おすすめ日常エッセイ|何も考えずひたすら笑って楽しむ最高のメンタルチートタイム【読書記録】
本がなくてはつまらない。というよりやってられない。世の中ストレスも多いし、なんとなく体調が悪いけど病気というほどでもない時、どう頑張っても後ろ向きモードから脱出できない時、好きな動画や音楽をもってしても気分が上がらない時、そんな時に私を一番助けてくれるのがエッセイである。
気持ちが下り坂にある時だけでなく、もう純粋に楽しい読書がしたい時、あるいは誰かの目線で世界を見たいとき、活字を欲しているとき、どんなときでもやっぱりエッセイは最高である。
2026年6月に読んだエッセイ7冊を記録としてまとめつつ、なぜそれらを読んだのか、それらに関してどう思ったのかを振り返ることで、純粋に楽しかったエッセイ読書という体験を、もっともっと自分の養分にしたい。
「どのみちペッコリ」 飯尾 和樹(ずん)
飯尾 和樹(ずん)だって!そういうところが素敵!
おもしろい本ないかな〜できれば新しい作家さんのエッセイとか、色にまつわる本とか、歴史書とかおもしろいのないかな〜と歩いていたら、「飯尾 和樹(ずん)」と書かれた背表紙を発見!なんと ずん 飯尾さんのエッセイ。
飯尾 和樹(ずん)だって!コンビ名を明記していて、そしてその表記方法も(ずん)。すごくチャーミングだし「ぺっこり」感にあふれている。飯尾さんの魅力ってそういうところにあるよなあ。背表紙だけでこんなにわくわくするのは、飯尾さんのキャラクターのなせる技。
最高な表紙!こんな素敵なの見たら期待感マックスになっちゃうよね!
思わず手に取ると、表紙がスーパーチャーミング。ぜひ上のリンクから表紙の全体像をチェックしてみてほしい。脱力しているのに、魅力がびしびしばしばし伝わってくる。
肩の力を抜いて、ゆっくりした気持ちで楽しみたい時、何かおもしろいものにふふふと笑わせてほしい時、そんな時にぴったり。そして飯尾さんの独自の価値観や、世界へ向けられた穏やかな視線に学べることがたくさん。
「上機嫌でいこう どくだみちゃんとふしばな14」 吉本ばなな
どうしても嫌なミーティングがあった。
クライアント都合でプロジェクト始動が伸びに伸びたのに、納期は変えませんという強気姿勢。そして悪いのは明らかに先方なのに、殿様態度を変えない。こちらがスピーディに対応することは当たり前で無理難題を押し付けてくる。まあなんとかやり過ごすし期待以上の成果は出しているので(出してやっているので!ふん!)何を言われても悪は相手方。こちらは堂々としていればいいのだけど、でも気が進まない。
1ヶ月前からずっと嫌だったけど、ボイコットするわけにもいかない。そのミーティングは月曜日。その手前の週末は、鬱々とした気持ちをなんとか隠して過ごすことが予想された。でもせっかくのお休みに、そんなの嫌だなあ。そんな時私が向かうのは書店である。気分を上げよう。おもしろい本が必要だ!本の世界にどっぷりひたろう。そんな時に見つけたのがこの本だった。
上機嫌でいこうって素敵すぎる。ほんとにそうだよね
吉本ばななさん。大作家である。何度もエッセイや小説を読んできた、大好きな作家さん。そして何よりこの素敵すぎるタイトル「上機嫌でいこう」
本当にその通りである。上機嫌でいたいし、上機嫌が一番いいのだ。実はこの「どくだみちゃんとふしばな」シリーズ、全部本棚にあるのです。14冊目を発見し、迷わず購入。
私は紙が好きなのと、我慢して我慢して読むのが大好きなので本で追っているけれど、このシリーズは吉本ばななさんのnote上でも購読できる。
