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硝子の靴異譚00|序文

◇帯文

つっかけがきっかけで世界は動く。
硝子の靴異譚。観測至上主義ファンタジー。

硝子の靴?
そのような不便で危険極まりない魔装具など、この国には存在せぬ。第一、自由気ままに走れぬではないか。

あるのは、つっかけと女子会、推し活と黒曜石の瞳である。舞踏会は合コン、シャンデリアはLED、かぼちゃの馬車はパスモ、魔法の失効時は終電。王女は酎ハイ片手につっかけで闊歩し、王子は合コンでつっかけを拾う。

この世界は、似非ビクトリア王朝あたりの本邦旧帝都。観測が魔法に代わる世界では、観測こそが至上。
この物語は、観測と語りの主導権を巡って激しいバトルが繰り広げられる「現代ファンタジー異譚」である。

観測とは世の理を記録する最終奥義。
そして、語りとは理を宣言し確定する呪詛である。
世界は揺らぐ。語りが触れれば、理はたちまち形を変える。
ゆえに、語り手は常に観測の刃に晒され、斃され、入れ替わる。

その仁義なき闘いに、最後まで残る語り手は誰だ。

さあ諸君、進軍ラッパとペン先の音が響いておる。
立て。進め。ぼやぼやしてはおられぬ。
この間も主語は闇に溶け、メタと語りの迷宮に囚われるぞ。
揺らぎに足元を掬われた刹那こそ快樂の極み。ぽわぽわした浮遊を味わうがよい。


◇ 登場する面々

  • 王子様:国家の第一位王位継承者にしてだだいま絶賛婚活中。

  • 王女様:パスモで移動する気さくなお姫様。つっかけ過激派。

  • 宰相くん:宰相子息。腹心とは名ばかり。ウェイ勢の先鋒。

  • 総監ちゃん:黒曜の瞳を宿す、王付主席薬師兼王宮記録院総監。

  • 語り手たち:暴走、メタ、何でもござれ。とにかく信頼できない。


◇目次

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