人事制度|月次ケースレビュー:制度は接続で決まる
7月に見てきた制度は、ジョブ型、役割等級、専門職、雇用区分統合、定年・シニア処遇、賃上げ、目標管理と、一見すると別々のテーマだった。
しかし、事例を重ねるほど、一つの問いに集まってきた。
制度は、単体では機能しない。
役割を変えれば、評価の物差しも変わる。評価を変えれば、賃金との関係を説明する必要がある。
専門職を作れば、配置や昇格、育成との関係を決めなければならない。雇用区分を統合すれば、仕事や異動範囲に残る違いを整理しなければならない。
つまり、制度を考える時に重要なのは、「どの制度を選ぶか」だけではない。
役割・評価・賃金・配置・育成・移行を、働く人がたどれる形で接続できるか。
7月に扱った事例から最も強く残ったのは、この点だった。
今月の最重要結論
等級だけを役割基準へ変えても、評価理由を仕事の事実から説明できなければ、社員には「名前を変えた評価制度」に見えるかもしれない。
賃金水準を引き上げても、昇格や専門職への任用基準が曖昧なら、次に問われるのは「なぜ自分はこの金額なのか」という配分の理由である。
雇用区分を統合しても、仕事、配置、育成機会に違いが残っているなら、名称をなくしただけで壁が消えるとは限らない。
一方で、すべてを一つの基準へ統一すればよいわけでもない。
スタンレー電気では、2026年4月から一般社員について、新卒入社後の一定期間を「自己形成フェーズ」、中堅以降を「役割遂行フェーズ」と位置づけた。自己形成フェーズでは職能等級を維持しながら年齢給の割合を半減し、役割遂行フェーズでは役割と責任の大きさによって等級・賃金を決める役割等級制度へ移行している。
さらに中堅以降には、管理職を目指すLPと専門職を目指すEPという二つのキャリアコースを設けた。
ここから見えてくるのは、制度を一律化することと、制度を整合させることは違うということだ。
大切なのは、全社員へ同じ物差しを当てることではない。どの社員に、今、何を期待し、何に報い、次にどこへ進めるのかを矛盾なく説明できること。
そこに制度設計の中心がある。
今月扱った企業事例
日本ガイシ|事業転換と職務をつなぐ
日本ガイシは2025年4月、基幹職の人事制度を改定した。
背景には、カーボンニュートラル関連とデジタル社会関連分野への事業構成転換がある。
新制度では、すべての基幹職の職務についてジョブディスクリプションを設定し、担う職務によって等級を決める。
また、従来一種類だった等級を、マネジメント、シニアプロフェッショナル、エキスパートへ複線化した。
年齢による処遇低下や役職定年を廃止し、社内公募を全基幹職へ広げるとともに、社内スカウト制度も導入している。
ここでつながっているのは、
事業転換 → 必要な職務 → 専門性・マネジメント → 処遇 → 社内移動
という流れである。
単に専門職制度を作った事例として見るより、「これから必要になる仕事へ人をどう動かすか」という一連の人材マネジメントとして見る方が理解しやすい。
第一三共|グローバル協業を共通基盤へつなぐ
第一三共は、国や地域を越えた協業とグループ全体のパフォーマンス向上を目的として、グローバル共通人事制度と「DS版ジョブ型人材マネジメント」を進めている。
基幹となるのは、評価、等級、報酬の三制度である。
等級・報酬は職務・職責の大きさを基準とし、評価は成果創出と育成を重視する。
さらに、職種別採用、キャリア採用の強化、社員主体の専門性形成、社員意思による職種変更の拡大、職務要件の可視化なども組み合わせている。
ここでも、等級だけがジョブ型になったわけではない。
採用 → 職務 → 等級 → 評価 → 報酬 → 育成 → キャリア
を共通の人材マネジメントへ近づけようとしている。
グローバル人事制度の本質は、制度名称の統一よりも、国や組織を越えて人材について同じ言葉で判断できる基盤を作ることにあるのだと思う。
カルビー|雇用区分の統合を、役割と評価へつなぐ
