『"正しい会話"を手放した日。』
納涼会が夕方あった。
盆踊りでは患者さんが楽しそうに踊っていて、
なにより患者Aさんがすごい上手でおどろいた。
あとでシンさん(上司)に聞いたら、
患者Aさんは入院が長いから納涼会経験が豊富で
盆踊りも覚えているようだ。
普段笑わない患者Bさんが
笑ってたりして楽しそうでよかった。
患者さん全員に輪投げが入るよう
納涼会係の方が
「かわいいサービスで前にいいよ!」
と言って誘導していた。
片付け終わったあと、食堂で打ち上げがあった。
院長先生・シンさん・私の順に座って、
院長先生から「慣れてきた?」と聞かれて
「おかげさまで、ちょっとずつ慣れてきました」
と答えた。
その後「困ってることある?」と聞かれたので、
「会話が苦手で、患者さんと何か話してるとき、
私が黙ってしまうことがあるんです。
そこも直していきたくて」
と言っちゃった。
先生は「そこはおいおいね。」とおっしゃった。
でも先生と少し心の通った会話ができてよかった。
私はきっと
正しい会話をしようとしている。
だから、会話が終わったあと、
不正解だらけだと反省して、
疲れてしまうのかもしれない。
シンさんは院長先生に
「eirinさんと、脳波とか心エコーとか
検査ができて楽しいです」
と言ってくれた。
とても嬉しかった。
普段は病棟でしか見ない患者さんの
新たな一面を見ることができて、
感動したのを覚えています。
人の新たな一面を発見するとは
こういうことなのかと実感したのです。
ただ、相変わらず私は会話が苦手。
人間はコミュニケーションを
しなければ生きていけないから、
そんな状態で生きているのは
非常に自信のない日々を過ごしていました。
でも、周りの方々が優しくて、
「変わろう」と思えたのがこの頃でした。
【今日の学びポイント】
正しさより「場にいること」が大事な会話もある。
会話は完成度ではなく、日々の積み重ね。
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※登場する人物や会話は、心の記録をもとにした創作です。
