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【地方創生 番外編⑥】伏線回収と青い熱量。完璧な正解を捨て、泥と嵐に飛び込んだ大人たちの群像劇

ビジネスの教科書が教える「最も手離れの良い正解」を、あえてドブに捨てる大人たちがいる。

彼らを動かすのは、ロジックではない。現場で触れた、誰かの「誇り」だ。

8月12日、かりゆし塾前半群像劇編の山場となる日を目前に、3つのチームが、それぞれの場所で、それぞれの覚悟を固めていた。


◆ 完璧な「正解」を捨てる衝動:(さんしん班)

さんしん班は、一度、完璧な答えを手にしていた。

「沖縄キクラゲ」。すでに100点満点でビジネスが自走している、超優良資源だ。手離れがいい。リスクが少ない。誰が見ても、賢明な選択だった。

その正解を、彼らは手放した。

代わりに選んだのは「読谷山花織」。自分たちが最も大きく貢献できる余白がある、そちらの道だった。

これは単なる思いつきではない。

実際に現場へ足を運び、職人が織る姿を見つめ、組合の人々と交わした濃密なコミュニケーション。その一次情報が、彼らの心を捉えて離さなかったのだ。

「自分たちが応援したい」という、理屈を超えた情熱。

これこそが、【第7弾】で彼らの魂に深く刻まれた変化の証明である。

完璧な正解より、自分たちが本気で守りたいと思えるもの。さんしん班は、腹を決めた。


◆ 嵐と不在の中で跳ね上がった「ギア」:(グスク班)

台風13号が、沖縄本島を直撃する。既に大東島地方には暴風警報が発令された。本日未明(午前0時〜3時)には、沖縄本島も暴風域に入った。

ミーティングは中止。加えて、リーダーはブラジルへの出張中だった。物理的な断絶。普通なら、これは「活動停止」の格好の言い訳になる。

しかし、グスク班は違った。

メイン資源をバタフライピー一本に絞ると決めてからの彼らのスピードは、異常だった。写真や具体的なエピソードを残す暇すらないほどの勢いで、TrelloとLINEが回転し続けていた。

自宅で、指を青く染めながら実験に没頭する大人たち。

チームは、確かに「機能期(Performing)」へと突入していった。

逆境は、言い訳にもなれば、加速装置にもなる。グスク班は、後者を選んだ。


◆ 嵐に足止めされたからこその「覚悟」:(泡盛班)

7/29(水)泡盛班よりメンバーミーティングの議事録が届いた。

南城市を歩く中で、熱いプレイヤーや魅力的な資源は多いものの、横のつながりが弱い現状が見えてきました。
なかでも「稲作」は、歴史と誇りを紡ぐ中心的なテーマになり得ます。その物語性と6次産業化の設計こそが、地域産業の真の強みだと確信しました。
そこで「稲作」を主軸に、泡盛やキャンプ、ハーブを横断的に結びつけ、南城市を五感で体験できる地域循環プロジェクトを構想したいと思います。
農業の担い手や交流人口を増やしながら、南城市独自の持続可能な地域ブランドを未来へ届けるチャレンジを行います。

結果として、彼らは私が思い描いていた答えにたどり着いた。

しかし、正解は一つではない。

本音で議論を戦わせ、自分たちなりの結論を出すこと。そして、その結論を正解にしていく努力を重ねること。これこそが、私が本当に期待していたことであった。

仕事とは、正解を「当てる」ゲームではない。選んだ答えを、正解に「近づけていく」ゲームである。

あとは、彼らが出した決断を尊重し、全力で支援するだけだ。

ところで、8月6日に予定されていた、新規稲作実施者との再ヒアリング。これも、台風の接近によって延期を余儀なくされた。訪問は、8月12日の決戦当日へと持ち越されることになった。

だが、この足止め期間中、彼らの覚悟は、むしろ強固に結晶化していった。

「ストーリー展開から言っても、真ん中に置くべきは稲作だ」

メンバーの意見が、完全に一致した瞬間だった。

焦って、ビジネスとしての成功を急いだわけではない。実証実験として農家さんの意向を丁寧に確認しながら、共にリスクを背負い、挑戦するという、伴走者としての誠実なスタンスを崩さなかった。

嵐の夜、彼らは牙を研いでいた。

足止めされた時間は、無駄ではなかった。むしろ、迷いを削ぎ落とす時間になった。


◆ 結び:すべての伏線が交錯する舞台へ

カオスと泥臭い模索が続いた第1部・群像劇編。

その集大成が、8月12日にやってくる。

さんしん班は、手放した正解の先にある情熱を。グスク班は、逆境の中で研ぎ澄ませたスピードを。泡盛班は、足止めの時間で固めた覚悟を。

3つのチームが、それぞれの理由で腹をくくり、後戻りできない覚悟を持って、決戦の壇上に上がる。

あなたの職場にも、「手離れの良い正解」を手放せずにいるプロジェクトはありませんか。

まだ、誰も答えを出していない。

地域活性化プランの実現という真の伏線は、まだ回収されていない。

彼らがかりゆし塾の舞台で何を選び取るのか、私も注視したいと思います。

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