カルビーは2026年4月、約17年ぶりとなる人事制度の抜本改定を実施した。
大きな変更の一つが、正社員と約1,300人の無期転換社員について、これまで分かれていた等級制度を統合したことである。
新制度では、期待役割を基準とした共通の等級体系へ移行する。
また評価についても、達成度評価、行動評価、貢献度評価を置き、結果だけでなくチームワークやプロセスも評価する方向を強めた。
制度検討に際しては、本社、工場、支店など全国20拠点で100回以上のヒアリングも実施している。
重要なのは、雇用区分の名称をなくすことだけを制度改革にしていないことである。
製造現場を含む多様な社員を共通の等級体系へ置き、そこで何を期待し、何を貢献として見るのかまで同時に組み替えている。
区分統合は、「同じ社員と呼ぶこと」ではなく、仕事・成長・評価・処遇のつながりまで確認して初めて意味を持つ。
スタンレー電気|キャリア段階によって物差しを使い分ける
スタンレー電気の事例は、今月の中でも特に興味深かった。
年功的な制度を、すべて一度に役割等級へ置き換えてはいない。
新卒入社後の一定期間を「自己形成フェーズ」とし、職能等級を維持する。一方、中堅以降の「役割遂行フェーズ」では、役割と責任の大きさによって等級・賃金を決める。
つまり、成長途上にある時期と、役割を担って成果を求める時期で、処遇の物差しを変えている。
さらに、役割遂行フェーズでは、LP=管理職を目指すコース、EP=特定分野の専門職を目指すコースという二つのキャリアコースを設けている。
これは「古い制度を一部残した」と見ることもできる。
しかし別の見方をすれば、社員の成長段階によって、人事制度が見るものを変えたとも言える。
この違いは大きい。
企業事例以外でも、同じ問題が見えた
7月に考えてきたのは企業事例だけではない。
制度運用についても、似た構造が繰り返し現れた。
賃金を上げれば、すべての納得が上がるとは限らない。
給与水準への満足と、評価への納得、昇格への納得、キャリアの見通しは分けて見た方がよい。
目標管理も同じである。
期初に目標を書かせても、事業の優先順位が変わった時に目標を更新できなければ、期末には実際の仕事と評価シートが離れてしまう。
評価項目も、増やすほど精密になるとは限らない。
「挑戦」「協働」「専門性」「主体性」と項目を増やしても、どの仕事の、どの行動を、どの事実から判断するのかが分からなければ、評価者の判断はむしろ難しくなる。
そして経過措置も、長く残せばよいわけではない。
必要な移行措置であっても、目的、対象、期間、終了条件がなければ、旧制度と新制度が並び続ける。
異なる制度テーマを見ていたはずなのに、どこでも同じ問いが出てくる。
その制度は、前後の仕組みとつながっているか。
繰り返し見えた四つの成立条件
1.事業課題と役割がつながっている
最初に必要なのは、等級表ではない。
これから、
どの仕事が必要になるのか。
どの仕事が減るのか。
どの専門性を増やすのか。
どの役割へ人を動かしたいのか。
という事業側の問いである。
日本ガイシでは事業構成転換が制度改定の背景として明示されている。
第一三共でも、グローバル連携と必要人材の強化が人事基盤の整備につながっている。
未来に必要な仕事が見えない状態で役割を定義すれば、制度は現在の組織図を整理するだけになりやすい。
2.次の役割へ移る経路がある
役割を定義するだけでは、人は動かない。
社内公募、社内スカウト、職種変更、キャリアコース、雇用区分の転換といった移動経路が必要になる。
社員から見れば、「私はいま何なのか」だけでなく、
「次にどこへ行けるのか」が見える必要がある。
等級制度を現在地の説明で終わらせない。
そのためには配置とキャリアを接続する必要がある。
3.評価者が、仕事の事実を言葉にできる
評価項目を精緻にしても、管理職が部下の仕事を見ていなければ評価は難しい。
重要なのは、
何を担ったのか。
どの程度難しかったのか。
何を期待していたのか。
どこまで実現したのか。
次に何を期待するのか。
