ウェルカムサポートをやってみたら、自分の知らない世界を知れた
「最低限でいい」を信じてみたら、人生で初めての景色まで連れて行かれた― シンギュラボ・ウェルカムサポートやりませんか
こんにちは、しょうへいです。シンギュラボで、【ウェルカムサポート6期生】の募集が、ちょうど終わりました。ウェルカムサポートとは新しく入ってきた方の入口を、ちょっとだけ支える役割です。
僕は4期でファシリテーター、5期でリーダーをやらせてもらいました。声をかけてくれたフミマサさんから、「経験者として、迷っている人に向けて書いてほしい」と頼まれたので、書き残しておきます。
ウェルカムサポートは2週間ごとに次の期へとバトンが渡っていく役割なので、今後ウェルカムサポートの募集を見かけた方にも、これから先のどこかで「やってみようかな」と思った方にも、届くといいなと思って書いています。
先に、一番伝えたいことを書きます。
「最低限でいい」は、本当に最低限でいいです。
やる前に思っていたよりずっと、入口は低いところにありました。そして同時に、その「最低限」の中にも、最低限じゃない経験が、ちゃんと入っていました。
「最低限」の中に、人生で初めての経験があった
募集要項にある「①最低限お願いしたいこと」は、自己紹介を書いてくれた方に、ロールがついているかどうかの確認だけ。
最初に聞いたとき、「本当にこれだけでいいの?」と思いました。実際にやってみると、確認の作業そのものは、10分もかかりません。
ただ、確認のついでに、「自己紹介ありがとうございました」と一言、声をかけに行く。これが、自分にとっては人生で初めての経験でした。
ホールのキャッチみたいに、知らない人にひたすら話しかけて、返事をもらったり、手助けしたりする経験。学生時代、アルバイトで避けて通ってきた領域でした。それを、この年齢になってウェルカムサポートで回収できた、という感覚があります。
「最低限」と書かれていることの中に、自分にとっては全然最低限じゃない経験が入っていた。これは、やってみるまでわからなかったことです。
4期 ― 「②余裕があれば」のドアを、ひとつだけ開けてみた
募集要項にある「余裕があれば」からいろんな道が開けました。
「②余裕があれば」は、理由の後付けだった
募集要項には「②余裕があればお願いしたいこと」と書かれています。最初は、文字通り「気が向いたらやるオプション」だと思っていました。でも、やってみると違いました。
②の本当に大事なところは、「ウェルカムサポートだから」を理由にして、自分の行動範囲を広げられるところでした。
「ウェルカムサポートだから、掲示板で人を誘ってみよう」
「ウェルカムサポートだから、このイベントに行ってみよう」
「ウェルカムサポートだから、知らないスレッドで発言してみよう」
役割があることで、行動の理由が後付けで生まれる。目立つのが苦手だった僕にとって、これは本当に大きな働きでした。
4期のとき、毎週月曜日のパブリックビューイング企画で、1時間の司会(ファシリテーター)をやらせてもらいました。目立つのが苦手で、ずっと避けて生きてきた人間です。引き受けた瞬間から、「どうしよう」でした。
それでも終わってみたら、「またやりたい」と思っていた。なぜそう思えるところまで辿り着けたのか、準備で何を考えて、本番で何が起きたのかは、別の記事に書きました。よければこちらもどうぞ。
▶ 目立つのが苦手な自分が、オンラインで1時間の司会に挑んだ話 ― 準備編
▶本番編
このときの「またやりたい」が、そのまま5期のリーダーに繋がっていきました。
5期 ― 人生で初めて、リーダーをやってみた
5期では、パブリックビューイングのリーダーをやらせてもらいました。正直に書くと、人生でリーダーというものをやったことがなくて、最初から最後まで、よくわからないままでした。
とりあえず、自分が好きな社長のあり方を真似して、これだけ決めて始めました。
「堂々と、楽しそうに、応援の声をかける」
自分の役割は、旗を振って、太鼓を叩いて、みんなが踊れる場を作ること。それだけ。これだけだと自分に言い聞かせて、1期間を走りました。
頑張った人、転がりながらも立ち直った人には、熱く声をかけました。「伸びしろすごいですね」「頑張りましたね」と、スポットライトを当てるように。
