《葬送のフリーレン》アニメ2期予習 第69話「皇帝酒」
第8巻69話「皇帝酒」は私が最も好きなエピソードの一つで、たくさんの記事を既に書いていますので、それについては最後にご紹介することにして、この記事ではざっと触れるにとどめます。
「皇帝酒」は《葬送のフリーレン》本編と同様に、あることに気付くと物語が全く別の姿を現すというタイプの物語です。そういうからくりを持ったストーリーの楽しさもありますし、後の(帝国編の)ストーリーと関わる伏線になっているという意味でも面白いエピソードです。また、そうやって読み込んでいくと、「飲んだくれの迷惑エルフ」だったミリアルデがかなり魅力的なキャラクターであることがわかります。

普通に読むと「皇帝酒」はこういうストーリーになると思います。
「人生をかけて探したものが、なんの価値もないゴミだった」という経験をしているミリアルデが、他人を自分と同じ目に合わせようとして暇つぶしのイタズラをする。それに引っかかったファスだが、最後には災い転じて福をなす、皆で皇帝酒を楽しく飲んだ。

これはこのままで完成したストーリーになっていて、十分に面白いと思います。私も長いことこのように読んでいましたし、信仰によって生きる意味を回復したクラフトと、生きる意味を見出せずに虚無に飲まれているミリアルデを対比することでエルフの生というものを考えさせられる、好きなストーリーの一つです。
ただ、ここで考えて欲しいのは
なぜミリアルデは酒を保存するための結界で皇帝酒を封印したのか?
なぜミリアルデは大量の皇帝酒を封印したのか?
ということです。



誰かを自分と同じ目に合わせようという目的のイタズラであれば、大量である必要はありませんし、保存状態などどうでも良かったはずです。
つまり、ミリアルデの目的は他人に「人生をかけて探したものが、なんの価値もないゴミだった」という経験をさせることではないのです。
では、ミリアルデの目的はなにか?
大量の皇帝酒を良好な状態で保存していたのですから、素直に考えて目的は「皇帝酒を皆に飲んでもらうこと」ですね。酒好きのハイターやファスと同じことを考えているのです。


なぜミリアルデはそんなことをしたのか?
いろいろな想像が可能だと思います。
ミリアルデは「私、この里に来る前に…」と言っています。

私は、彼女が故郷を離れてエルフの里に来ていることが重要な手掛かりだと考えました。なぜなら、「故郷」は黄金郷編前の北部高原の各エピソードに共通する重要なテーマだからです。
ミリアルデは(現在の)フリーレンが解除に3か月も要するほど強力な結界魔法を使う、途轍もない実力を持った魔法使いです。

しかし、エルフの里ではその実力を隠して暮らしています。当時のフリーレンはミリアルデの実力に全く気付いていません。ミリアルデは魔力制限をしています。(『前奏2』も参照して下さい)
また、ミリアルデは「人生をかけて探したものが、なんの価値もないゴミだったときのことを想像できる?」とも言っています。

ミリアルデがフリーレンに「想像できる?(きっとできないだろう)」と問うたのは「ゴミだったこと」ではありません。「ゴミだったときのこと」です。
「ゴミだった」とわかった時に、ミリアルデに何かが起こったわけです。そのときのことがずっと彼女の心に残っていて、彼女に影を落としています。
時間を現在に戻せば、ミリアルデは聖杖法院トップの筆頭候補であり(第14巻128話)、

「現存する三人の大魔法使い」(ゼーリエ、ミーヌス、不明)の筆頭候補でもあります。(第14巻133話)

こういった断片を繋ぎ合わせて(「考察」して)、一つのストーリーとして仕立て上げたのが下記の記事です。
《葬送のフリーレン》に関する記事は下記のマガジンにまとめています。
190本以上の記事がありますが、最初の考察記事としてお勧めなのはこちらです。
これを読んだ上で、フランメ、ヒンメル、エーヴィヒ、ゼーリエ、大魔法使い、などで検索すると物語の全体像に関わる考察が出てきます。
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