これらを、仕事の事実から本人へ返せることである。
評価は、等級と賃金の間に置かれた計算装置ではない。
役割と処遇の関係を本人に説明する接点でもある。
4.移行を施行日で終わらせない
制度改定は、施行日がゴールになりやすい。
しかし本当に制度が試されるのは、その後である。
初回目標設定、初回評価、初回昇給、初回昇格、初回の役割変更、初回の異動。
そこで想定外のケースが出る。
だから制度移行では、
どの例外を認めるのか。
誰が承認するのか。
いつまで認めるのか。
どう通常運用へ戻すのか。
まで考えたい。
制度は、施行された時ではなく、例外が出た時に強さが分かる。
つまずくのは、制度の言葉と仕事が離れた時
今月繰り返し見えた失敗の入口もある。
制度の言葉が、仕事の実態から離れることである。
例えば、「挑戦」「協働」「専門性」「主体性」という言葉自体は悪くない。
しかし、「どんな仕事の、どんな行動を見れば挑戦と言えるのか」を評価者が説明できなければ、評価項目を増やしただけになる。
目標管理も同じだ。
事業の優先順位が変わったのに、目標だけ期初のまま残れば、期末評価では古い目標と新しい仕事を無理につなぐことになる。
制度の問題に見えて、実際には仕事の配分、観察機会、目標変更、配置、管理職の説明に問題があることもある。
だから、制度だけに組織の問題を背負わせない。
これも今月残った判断軸の一つである。
等級について分かったこと
等級制度では、「何型にするか」を最初の問いにしない方がよい。
職能等級、役割等級、職務等級のどれにも、使いやすい会社条件と使いにくい会社条件がある。
スタンレー電気のように、形成期では能力の伸長を見る。
中堅以降は役割の大きさを見る。
という使い分けもできる。
したがって、混合制度を単なる妥協とは考えない。
誰の、どの時期に、何を基準として処遇するかを分けた結果として混合型になることもある。
重要なのは、混ざっていることではない。
なぜ違う物差しを使っているのかを説明できることである。
評価について分かったこと
評価制度では、評価項目の数よりも「何のための判断なのか」を整理する必要がある。
処遇を決めること。
成長について対話すること。
会社が期待する行動を示すこと。
人材配置を判断すること。
これらは似ているようで、目的が違う。
すべてを一枚の評価表へ同じ強さで載せると、何を評価しているのか分からなくなりやすい。
だから評価制度を見る時は、評価表だけではなく、仕事の配分、目標設定、期中変更、観察、評価、面談、異議・調整までを一つの流れとして見る。
賃金について分かったこと
賃金では、「水準」と「配分」を分けたい。
基本給を上げること。
賞与を増やすこと。
初任給を上げること。
はいずれも重要な施策である。
しかし、「給与が高い」ことと、「なぜ自分がこの給与なのか分かる」ことは別である。
だから、基本給、賞与、手当、昇格昇給、役割変更時の処遇を通して、会社が何に報いているのかを確認する必要がある。
給与満足と、評価・昇格への納得についても、同じ指標として扱わない方がよい。
専門職制度について分かったこと
専門職制度は、「管理職になりたくない人のための制度」だけではない。
事業に必要な専門性をどこへ置くのか。
その専門性を誰が認定するのか。
何を成果とするのか。
どの程度の報酬を与えるのか。
マネジメント職と行き来できるのか。
まで含めた設計である。
日本ガイシでは事業構成転換と専門人材の活用がつながっている。
スタンレー電気でも、中堅以降に管理職を目指すLPと専門職を目指すEPを置いている。
専門職制度を考えるなら、コースを作ることより、そのコースでどの仕事を担わせるのかから考えたい。
雇用区分について分かったこと
区分をなくせば公平になるとも限らない。
カルビーは、正社員と無期転換社員の等級体系を統合した。
ただ、ここで重要なのは名称を一つにしたことだけではない。
期待役割による等級と、行動・プロセス・貢献を見る評価へ同時に接続している。
