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やっぱり“最悪↓で最高↑”だったUSJゾンビ・デ・ダンス。リピートしたくなる“没入と中毒”の正体

今年のUSJゾンビ・デ・ダンス、最初は正直「前の方が良かったんちゃう…?」と思っていました。記事にもしてしまいました。

ですが、実際に体験して気付きました。
これを書いた私、なんも分かってなかった…!

“最悪↓で最高↑〜〜!”でした。すみません。
どハマりして年パスを買い、4回も体験しました。

さらには長すぎるオタク考察物語を2記事も出してしまう始末。
果たして読み切ってくれる人はいるのか…?

そして今まさに追加で記事を書いています。
どうしてここまでハマってしまったのか?

今回は、その“没入と中毒”の正体を紐解いていきます。

1. 最先端のSNSダンス

ゾンビ・デ・ダンスの振付は“何度もハマる快感”が設計されています。

もちろん私は4歳から本気で踊り続けるダンス大好き勢なので振付動画で予習をします。確認した後の感想は「なんか物足りなくない…?」でした。

別の動画のコメントで「微妙かも→なんか中毒性が…→ダンスも真似したくなる→最悪で最高!!」というものを見かけて「そういうもんなのか…?」と思っていたけど、完全にコレ

これまで私が生きてきたダンスの世界では、一度のステージでいかに魅せられるかという土俵で戦うことが多かった。

ですが、今年のゾンビ・デ・ダンスは違います。見れば見るほど良さを感じる「スルメ系」のダンスパフォーマンス。これは、近年の動画やSNSの普及などにより「反復」されることを前提に作られています。

中毒を生む“リズムと参加”の構造

では、令和の「反復」されるダンスとはどのようなものでしょうか?

人は、音と動きのリズムがシンクロした瞬間に脳内のドーパミンによる快感を覚える生き物です。
ゾンビ・デ・ダンスの振付は、この「気持ちいい音ハメ」「繰り返し動作」を軸に作られています。

そして、SNS時代のダンスは、“見る”だけでなく“参加して完成する”構造を持っています。

・「できそう」「やってみたい」心理
・デュエット機能で“共演”できる感覚
・模倣から生まれる“創造”

この構造が、最終的に観客を演者に変えていくのです。

余談ですが、6歳の長男にゾンビ・デ・ダンスの振付を教えたところ、あっという間に踊れるようになりました。
面白いことに、最初は精度の低い踊り方だったのが、何度もゾンビと一緒に踊っているとどんどん上手くなっていったのです。振付の難易度設定が絶妙

ゾンビと踊る6歳

2.“その場限り”のライブ体験が生む中毒性

「ダンスが楽しかったからリピしたということ?」と思われそうですが、違います。ゾンビ・デ・ダンス最大の魅力は「その場でしか見られないライブ感」にあります。

同じ振付でも、ゾンビごとに踊り方が違います。
ピエロゾンビは“狂気のキレ”、人形ゾンビは“人間離れの美”。
さらに演者によっても、解釈と表現が違ってきます…!それをUSJは敢えて良しとしている。

「このダンサーはこのゾンビをこう演じてるんだ」と気付くのが楽しい。
その瞬間ごとに違う“生ものの感情”がある
からこそ、何度も足を運びたくなるのです。

3. ソロ鑑賞形式だからこそ見えるゾンビの“人間味”

以前は、曲が始まる前にクルーが観賞列を整備し、ゾンビたちが並んで踊れるスペースを確保していました。
しかし今年は、ステージ型ではなく“1体のゾンビを囲んで鑑賞する”形式に。
最初は「集団による迫力が欠けるのでは?」と思っていたのですが、これが大正解。

前回までのゾンビ観賞列

ゾンビを囲む観客の輪がたくさんできるため、空いている輪を探せば最前列で楽しめます。前回までの「3列目で何も見えない…」となってしまう課題が解決されていました。

近距離だからこそ、ゾンビそれぞれの表情や動き、演じ方の違いもよく分かります。

今年は、迫力ではなく“没入”で魅せる方向に舵を切っていた。“観客との距離”の再設計がなされていたのです。

4. ゾンビを演じる“ダンサー”の輝き

ダンサーという職業は、まだまだ「アーティストの後ろで踊る人」というイメージが強いです。
ですが、このゾンビ・デ・ダンスでは、1人ひとりのダンサーが“キャラクター”として輝ける舞台になっています。

観客は「ゾンビを演じるパフォーマー」を見に行く。これはダンサーの新しいマネタイズの形ではないでしょうか。

バックダンサーでも、ソロでもない。着ぐるみのような徹底されたキャラクターでもない。
「キャラクター×身体表現」という組み合わせが、個性を“商品”に変えている
ライブエンタメとして画期的なビジネスモデルのひとつです。

5. 恐怖と興奮の感情設計

なぜかゾンビ・デ・ダンスの瞬間って、めちゃくちゃテンション上がります。アドレナリンが出るような、そんな感覚。

なぜこうなるのか?
そういうふうに感情の起伏設計がされているからです。

ストリートゾンビは一般のゲストに混ざって歩いており、急に「ギャー!」と叫んで脅かしてきます。内心「わっ!」となり心臓が高鳴ります。そして美しくおぞましい造形のゾンビに睨まれると、なんともいえない恐怖を感じます。

この“恐怖”が、音楽とダンスによって“興奮”に変わります。

いわゆる“吊り橋効果”のような状態です。観客の情動変化そのものが演出として計算されています。
恐怖と驚きで高鳴る鼓動と感情を、ダンスで「楽しい〜!」という解放感と興奮に落とし込む。これがゾンビ・デ・ダンスの感情設計の仕組みです。

同じ“恐怖”をテーマにした体験設計としては、ディズニーの「タワー・オブ・テラー」も見事です。あちらは“物語”そのものの中で恐怖を演出し、体験を構造としてデザインしています。

気になる方はぜひこちらを👇

6. 「リピートしたくなる」理由を分解してみる

ゾンビ・デ・ダンスを「リピートしたくなる」理由を、あらためて整理してみます。

【没入】その場に引き込まれる
・中毒性のあるリズムと振付構成
・近距離で体感できる臨場感とゾンビの人間味

【共鳴】心がシンクロする
・“一緒に踊れる”という参加型の楽しさ
・ゾンビやダンサーごとの個性に共感し、推しを見つける感覚

【解放】感情が爆発する
・恐怖→興奮へと転化する感情曲線
・「怖いのに楽しい!」というアドレナリンの快感

【リピート】もう一度味わいたくなる
・その場限りのライブ感と再現できない体験
・「次はどんなゾンビに会えるんだろう?」という期待感

没入 → 共鳴 → 解放 → リピート
この流れが、人を“何度でも”惹きつける感情設計です。

7. さいごに。創作・発信への応用

ゾンビ・デ・ダンスに私たちがハマる理由には、創作や発信にも通じる3つの仕掛けがあります。

1. 感情の起伏を設計
2. 体験者が世界観に参加できる
3. 毎回違う=ランダム要素でリピ誘発

「あなたにしか作れない世界観」を演出し「そこに参加できる仕組み」をつくり「何度も体験したくなる変化」をつける。

好きなクリエイターさんの世界観作り(ブランディング)に魅了されて、交流の仕組みに参加(インタラクション)「次は何を見せてくれるかな?」と楽しみにする人もいるのではないでしょうか。

感情を動かし、体験を共有し、そしてまた誰かを呼び戻す。

ゾンビたちが恐怖を興奮に変えるように、
私たちの表現も、誰かの心を動かすことができる。
それを実感した、ホラーナイトの夜の体験でした。


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