果』の記述の筋トレを積み重ねました。

この時期の記述練習は、本講義が始まってからも有効なフレームワークとなっていました。フレームワークがあるため知識を整えて吸収しやすくなりました。

試験直前期にはとてつもない武器になっていました。

「記述は最後に仕上げればいい」という考えを、私はこの時に捨てました。



次回予告

失敗→原因分析→再構築→成功の流れをドキュメンタリー的に書いていき、「合格までの“道筋”が見える」と思ってもらえればとおもいます。

そこで次回は、
・再スタートを切ったR6 3月以降の記録
・R5の原因分析
のどちらかを綴ります。(※順序やスケジュールは要検討です)

そしていずれ、課題発表史上最高難易度(?)の課題『大学』の奮闘記や、私の身につけたスキルやノウハウ、成功のポイント等をお伝えできればと思います。

私の体験と実践という“唯一無二のリアル”をもとに、実用的な知識や具体的な実践を展開できればと考えています。


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◆『学科高得点でクリアしたのに……』
製図試験のリベンジ編の〜序章〜
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私の体験や実践をもとに、Noteの記事にして公開しています!
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