一方で、勤務地、転勤範囲、勤務時間、担う仕事に実質的な違いがある会社なら、その違いを制度に残す合理性もあり得る。
だから、区分があるかではなく、その区分が何の違いを表しているのかを見る。
名前だけ残っている区分と、仕事の違いを表す区分は分けて考えたい。
シニア処遇について分かったこと
年齢だけで処遇を決める制度は、見直される方向にある。
日本ガイシでは基幹職について年齢による処遇低下と役職定年を廃止した。
スタンレー電気でも、60歳以上の社員へ適用していた一定率の基本給減額措置について、新規適用を廃止している。
ただし、「年齢基準をなくす」ことと、「全社員へ同じ働き方を求める」ことは別である。
特に65歳以降まで考えるなら、健康、安全、勤務時間、本人希望、業務内容なども関係する。
年齢ではなく仕事を見ることと、働き方の違いをなくすことを混同しないようにしたい。
今月、維持した判断
維持するのは、制度名より会社条件から考えるという判断である。
役割等級だからよい。
ジョブ型だからよい。
専門職制度だからよい。
雇用区分をなくせばよい。
とは考えない。
どのような事業で、どのような人材が必要で、人をどの程度動かし、管理職がどこまで運用できるのか。
そこから制度を見る。
今月、修正した判断
修正したのは、制度の評価を「設計の良さ」だけで考えないことである。
本稿では、新たに「接続耐性」という見方を置きたい。
ここでいう接続耐性とは、役割・評価・賃金・配置・育成・移行をつないでも、誰が何を根拠に判断するのかを説明できる制度の強さを指す。
等級表だけならきれいに見える。
評価シートだけなら整って見える。
給与レンジだけなら合理的に見える。
しかし、それらをつないだ時に、
なぜこの等級なのか。
なぜこの評価なのか。
なぜこの給与なのか。
次に何をすればよいのか。
を説明できなければ、導入後に弱くなる。
制度は、部品単体より接続部で壊れやすい。
今月、保留した判断
保留したいのは、「賃上げをすると評価への納得が下がる」という一律の見方である。
給与満足、評価納得、昇格納得、キャリアへの納得は異なる概念である。
調査によって設問、対象者、時点も違う。
したがって、「賃上げしたのに評価納得が下がった」という二つの数字だけから因果関係を判断しない。
同じ対象、同じ調査設計で継続して追う必要がある。
今月、撤回した判断
撤回したいのは、「古い制度要素が残っているほど、改革が不十分である」という見方である。
スタンレー電気の自己形成フェーズのように、成長途中の社員について職能的な考え方を残す設計もある。
移行期に従来処遇を一定期間保護することにも意味がある。
だから古いか新しいかでは判断しない。
見るのは、
なぜ残すのか。
誰に残すのか。
何を期待して残すのか。
いつ見直すのか。
である。
理由のない慣習と、意図して残した設計は違う。
自社で問うべきこと
3年後に増える仕事、減る仕事、なくなる仕事を役割として説明できるか。
等級、評価、基本給、賞与、手当、昇格、配置のそれぞれで、何を判断しているか説明できるか。
「この等級だから、この役割を期待し、この評価結果だから、この処遇になる」という流れを社員がたどれるか。
管理職は、評価期間中に見た仕事の事実を本人へ説明できるか。
専門職、コース、雇用区分、年齢による違いには、それぞれ仕事上の理由があるか。
次の役割へ移るための経路があるか。
初回評価、初回昇給、初回昇格、初回異動で起こる例外を想定しているか。
経過措置には終了条件があるか。
制度を変えなくても、目標更新、評価面談、配置、管理職支援を直すことで解ける問題はないか。
まだ分からないこと
今回扱った企業制度には、導入から時間がたっていないものも多い。
公開情報から確認できるのは、主として、制度をなぜ導入したか。どのような制度にしたか。何を目指しているか。
という設計と会社側の狙いである。
