気づいたらLogicoolに囲まれていた話——僕の「Logicool愛の正体」
デスクを眺めたら、全部Logicoolだった夜
ある夜、noteの記事を書き終えて、ふとデスク全体を見渡しました。
右手の下にあるのはLogicool MX MASTER 3S。
左手に触れているのはLogicool PEBBLE KEYS 2 K380s。
頭に載っているのはLogicool G535。

当たり前のように使い続けてきたデバイスたちが、同じロゴを持っていることに、その瞬間まで意識したことがありませんでした。ガジェット好きを自称しておきながら、気づかないまま、いつの間にか3つすべてを同じブランドで揃えていました。
でも、これは決して「Logicoolが好きだから全部Logicoolにした」わけではありません。
キーボードは4,000円台。マウスは13,000円台。ヘッドセットは15,000円台。
それぞれを買った理由も、解決したかった問題も、出した結論も、三者三様でした。
それなのに、辿り着いた先が全部同じブランドでした。
なぜそうなったのか。3つの購入を振り返りながら、Logicoolというブランドの「何か」を掴んでみようと思います。
第1章:キーボードは「安いもの」でいい、という結論
最初にLogicoolに本気で向き合ったのは、キーボードでした。
HHKB、REALFORCE、Keychron——数万円を投じてキーボード沼を泳ぎ回った末に、僕が辿り着いたのは4,000円台の PEBBLE KEYS 2 K380s でした。これについては別記事(色んな高級キーボードを試したけど、結局ロジクールの安いキーボードばかり使ってる話 PEBBLE KEYS 2 K380s)に詳しく書いたので、ここでは短く触れるだけにします。
決め手は「打鍵感」ではなく「Logi Bolt」でした。
Logi Boltとは、Logicool独自の2.4GHz無線通信規格です。Bluetoothの弱点——スリープ復帰時のラグ、電波干渉、デバイス切り替えのもたつき——をすべて解消した、有線に限りなく近い安定性を持ちます。
自宅では自作デスクトップPC(NixOS)とサブのLifebook U939を使い分けています。キーボード側のボタンを1回押すだけで、遅延ゼロで2台の間を行き来できる。それが、あらゆる高級キーボードが提供できなかったものでした。
「Logicoolはいいな」と思い始めたのは、この体験からです。
第2章:マウスは「投資する」べき理由——MX MASTER 3S
キーボードで「安さの正義」を学んだ直後に、僕はマウスで真逆の結論を出すことになります。

