【ぶんちゃん連載④】「冥土の土産ツーリズム」決行。命懸けの、片道12時間ドライブ。
【連載】
介護士のぶんちゃんがFacebookにアップしていた「看取りの記録」投稿。
それがめちゃくちゃ良かったのでnoteに残すことにした。
ぶんちゃんは「スタッフ(介護士)」であり、
「入居者の家族」でもあり、
「ムスコの嫁(と姑の関係)」でもある。
元の投稿にちょっとだけ文言を追加したり、構成を変えたり、写真とかを追加しています。
ちょっとメンドくさそうな関係性を踏まえた上でどうぞ。
〜
犬の召喚、そして赤いドレスの金婚式。
お義母さんの「はっぴープラン」が着々と実現していく中で、最後に残ったのは、2つの最も高いハードルでした。
・山(お二人の共通の趣味)
・福島県会津市(故郷・二人の出会いの地)
余命宣告を受けた体で、福島県会津若松までの長距離移動。
普通に考えれば「無理だ」と諦める場面です。
だけど、はっぴーの家の仲間たちは違いました。
「会津、行っちゃいましょう!」
「私、同行したいです!」
次々とサポートの手が上がりました。
こうして前代未聞のプロジェクト『第1回 冥土の土産ツーリズム〜金婚50周年・思い出の地へのデート旅〜』が動き出したのです。
「レッツゴー会津」主治医の力強い背中押し
どれほど過酷な旅か、途中で命が尽きる可能性だってゼロではない。
そんなリスクを承知でお義母さんに聞くと、力強く「行く!」と答えました。
最後は、主治医の先生の判断に委ねるしかありません。
すると先生からは、想像もしなかった言葉が返ってきました。
「レッツゴー会津!」
「いいなぁ、私も行きたかったなぁ」と笑顔で背中を押してくださる先生。その言葉に、私たちは覚悟を決めました。
ちょうど長男の高校入学式と重なったため、夫には神戸に残ってもらい、私は「介護士 兼 嫁」として同行することに。

お義父さんとお義母さん、そして看護師、介護士、ケアマネ、事務局……総勢8名、1台のキャンピングカーに乗り込み、ドキドキの旅がスタートしました。
運命の境界線、新潟県・糸魚川(いといがわ)

道中、もし体調が急変したら?
私たちは事前に一つの決まり事を作りました。
「行くか、戻るか。その境界線は新潟県の糸魚川にする」
糸魚川を越えたら、何があっても会津を目指す。
全員がその決意を心に刻み、北へと車を走らせました。

片道、休憩を挟みながら12時間以上のドライブ。
けれど、会津に到着した私たちを待っていたのは、想像を絶するほど美しく、幸せな時間でした。
懐かしい人たちとの再会
到着するや否や、噂を聞きつけたお友達の皆さんが続々とかけつけてくれました。
名前が出てこない人もいたけど、顔はきっとハッキリとわかっているでしょう。


中でも保育の専門学校時代の仲間の皆さんは、ベッドの横で校歌を歌ってくれるサプライズ。表情には出ていませんが、ポロッと涙が流れたことを見逃しませんでした。

そして、来ていただいた皆さんに、あるお願い事をさせていただきました。

思い出の「鶴ヶ城」での金婚式セレモニー
鶴ヶ城は、日本の桜の名所100選にも入る場所。
満開の桜をバックに…とは行きませんでしたが、集まってくださった皆さんと、Happyのみんなをバックに撮影ができました。




他にも、「本場の蕎麦を食べる」「馬刺しとビールで乾杯する」など、お義母さんの体調を最優先にしながらも、全てのミッションをクリアしていきました。
あまりにも出来過ぎていて、今振り返っても「夢だったんじゃないか」と思うほどです。
「私はここに残る」その言葉が最高の証
旅の終わり、ホテルのチェックアウトの際にお義母さんが放った一言が、この旅の成功を物語っていました。

「私はここに残るわ。あんた達だけ帰りなさい」
帰りたくなくなるほど、楽しくて、幸せで、心震える時間。 出発前には全く想像できなかった景色を、お義母さんはその目でしっかりと見つめていました。

この無謀とも言える旅を実現できたのは、同行してくれたメンバーはもちろん、その間現場を守って送り出してくれた「はっぴーの家」の全スタッフのおかげです。感謝してもしきれません。
人生で、あと何回こんなに心が震える体験ができるだろう。
この「冥土の土産ツーリズム」で得た感動と、みんなの優しさを、私は一生大切にしていきたいと思います。
(つづく)
p.s
絵描きの旦那様がこの旅をイラストにしてくれました。
はっぴーの家のどこかに飾っています。
来られた時はぜひご覧ください。


p.sのp.s
Happyのケアマネ、野上おじさんも負けていません。
勝手に昔の映画ポスターのように仕上げてくれました。
こちらはどこにも飾っていませんが、また印刷して貼ってるかもしれません。

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