一方で、等級別人数、個人別の賃金影響、評価分布、評価への異議、専門職の任用・再認定・解除、社内公募・スカウトによる実際の異動件数、離職率、採用競争力、生産性、エンゲージメントへの長期的な影響については、十分に確認できないものが多い。
制度の狙いと制度の成果は分けて見る。
これは企業事例を読む時に、今後も維持したい姿勢である。
翌月に追跡したいこと
第一に、制度は初回運用で何を生むのか。
初回評価、初回昇給、初回昇格、初回の役割変更。そこで誰にどのような差が生じたのかを見たい。
第二に、役割は誰が更新するのか。
ジョブディスクリプションや役割定義を作った後、組織変更や事業変化が起きた時に、誰が、いつ、何を根拠に更新するのか。
さらに、それを等級・賃金・配置へどう反映するのかを追いたい。
第三に、経過措置はどう終わるのか。
経過措置や混合制度が、何を守るために存在し、どの状態になれば役割を終えるのかを確認する。
制度を導入したかではなく、制度がその後どう動いているかへ、少しずつ視点を移していきたい。
7月の結論
7月は、さまざまな人事制度を見た。
しかし最後に残ったのは、
職能か役割か。
ジョブ型かメンバーシップ型か。
専門職を作るか。
雇用区分をなくすか。
という制度名称の選択ではなかった。
もっと基本的な問いだった。
社員は、自分の仕事から処遇までの道筋をたどれるか。
何を期待されているのか。
なぜこの評価なのか。
なぜこの給与なのか。
次にどこへ進めるのか。
制度変更の途中で、自分に何が起きるのか。
これらが一つの線としてつながっている。
その線が切れた場所で、制度への疑問が生まれる。
だから、来月以降も制度を単体では見ない。
等級を見たら評価を見る。
評価を見たら賃金を見る。
賃金を見たら配置を見る。
配置を見たら育成を見る。
そして、制度を変えるなら移行を見る。
制度は、部品の新しさではなく、接続の強さで見る。
7月のケースレビューから、いちばん残しておきたい判断軸である。
確認した資料と留意点
確認日:2026年8月8日。
日本ガイシについては、2024年11月19日公表の基幹職人事制度改定および同社の人的資本関連開示を確認した。2025年4月から全基幹職の職務をジョブディスクリプションで明確化し、マネジメント、シニアプロフェッショナル、エキスパートへ等級を複線化したこと、年齢による処遇低下と役職定年を廃止したこと、社内公募拡大・社内スカウト制度を導入したことを確認した。
第一三共については、グローバル共通人事制度およびDS版ジョブ型人材マネジメントに関する同社開示を確認した。評価・等級・報酬を基幹3制度とし、職務・職責に応じた等級・報酬、成果創出・育成を重視した評価、職種別採用・キャリア採用の強化、社員主体のキャリア形成などを進めていることを確認した。
カルビーについては、2026年4月1日公表の人事制度改定を確認した。正社員と約1,300人の無期転換社員を同一の等級体系へ統合し、期待役割を基準とすること、達成度・行動・貢献度の3つの評価を設けること、本社・工場・支店など全国20拠点で100回以上のヒアリングを行ったことを確認した。
スタンレー電気については、2026年3月19日公表の新給与・評価制度を確認した。新卒入社後の一定期間を自己形成フェーズとして職能等級を維持しつつ年齢給の割合を半減させ、中堅以降を役割遂行フェーズとして役割等級制度を適用すること、LP・EPの二つのキャリアコースを設けること、60歳以上社員への一定率の基本給減額措置の新規適用を廃止することを確認した。
なお、本稿で用いる「接続耐性」は、上記企業が使用している制度用語ではなく、本稿で人事制度を比較するために置いた分析上の概念である。
また、各社が公表する制度の目的・期待効果と、実際に導入後に得られた成果は区別している。公開情報だけでは、個人別処遇への影響、社員の納得度、評価分布、異動実績、長期的な離職・採用・生産性への因果的影響までは確認できない。
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