ヘルシーそうな食品ほど食べ過ぎやすい説
〖プロローグ〗
サラダ、グラノーラ、プロテインバー、スムージー。
健康によさそうな食品は罪悪感が低い。
そのぶん、つい量の管理が甘くなることがある。
これはかなりありがちな現象で、「体にいいから大丈夫」が過食の入口になる。
いかにも逆説的だが、実はかなり筋が通っている。
〖結論〗
この説は半分正解である。
ヘルシーイメージの強い食品は安心感を生み、量の見積もりを甘くして食べ過ぎやすくなることがある。
ただし、すべての健康食品が危険なのではなく、エネルギー密度が高いものや、食べやすい形のものほどその影響が出やすい。
〖エビデンス〗
心理学研究では、健康的とラベルづけされた食品が低カロリーだと過小評価されやすいことが示されている。
また、健康的な選択をしたことで他の場面で自分を許しやすくなる、いわゆるライセンシング効果も報告されている。
一方で、本当に低エネルギー密度で満足感の高い食品は、適切に使えば十分有利である。
問題はイメージと現実のズレである。
〖研究から分かること〗
危ないのは、健康そうに見えるが、意外と高カロリーで食べやすい食品だ。
ナッツたっぷりのグラノーラ、甘いスムージー、健康系バーなどは、その典型になりやすい。
逆に、野菜、豆、赤身たんぱく質のように量のわりにエネルギーが低いものは、むしろ使いやすい。
ヘルシーさではなく、実際の中身を見る必要がある。
〖なぜこの説が広まったのか〗
健康イメージは安心を生むからだ。
悪そうな食品は警戒するが、良さそうな食品には警戒がゆるむ。
その心理差が摂取量の差につながる。
しかも、健康食品は自己肯定感も伴いやすいため、余計に止まりにくい。
〖制御ダイエット理論視点〗
食品選択では、名称やラベルより、満腹感、エネルギー密度、食べやすさを見るべきである。
健康イメージは入力評価をゆがめるノイズになりやすい。
減量では善悪ラベルより、食後の安定性と総量への影響を優先して判定したほうが精度が高い。
〖まとめ〗
ヘルシーそうな食品は、安心感のぶん食べ過ぎやすくなることがある。
特に高エネルギーで食べやすい健康食品は、量の見積もりを誤りやすい。
食品はイメージではなく、実際の満腹感と総量への影響で評価すべきである。
〖参考文献〗
Chandon P, Journal of Marketing Research, 2007。 Wansink B, Journal of Consumer Research, 2006。 Rozin P, Journal of Consumer Research, 1996。
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このシリーズは、 知識を単発で増やすためだけのものではない。
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