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映画館がない島に届いた、“ゼロ円チラシ”の価値――情報もモノも足りないこの場所で、感性だけは育ってる


「一番のお気に入りは、映画のチラシ?」

思わず笑ってしまったけど、それはこの島だからこそ生まれた“感動”だったのかもしれない。


¥0の“宝物”


ここは、おもちゃ、子ども服、キャラクターものの文房具……そんなものがほとんど買えない島


4歳の息子が「クレヨンしんちゃんにハマっている」と聞いた私の友人が、遊びにくるついでに、たくさんのお土産を買ってきてくれた。



東京駅にはオフィシャルショップがあるらしい。
“100均”や“しまむら”にも、意外としんちゃんグッズって豊富なんだって。

そんなに、人気あるんだ……

「さすがに、買いすぎでは(汗)?」

ってくらい、パジャマやらシールやら、バスボムやら――
しんちゃん尽くしのプレゼントを頂いたんだけど、

まさかの息子のお気に入りは、こちら。


映画のチラシ(¥0)

チラシに夢中の4歳児


島に映画館は、もちろんない。

一応去年、「仮面ライダー」でスクリーンデビューは果たしたけど、しんちゃんの“チラシ”がなんなのか、彼は理解していない。

そもそも、まだ字も読めない。

ただただ、紙に描かれているキャラクターたちを眺めているだけ。

他のグッズや大好きなバスボムを見せても、反応は一瞬。
すぐにチラシに視線が戻る。

挙げ句の果てには、チラシだけを持って、2階の秘密基地(=自室)にこもっていった。

その夜、寝る時も、手にはチラシ。
しんちゃんを握りしめて、すやすや眠っていた。

届けられた“おまけ”が、いちばん響いた


あのチラシは、友人が映画館の前でたまたま見つけて、もらってきてくれたもの。

たぶん、彼女にとっては「おまけ」だったと思う。
たくさんのグッズと一緒に、折れないようにそっとバッグに差し込んでくれていた、その一枚。


でも、島の4歳児にとっては、
その紙切れが「世界一の宝物」になった。
(今のところ)

映画館がないこの島では、最新映画のチラシなんて、まず手に入らない。
大きなスクリーンで映画を“観る”という体験自体が、年に一度あるかないかの特別行事。

Huluでは過去のしんちゃん映画を毎日のように見てるけど、本人にとっては「ちょっと長いアニメ」くらいの感覚。

そんな中で、初めて見る“チラシ”に描かれたキャラクターたち。
キラキラした世界が、ただの紙切れ一枚から、ぐんぐん膨らんでいく。


島の暮らしを“完成”させてくれる風


──きっと、息子はまだ知らない。
この紙が何のためのものかも、どこでもらえるものかも。
ただ、大好きなしんちゃんが、そこにいるというだけで、心が満たされている。

一生懸命選んで、グッズを買ってきてくれた友人には申し訳ないけれど、
もしかすると彼女の“おまけ”が、いちばん響いたのかもしれない。

だけど私は知ってる。
その「おまけ」が、彼女のやさしさと一緒に届いたことを。

島の暮らしは、モノも情報も、すぐには手に入らない。

でも、ときどき、こんなふうに外の世界から風を運んでくれる人がいる。

その風が、どれだけありがたいか。
息子の手に握られたチラシを見て、私は静かに噛みしめていた。

そして同時に、こうも思った。

この島、外の人なしじゃ生きていけません


いやほんと、
この島の暮らしって、定期的に風を送ってくれる人がいないと成立しないのでは?とすら思う。

もしかして、うちの生活、
「しんちゃんチラシ」レベルのもので感動できる息子と、そこに涙ぐむ母と、優しすぎる友人たちによって、かろうじて回っているのでは?

…というわけで、島で暮らす私たちのために、
これからもどうか、「ちょっとした風」を吹かせに来てください。笑



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ポッチャリ夫と島暮らし|家庭と社会のはざまを綴る人 ギブ&テイクの「ギブ」をそっと差し出せるあなた✨その生き方、すごくかっこいいです。きっと、心の余白作りが上手なんでしょうね。その秘訣、ぜひ、教えてください!☺️