「残りもののおひたし、昨日のお味噌汁、なぜかパン」
これは帯に記載されていた本文の抜粋の一部なのだけど、この一文がいたく心に響いた。生活ってこういうことだ。家に帰るまでの間、この帯を眺めて、どんなお話が詰まっているのかゆっくりゆっくり考えた。
この帯文とは関係ないのだけど、ChatGPTやAIと文章についての言葉や、アブダビで感じたことなど、じんわりじんわり染みてくる月明かりのような太陽のような言葉たち。ありがてえという言葉が1番私の感想に近いかも。
二段詰の本って大好き。ぎっしり詰まってる感じがたまらん
そしてもうひとつ、どうしてもこの本について書きたいことがある。この本は二段詰めなのである。びっしりきっちり文字と物語が詰まってる感じ、最高。たまらん。
ちなみに、2026年7月9日発売。ほやほやです。なんか嬉しい。
「しをんのしおり」 三浦しをん
これまた大好きな作家さん、三浦しをんさん。
このnoteにて三浦しをんさんの「好きになってしまいました」について書いているくらい、頻繁に読む作家さんの1人。
ちょっと昭和の香りを感じさせる、ご家族と仲の良さそうな三浦しをんさん。時々登場するご友人との会話も、1人で展開されている妄想の大爆発っぷりも最高で、緊張がほどけていくような、心がソファに沈んでいくような、スーパーリラックスかつにやにやタイムもたらしてくれる。
高倉健についての熱弁が素晴らしくて最高におもしろい
ネタバレは避けるけど、もう本当に素晴らしいのです。妄想パワーというのか、好きなもの・人への熱量というのか、すばらしいですね。もう発電できそう(できてそう)そして同時に最高におもしろい。私はこのエピソードを何度読み、何度心からにやにやして楽しんだことでしょう。三浦しをんさん本当にありがとう。間違いなく月間MVPです。
人生激場 「三浦しをん」
これは電子書籍で購入。モンゴル旅行用に買っておいたが、旅行中には読みきれずにようやっと6月に読んだ。
前口上から始まるエッセイ!好きにならずにいられないよ!
このエッセイは、前口上から始まる。1ページ強の前口上の後、序幕(つまり一章)が始まるのだ。
前口上って!チャーミングすぎるよ!そんなイケてる本、好きにならずにいられないよ!前口上ですっかり心を鷲掴みにされてしまった私は、もうお昼も後回しにして一気に読んだ。
そして最後の章は「終幕」と銘打たれていて、あとがきの後に「カーテンコール」と「楽屋裏」が控えていた。もう最高である。カーテンコールの文字を見つけた時、しびれたなあ。
各エピソードのおもしろさもピカイチ。そして作者三浦しをんさんの偏愛アイテムへの熱量がすごいのだ。
熱愛といえば、この1冊を通して、三浦しをんさんの胸毛愛がどんどんと伝わってきた。あまり魅力を感じない私だけど、あと何冊か彼女のエッセイを読んだあかつきには、胸毛ラバーになっているかも。
「ビロウな話で恐縮です日記」 三浦しをん
三浦しをんはド腐れている。(byジェーン・スー) こんな帯ありー!!??
(byジェーン・スー)までが、帯に記載されている内容。こんなに強い帯は、未だかつて見たことがない。少女マンガを彷彿とさせる表紙イラストも相まって、なんだなんだこれやばそうおもしろそう!と一気にボルテージマックス。
ド腐れているってことはいわゆる腐女子的な内容がモリモリなのかしらん、付いていけるかしらと思いつつ読み進めたけれど、そんな心配は不要だった。共感の嵐。声を出して笑ってしまうくらいおもしろい。
日記というもの、自意識の鎧を取り去ったもの‥ではない!