意外と難しかったのは、もともと能力が高くて、ちゃんとできている人にも、声をかけ続けることでした。順調な人ほど、見落とされやすい。これは、5期で得た一番大きな学びだったかもしれません。
返事が返ってくるのは、テンプレを貼ったときじゃなかった
5期リーダーをやっていて、もう一つ気づいたことがあります。人って、自分が知っているものや、共感できるものに対しては、ちゃんと反応してくれるんです。
自分の成果のことや、趣味のこと。そこに触れると、返事をくれる。逆に、最初にもらったテンプレートをただ貼るだけだと、返事は返ってきません。たぶん、見透かされているんだと思います。
一人ひとりの自己紹介を読んで、その人のことを少し調べて、その人にしかできない質問を投げる。声をかける。
そうすると、ちゃんと返ってくる。
これ、AI時代と言われる今だからこそ、人と人との対話の重みが増しているんじゃないかな、と思いました。
後からこのツイートを見て、自分の感じていたことが言葉にされていて、ハッとしました。
直近5年はAIにより下記の役割の価値が上がる。
— 佐藤航陽(さとうかつあき) (@ka2aki86) March 16, 2026
リスクテイカー(リスクを引き受け責任を取る人)
ナラティビスト(物語を作り意味を供給する人)
フィジカリスト(リアルタイム&身体性のプロ)
活動は「責任・物語・身体」に収斂する。
「あなたの自己紹介をちゃんと読みましたよ」という声かけは、たぶんナラティビストの仕事の、いちばん小さな単位なんだと思います。
その人の物語を受け取って、意味を返す。
そして、「引き受ける」こと自体が、リスクテイカーのいちばん小さな単位だったのかもしれません。
ウェルカムサポートに手を挙げる、ファシリテーターをやってみる、リーダーをやってみる。どれも大げさなリスクじゃないけれど、自分の名前を出して、責任の側にちょっとだけ立つ選択でした。
テンプレで返せることは、たぶんこれからAIが全部やってくれます。だからこそ、「あなたの自己紹介をちゃんと読みましたよ」という声かけだけが、人にしかできない仕事として残っていく。
ウェルカムサポートをやりながら、こんなことを考えていました。
自分にできることで、入ればいい
ちなみに、僕がリーダーとファシリテーターしかできなかったのは、シンプルに環境の問題でした。
パソコンを持っていなくて、スマホとタブレットしかない。だから録画や画面共有のような作業は、技術的にできなかったんです。
でも、ウェルカムサポートの活動を見ていて、思いました。声を出すのが苦手な人なら、告知や録画で活躍できる。画面共有が得意な人なら、それを担う。
役割が細かく分散しているから、自分なりにできることを持ち寄れる。
「全部できないと引き受けられない」じゃない。「自分にできることで入ればいい」。これは、5期を通じて見えた、コミュニティのいいところでした。
忙しいから引き受けにくい、と感じている方に向けて、実務的な話を一つだけ書いておきます。
ウェルカムサポートは、だいたい一人が一つの曜日を担当する形で回ります。曜日は基本的に自分から手を挙げる形なので、自分の生活リズムに合わせやすい日を選べます。
僕の5期の体感で言うと、1日(0時〜24時の24時間)の中で、こんな動き方が一番しっくり来ました。
- 午前中の早い時間(9時、10時頃)に、その日に入ってきた方を一度見て、ロールが付いているか確認しつつ、軽く一声かけてみる
- あとは、仕事が落ち着いた夕方や夜に、残りをまとめて確認・声かけ
朝に一度ちゃんと動いておくと、運営の方や前期のメンバーが見ていて、「この人、ちゃんと回せそうだな」と信頼してくれます。それさえできていれば、日中は仕事に集中して、夜にまとめて返しても、ぜんぜん大丈夫でした。
「24時間を1日の単位として、その中で2回、軽く触る」。
このくらいの体感で、ちょうどよかったです。平日仕事をしている方でも、無理なく回せる範囲だと思います。
関東から、京都で寿司を握るところまで
最後にひとつ、自分でも驚いている話を書かせてください。僕は関東に住んでいます。
4期でファシリテーターをやるとき、参考になりそうな掲示板を探して、シンギュラボの中をうろうろしていました。そこで、「寿司シンギュラリティ」という掲示板があるのを見つけました。