右手が言うことを聞かなくなった夜
ある夜、仕事帰りの電車でつり革を掴もうとしたとき、右手の指が思うように動きませんでした。手首の内側にしびれ。指の付け根がパンパンに張っている。
「疲れてるだけだ」と思いました。でも翌日も、その翌日も同じでした。夕方になると右手が重くなり、帰宅してnoteを書こうとしても1時間を過ぎたあたりから手首が言うことを聞かなくなってくる。
ふと気づきました。生命保険会社の総務職として仕事中に、そして帰宅後のnote執筆中にも、1日6〜8時間はマウスを操作していると。それを、2,000円のマウスで支え続けていました。
その夜、初めてエルゴノミクスマウスを真剣に調べ始めました。
「変な形」には、理由があった
検索すると、すぐにMX MASTERシリーズの名前が出てきました。
画像を見た最初の感想は「なんか変な形だな」でした。右に傾いたボディ、親指の位置に突き出た小さなホイール、全体的に大きすぎる輪郭。でも調べるうちに、ある文章で手が止まりました。
「平らな机に手をまっすぐ置いたとき、手首は自然な角度ではない」
試しにやってみると、確かに手のひらをデスクにまっすぐ置くと手首が内側にわずかにねじれています。そのねじれた状態のまま、毎日8時間マウスを動かしていました。MX MASTER 3S の傾いたボディは、そのねじれを戻すためのものでした。
「変な形」ではなかった。正しい形が、見慣れた形と違って見えていただけでした。
それでも価格を見ると、笑いたくなりました。13,200円。マウスに。
3日間、毎晩Amazonのページを開いて、また閉じました。でも買いました。
手が「置かれている」という感覚
届いた夜、自作デスクトップに接続して手を乗せた瞬間、「あ」と声が出ました。
手のひら全体が、マウスの上に「乗っている」感覚でした。親指が自然な位置に収まる。手首が宙に浮かない。今まで無意識にマウスを「握っていた」のだと、その瞬間に気づきました。安いマウスは手のひらに乗り切らないので、指と手首で支えていたんです。気づかないうちに、ずっと手を軽くグーにして作業していた。
それが、「置く」という感覚に変わりました。
1週間後、仕事帰りの電車でつり革を掴んだとき——右手が、ふつうに動いていました。
3年使って「マウスのことを考えなくなった」
3年使い続けると、見え方が変わります。
1年目は手首の痺れがなくなった感動がありました。でも3年経つと、その感動は薄れます。当たり前になるからです。
あるとき、外出先でノートPCのタッチパッドだけで半日作業する機会がありました。帰宅してMX MASTER 3S に手を乗せた瞬間、「ああ、これだ」と思いました。3年間当たり前だと思っていたものが、当たり前ではなかったと気づく瞬間でした。
もうひとつ気づいたことがあります。マウスのことを、考えなくなったということです。
2,000円のマウスを使っていた頃は、定期的にホイールの引っかかりや接続の不安定さが気になっていました。MX MASTER 3S に変えてから、マウスについて考えた記憶がほぼありません。3年間、一度も故障していません。使っていることを忘れるくらい馴染んでいる道具が、本当の意味での「いい道具」なのだと思っています。
1日12円という計算
13,200円を3年間で割ると、1日あたり約12円です。2,000〜3,000円のマウスを1〜2年で使い捨てていた頃は、3年間で6,000〜9,000円かかっていました。価格差は、見かけよりずっと小さかったのです。
「1万3千円のマウス」は、3年後に振り返ると「3年間の相棒に払った12円/日」でした。
第3章:ヘッドセットは「軽さ」だけが正義
G535を選んだ動機は、もっとシンプルです。
「頭が重い」というストレスに、もう我慢できなくなっていました。
ゲーム中に感じるヘッドセットの重さというのは、1時間目はほとんど気になりません。でも2時間、3時間と経つにつれて、首の付け根あたりにじわじわと圧迫感が積み重なっていく。それは疲労というより、「重さを忘れられない」という集中力の妨げに近いものでした。
G535の重量は236g。装着した瞬間、「軽い」より先に「無い」という感覚があります。
バッテリー持続時間は33時間。1日3時間ゲームをしても、週1回の充電で足ります。
G535の詳しいレビューは別記事(【ガジェットレビュー】圧倒的な軽さ!ロジクールのワイヤレスヘッドセット「G535」)に書いています。ここで注目したいのは、G535が採用している無線規格「LIGHTSPEED」です。
LIGHTSPEED は Logi Bolt とは別のLogicool独自技術で、ゲーミング向けに超低遅延を実現しています。Logi Boltが生産性デバイス向けの「安定性の極み」なら、LIGHTSPEEDはゲーミングデバイス向けの「遅延ゼロの極み」です。
用途に応じて2種類の最高品質ワイヤレスを持つ——これが後で効いてきます。
第4章:3つの購入を並べたとき、見えてきたもの
3製品を改めて整理してみます。
価格はバラバラです。安さが正義だったものも、投資が正解だったものも、あります。
でも並べてみると、Logicoolが3製品に一貫して持っている姿勢が見えてきます。
「ユーザーが感じているストレスの種類」に対して、正しい技術的回答を出しているということです。
Logi Bolt は「接続の不安定さ」というストレスへの回答です。LIGHTSPEED は「ゲーム中の遅延」というストレスへの回答です。MX MASTER 3S の傾いたボディは「手首のねじれ」というストレスへの回答です。G535の236gという軽さは「頭部への負荷蓄積」というストレスへの回答です。
スペック表に書いてある数字を追うのではなく、毎日使う人間の身体的・感覚的なストレスを起点に設計している。それが、僕がLogicoolを選び続けている理由の本質だと思っています。
第5章:Linuxユーザーが語るLogicoolの「隠れた強み」
もう一つ、Logicoolの話をするときに省略してはいけないことがあります。
Linuxとの相性の良さです。
僕のメインマシンはNixOSです。多くのデバイスメーカーはLinux対応を後回しにしており、公式ソフトウェアが動かないことも珍しくありません。
Logicoolについて言えば:
Logi Bolt のUSBドングルは、Linux上でも追加ドライバなしにそのまま動きます
MX MASTER 3S の高度なカスタマイズは、logiops というオープンソースツールで実現できます。nixpkgsにも収録されており、NixOSなら services.logiops.enable = true; 一行で有効化可能です
G535 の LIGHTSPEED もLinuxで問題なく動作します
Logicool がLinux対応を積極的に謳っているわけではありません。でも、結果として動く。それは偶然ではなく、USB HIDプロトコルへの準拠や、標準的な実装を大切にするエンジニアリング姿勢の積み重ねだと思っています。
Apple製品を持たず、Windowsをメインに使わない僕が「気づいたらLogicoolで囲まれていた」背景には、このLinux親和性も確かにありました。
向いている人・向いていない人
Logicoolで揃えるのが向いている人
複数のデバイスを切り替えながら使う人——Logi Bolt の Easy-Switch は本当に快適です
LinuxやNixOSを使っている人——追加ドライバ不要で動く安心感は他社には少ない
デスクに長く座る仕事や趣味がある人——疲労設計の思想が、使い込むほど効いてきます
長く使えるものを選びたい人——僕の3製品は1〜3年使い続けていますが、どれも壊れていません
別のブランドを検討したほうがいい人
ゲーミング特化でスペックを追いたい人——Razer・SteelSeries など、より高スペックな選択肢があります
見た目やデザインを最優先にしたい人——Logicoolのデザインはシンプルで機能寄りです。個性的な外観を求めるなら他社も見てみてください
Mac環境に全振りしている人——Apple純正エコシステムとの統合を重視するなら、別の選択肢が最適化されています

おわりに:「信頼できるブランド」とは何か
3製品それぞれを買った理由は、バラバラでした。接続の安定性。手首の痛み。頭にかかる重さ。まったく異なる3つの問題を持って、3回別々にデバイスを選んだ結果が、全部Logicoolだったのです。
それは、Logicoolが「すべてのガジェット好きが好きなブランド」だからではないと思っています。
スペックで圧倒するブランドでも、デザインで圧倒するブランドでもない。でも、使っている人間の身体に向き合って設計しているという一点で、他の選択肢よりも「長く使える理由」を持っている。
信頼できるブランドとは、派手に魅了してくれるブランドではなく、使うたびに「選んで良かった」と思わせてくれるブランドのことを言うのではないか。
デスクを眺めたあの夜、その答えが3つのLogicoolロゴに揃っていました。
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