本作で一番大きな学びとなった一文(タイトル)を抜粋する。
日記。それは自意識との戦い。
甘っちょろい私は、日記は自意識の扉の向こうにあると思っていた。
でも、冷静に考えれば違う。日記の中でもちょっとかっこつけたり嫌すぎることは書きたくないし、日記の中でも自意識はしっかり存在感を放っているのだ。
日記というのは、日記に記載されていない自意識も含めて日記なのである。
それでも人は得てして、日常について書き留めたい、忘れないようにあるいは整理するために文字であるいは絵などで記録したいと思う。これは私がnoteを書いている理由でもあり、日記の根源的な存在価値なのだろう。
ちなみに、巻末の解説もジェーン・スーさん。「ド腐れている」なんて言うくらい仲良しのジェーン・スーさんの解説がこれまたおもしろいし、三浦しをんさんをちょっと知れたような気分になれて、嬉しい。
「そして誰もゆとらなくなった」 朝井リョウ
友人とお昼を食べに行こうと約束していた。早めに着いたので音楽を聴こうとスマホを出すと「40分くらい遅れそう!」とのメッセージ。40分ってすごいなと思いつつも、40分もあるんだったら書店に行こうと迷うことなく書店へ向かった。
この表紙イラストはなんなんだ
作者と思しき男性が荒野?でホールケーキ(イチゴのショートケーキかな?)を膝に置いて食べている、あるいは食べる様をこちらに見せつけている。
タイトルとの直接的な関連性もなく、そして作者と思しきその男性はカジュアルながらもぱりっとしたブルーグレーのセットアップを身につけていて、足元は真っ白な真新しいスニーカー。なんなんだ。何を表現しているんだ。
とはいえ書店のポップには、頭を空っぽにして楽しめる著者渾身のエッセイというような内容が書かれており、エッセイ大好きな私はほいほいと購入。
お腹が強い私はマジでついてる 感謝して生きよう
このエッセイを通して、朝井リョウさんの体質面での、社会的生活を送る上で極めて不都合な特徴を知ってしまった。もっといえば、数々の受賞歴を誇る押しも押されぬ若手作家の著者が、トイレの問題で時として致命的な大ピンチに陥る様を圧倒的な筆力で楽しんだ。幸い私は消化系が強い。トイレの問題で困ったことはないので、エンタメとして心から楽しく読めた。
みんな必死に生きていて、その姿って側から見るととても滑稽でチャーミングなんだよなあ。
毎日の生活の中で、どうしても自分が抱える問題や不安に頭が支配されてしまうけど、客観的に見ると人間の一生なんて大したことはなく、そして滑稽なことの連続なのだ。おもしろいこととか楽しいことにどっぷり浸かって生きていこう。エッセイは日常を忘れて、おもしろいこととか素敵なことに没入できる。やっぱり最高。
友人は結局1時間遅れてきたので結構読み進めることができた。私はほくほくした気持ちで、その友人とお昼を共にしたのだった。
米原万里「旅行者の朝食」
女史という言葉がよく似合う、私にとってかっこよくておしゃれな女性の代表格 米原万里さん。聖路加病院で生まれ、在プラハソビエト学校を卒業した、生粋のシティガールで生まれながらのコスモポリタン。ロシア語通訳として活躍したこともそうだけど、もう全部がかっこよくておしゃれで、憧れずにはいられない。
そんな米原万里さんのエッセイ。見つけたら迷わず買って、するすると読む。本作を書店で見つけて、一気に読んだ。
ソビエトの思い出、ロシアでの体験、ロシア語通訳者としてのエピソードはもちろん、ジャガイモ、ウォッカ、キャビアなどロシア的な食べ物から、それ以外の多様な食べ物まで、食にまつわるエピソードがぎっしり。
快活で竹を割ったような気持ちいい人だったに違いないと思わせる、テンポ感がよく含蓄のある言葉。ぷはー!という言葉がよく似合う、読後感の気持ちよさ。どっぷり本の世界に浸れて、新しい世界をうかがい知ることができる。友達にも薦めたくらい、最高におもしろい1冊だった。
「旅行者の朝食」って旅行の食事エッセイなの?ちっちっち、そうじゃないよ
タイトルの「旅行者の朝食」はロシアのアネグドード(小話)から来ている。その小話ももちろん紹介されている。アネグドートもたっぷり載った、ロシア語話者・学習者の私にとってピカピカ輝く玉のようなエッセイ集である。
いいなと思ったら応援しよう!
旅の資金、特に現地のチップや教会、寺院、学校、歴史的施設や建造物への寄付やドネーションに使わせていただきます。
引き続き読んでいただけたら嬉しいです😌