それが、気になって、気になって。気がついたら、京都まで足を運んで、実際に寿司を握るイベントに参加していました。ウェルカムサポートから派生して、掲示板を覗いて、京都まで行って、寿司を握るところまで来た。
もしウェルカムサポートで、いろんな人に声をかけたり、いろんな掲示板を見て回ったりしていなかったら、僕はたぶん京都には行っていません。
入口の役割だと思っていたものが、自分自身の「次の入口」を、いくつも開けてくれていた。これは、引き受ける前にはまったく想像していなかったことです。
入口の置き方を、ちょっとだけ変えてみる
これも、4期5期を通じて感じたことです。コミュニティに入るときの最初の動機は、だいたい「自分が何かを得たい」だと思います。新しい刺激がほしい、人と繋がりたい、何かを始めたい。僕もそうでした。
でも、いざ動き出すときに、入口だけ「誰かのために」と置いてみると、不思議と自分のところに返ってくるものが、ぐっと大きくなる気がします。
声をかける、リアクションする、誰かの背中を押す。
そうやって動いているうちに、気がつくとたくさんの人と話せていたり、最初の動機では想像もしていなかった場所まで、連れて行かれていたりする。
仕事じゃないから、こういう遠回りができる。
仕事じゃないからこそ、入口の置き方ひとつで、行ける場所が変わるのかもしれません。
引き受けるか迷っているあなたへ
僕がウェルカムサポートで得たもの、書き出してみるとこうなります。
- 人生で初めての、知らない人への声かけ
- 人生で初めてのファシリテーター
- 人生で初めてのリーダー
- AI時代の対話について考える時間
- 京都で寿司を握る、という想像していなかった景色
引き受けるときに感じていた怖さの、何倍も大きいものを、受け取って戻ってきた感じです。「最低限でいい」は本当です。最低限の確認作業だけでも、新しく入ってきた誰かの「最初の一歩」を、確かに支える役割になります。
そしてもし、「②余裕があれば」のドアをひとつだけ開けてみたら ―自分の中で、何かが動き始めるかもしれません。僕にとっての4期ファシリ→5期リーダーが、まさにそういう経験でした。
おわりに
ウェルカムサポート6期生の募集は、シンギュラボのDiscord内のスレッドから、コメントで応募できます。6期はすでに応募が締め切られてますが、任期は5/5(火)〜5/18(月)。既経験者さんもOKだそうです。
2週間ごとに次の期が立ち上がっていくので、今のタイミングが合わない方も、いつかピンと来た時に思い出してもらえたら嬉しいです。
ひとつ、書き添えておきたいことがあります。
ウェルカムサポートは2週間ごとに、新しい人が入れ替わりながら回っていく役割です。だから、流れもルールも、その期その期で少しずつ変わっていくと思います。
この記事に書いたことは、あくまで4期と5期あたりの空気感をもとに、僕が感じたことを書いただけのものです。これからやる方は、これに縛られる必要はまったくありません。そのときに一緒にいる人たちのリズムに、自然に乗っていけばいいと思います。
「やってみれば意外とできる」を、もう一度味わいたい方も、これから初めて何かを引き受けてみたい方も、よかったら覗いてみてください。
僕にとっては、4期5期と続けてきたウェルカムサポートの、ちょうどいい区切りが、この記事になりました。
これまで受け取ってきたバトンを、6期、そしてその先の方たちに渡せたらと思っています。
迷っている方の背中を、ほんの少しだけ押せていたら嬉しいです。
ーーー
シンギュラボとは
テクノロジー・ビジネス・教育・クリエイティブなど、さまざまな分野のメンバーが集まり、未来を実験するコミュニティです。
単なる交流の場ではなく、
実験する場
研究する場
コラボレーションが生まれる場
アイデアがプロジェクトになる場として機能しています。
イベントはゴールではなく「始まり」。
対話からアイデアが生まれ、行動へとつながり、次の挑戦へと広がっていきます。
現在、新しいメンバーも募集中です。
興味のある方はぜひ公式サイトをご覧ください。
迷っている方の背中を、ほんの少しだけ押せていたら嬉しいです。
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