(1)ラムパーンの夜明け
現在ではタイの北部地方と言えばチェンマイ(เชียงใหม่)ばかりが有名だが、歴史的にはラムプーン(ลำพูน)・ラムパーン(ลำปาง)はチェンマイよりも早くに開けた。
遺物や信認された文献資料に基づきタイの地の歴史が考証可能なのは、6世紀頃から11世紀にかけて栄えたドヴァラーヴァティー(ทวารวดี)王国が最初である。異説はあるものの、タイ最初の仏教伝来地にして王国最大の都市ナコンパトム(นครปฐม)を中心にラーチャブリー(ราชบุรี)県から東北部ペチャブーン(เพชบูรณ์)県※1やウドンタニー(อุดรธานี)県にかけて各地に遺跡が散在しており、全体を統治する大王を立てることもなく稲作生活を営みながら、鉄や塩を有力な交易物資として、環濠集落や原始国家を結ぶ連合体であったと考えられている。
このモン(มอญ)族を主体とする王国は最盛期には、東西にビルマからタイを経てカンボジアまで達し、南はマレー半島中部までを含む壮大な版図を形成していたとする説もある。又、近年の研究ではタイ北部でも遺跡が発見されており、深奥部まで王国の影響は及んでいたとする説が唱えられている。
※1ペチャブーン県にあるシーテープ(ศรีเทพ)遺跡はドヴァーラヴァティー王国第二の規模を誇った環濠集落で、世界遺産に指定されている。
山岸ハニー

