しのちゃんが弾いたMarcyさん制作ファズ「TONE DRIVER」を僕も弾いてみた
さっき、しのちゃんがMarcyさん制作のファズ「TONE DRIVER」を弾いているところを撮影した動画をアップしました。
このときの音が良かったんですよね。
何が良かったって、もちろんペダル自体の音もそうなんですが、しのちゃんの出すクランチがやたらと良かった。
ファズを弾いているのに、上品でちゃんと芯があって、でも少し崩れそうな危うさもあって、「ああ、こういうのいいな」と思う音でした。
同じようなことを自分でもやってみたくなりました。
悔しい、と言ってしまうと大げさかもしれませんが、いややっぱり少し悔しいんでしょうね。
僕にはああいう「ええ感じ」の音って、簡単には出せないんです。
なので、僕も弾いてみました。
今回使った機材
今回使った機材はこんな感じです。
Marcyさん制作ファズ「TONE DRIVER」
BOSS BD-2 Blues Driver
JEN Cry Baby SUPER
HOTONE AMPERO II STOMP
鉄鍛 昆泰
比較対象としてBD-2を入れました。
定番中の定番ですが、こういう時に基準になってくれるのはやっぱり強いです。
さらにJEN Cry Baby SUPERも投入。
ワウを入れると、ただの歪み比較では終わらない感じが出て面白いかなと思いました。
アンプまわりはHOTONE AMPERO II STOMP。
ギターは鉄鍛 昆泰です。
この昆泰、以前からちょこちょこ触れていますが、出自が少し謎めいているわりに、弾いていて妙に手応えがあるギターなんですよね。
TONE DRIVERはただの“ハンドメイドファズ”ではない
ハンドメイドのファズ、という言い方をすると、少しふわっとしすぎるかもしれません。
でも実際、個人ビルダーの作るペダルには、市販品の量産モデルとは少し違う面白さがあります。
整いすぎていないというか、作った人の耳とか癖とか好みみたいなものが、わりとそのまま音に出てくる感じがあるんですよね。
MarcyさんのTONE DRIVERも、そういうペダルでした。
上品なだけではなくて、ちゃんと太さがある。
でも太いだけで眠くならなくてしっかりファズ。
でもニュアンスが全部潰れる感じではなくて、弾き方によって表情が変わる余地が残っている。
このへんが面白いです。
ファズって、時々「これを踏んだ瞬間に全部ファズの音になる」みたいなものもあるじゃないですか。
それはそれで気持ちいいんですが、TONE DRIVERはもう少しギター側の意思が残る感じがしました。
だから余計に、弾き手の差が出るのかもしれません。
しのちゃんみたいなクランチが出ない
で、問題はここです。
やっぱり、しのちゃんみたいなクランチは出ませんでした。
いや、音自体は悪くないんです。
動画として見返しても、「全然ダメだ」とまでは思いません(演奏技術は除く)。
でも、あの少し乾いた感じというか、ジャリッとしているのに耳に痛くなくて、歪んでいるのにちゃんとクリーンの気配も残っているような、あの絶妙なところにはなかなか行かない。
こっちはどうしても、少し歪みすぎる。
あるいは、逆に遠慮すると面白みがなくなる。
その間の「ちょうどいい場所」が、思っていたより狭いんですよね。
ギターの音作りって、機材の話をしているようで、最後はわりと右手の話になってしまいます。
悔しいですが、本当にそうです。
同じペダルを踏んでも、同じようにはならない。
しのちゃんの音が良かったのは、結局しのちゃんが弾いているからなんだろうな、と思います。
あまり夢のない結論ですが、たぶんそういうことなんでしょう。
BD-2はやっぱり基準になる
比較対象に入れたBOSS BD-2も、あらためて良かったです。
これは何度も言われていることですが、BD-2ってやっぱり便利なんですよね。
「何でもできる」とまでは言わないけど、基準として置いた時にすごく分かりやすい。
TONE DRIVERのような個性のあるペダルと並べると、BD-2の“普通の強さ”みたいなものが逆によく見えてきます。
普通と言っても、つまらないという意味ではなくて、「どこに置いても話が通じる」感じです。
ギターを替えても、アンプシミュレーターを替えても、ある程度筋の通った音になる。
だから定番なんでしょうね。
一方で、TONE DRIVERの方はもう少し癖がある。
でもその癖があるから面白い。
そのへんは、量産品と個人ビルダー物の違いでもあるのかもしれません。
JEN Cry Baby SUPERを入れると少し景色が変わる
そこにJEN Cry Baby SUPERを足すと、また少し景色が変わります。
ワウって、上手い人が使うと「なんでそんなに自然なんだろう」と思うんですが、自分でやると急に“ワウ使ってます感”が出てしまうことがあります。
これもまた難しい。
ただ、今回の動画では、JENの持っている少し独特な濃さみたいなものが入ることで、ただの歪み比較よりは面白くなった気がします。
ペダル一個のレビューというより、「いくつかの機材がぶつかった時どうなるか」を見る動画としては、こっちの方が良かったかもしれません。
ビンテージワウって、置いてあるだけでもかっこいいんですが、やっぱり踏んだ時のあの独特の癖がいいんですよね。
現代の整ったワウとは少し違う、妙な粘りというか、良い意味での扱いにくさがある。
そういう意味でも、TONE DRIVERとは相性が悪くなかったと思います。
鉄鍛 昆泰もやっぱり面白い
そして今回も思ったのが、鉄鍛 昆泰はやっぱり面白いギターだということです。
有名ブランドのギターみたいな安心感はないです。
スペックを見て「はいはい、こういう音ね」と分かるタイプでもない。
でも、実際に弾くと妙に前に出てくる感じがある。
こういう“謎だけど使える”ギターって、たまにあります。
昆泰はまさにそのタイプです。
歪ませても全部が崩れないし、かといって優等生すぎるわけでもない。
今回みたいな少し癖のあるペダルと組み合わせると、その曖昧さがむしろ良い方に出る感じがしました。
