魔族の歴史(誕生から「共存のための戦争」まで)
賢者エーヴィヒの「永遠の命」の研究により、魔導具「水鏡の悪魔」が作られ、複製体が生まれました。

複製体には心がなかったため、エーヴィヒは心の働きを精密に模倣させました。

けれども、心の働きを模倣するだけの複製体は、言葉を「人を理解するため」ではなく「人を利用し、欺くため」に使い始めました。

そこで、エーヴィヒは複製体から言葉を奪い、一目で複製体だとわかるように姿も変えました。
そして、エーヴィヒは「支配の石環」をつくり、複製体を支配し、人類に使役させることにしました。

ここまでの経緯は別の資料にも記されています。
これより先の歴史は史料が発見されていないため、憶測の域を出ません。
複製体が作られた後も、「永遠の命」の研究は続いていました。
ある時、複製体を元にした「魔族」と呼ばれる存在が生まれました。
エーヴィヒの意図なのか、他の誰かの意図なのか、あるいは事故だったのかもしれません。
当初は、魔族も複製体と同様に「支配の石環」によって人類に支配され、人類に使役されていました。
しかし、それもそう長くは続きませんでした。
もともと複製体のためにつくられた「支配の石環」は、魔族に対してはそれほど有効ではなかったのです。

魔族は人類の支配から徐々に離れて、独自に発展してゆきます。
そうした中で一人の魔族の王「魔王」が現れました。
魔王は「魔族と人類の共存」を望みました。
しかし、人類にとって魔族は「言葉の通じない猛獣」でした。
そのため、魔王の願いが叶うことはありませんでした。
そして、魔族を人類への隷属から解放し、魔族が人類と対等な関係を結ぶための「共存のための戦争」が始まりました。
この大戦争は、勇者によって魔王が封印されたことにより、人類の勝利で終わりました。
そして、魔族は絶滅の淵にまで追いやられることになったのです。

村に伝わる歴史書にはこのように記されております。著者ですか?数多いる無名の歴史家の一人でございます。どこまでが事実なのやら…、すべて作り話なのかもしれません。報酬と言っても、こんなものしかありませんが、それでもよろしいので…
※賢者エーヴィヒと「水鏡の悪魔」に関する考察
