【#4】息子が不登校になった日から〜家族の葛藤と見守る半年間〜
一歩進んでも、その先が見えるわけではなくて。
それでも、わたしは歩みを止めずに来たのだと思います。
前回は、わたし自身の心の深い葛藤と再生の歩みを綴りました。
その経験の中で、自分を信じることの大切さを知り、少しずつ前に進んできました。
しかし、その先に待っていたのは、息子の不登校という新たな試練でした。
今回は、息子が不登校になった日からの半年間、わたしと家族が感じた不安や葛藤、そして見守る覚悟について書いていきます。
⸻
——いちばん苦しかったのは、“なにもできない自分”を受け入れることでした。
なんで?
うそでしょ?
わたしの頭の中は、パニック状態でした。
息子の不登校の予兆をまったく感じていなかったわけではありません。
中学3年の8月下旬、登校日。
いつも通り「起きやー」と声をかけて息子を起こしました。
朝ごはんの支度をして、キッチンで待っていました。
けれど、いつまで経っても息子はリビングに降りてきません。
何度か声だけかけても反応なし。
部屋をのぞくと、布団の中でじっと動かないままでした。
無理やり起こしても、何も言わず体も動きません。
私は力尽き、学校に「今日は休みます」と連絡を入れました。
でも、どこかで「明日は行くだろう」と楽観的に考えていました。
体調が悪そうには見えませんでした。
ゲームも夜遅くまでやっていたので、体内リズムが狂っているだけ——
そう思い込もうとしていたのかもしれません。
でも、それは始まりにすぎませんでした。
その日を境に、息子は学校に行けなくなりました。
昼夜逆転はひどくなり、食事は1日1回、風呂も入らない日が続きました。
私と夫は「ゲームのやりすぎだ」とパソコンを取り上げました。
でも、今思えば、それはただ息子をコントロールしようとしていただけ。
息子にとって、ゲームは逃げ場であり、唯一つながれる場所だったのかもしれません。
「なんであんなに優しかった子が……」
目の前の現実が受け入れられず、私は何度も自分を責めました。
息子の本音をちゃんと聞けていなかったのでは?
あのとき、もっと違う関わり方ができていたら——。
それでも月日は過ぎ、進学の話や学校からの連絡は容赦なく届きました。
揺れ続ける気持ちの中で、私は息子にラインで慎重に言葉を選びました。
話せそうなタイミングで寄り添うことも意識しました。
返事は一度もありませんでしたが、強要はせず、伝えるべきことは伝えるというスタンスを貫きました。
夫とも何度も話し合い、2月中旬には
「4月から高校に行かなくても、見守ろう」と、気持ちが少しずつ“諦め”から“信頼”に変わっていきました。
そんなある日、夕食の席で、私は思いきって息子に問いかけました。
「こういう学校もあるんだよ」と、通信制や定時制のパンフレットを見せると——
「こんなちゃんとしたところに、自分が行けるわけがない」
そうポツリと言った息子の一言に、胸が締めつけられました。
どれだけ自分を責めていたのだろう。
どれだけ自信をなくしていたのだろう。
それでも私は、さらっと言いました。
「こんな学校もあるんだよ。週に2日とか3日から行けるところもあるんだって」
息子は少し間をおいて、
「週2か3なら……行けるかも」と。
——初めて、自分の意思を言葉にしてくれた瞬間でした。
その夜、夫と話し合い、事前に学校から聞いていた情報をもとに
通いやすい距離で学校を選びました。
そして3月中旬、ギリギリのタイミングでしたが、息子と3人で学校見学へ。
見学のあと、息子は「ここなら行ける」とは言わなかったけれど、何か決めたような気配がありました。
その気持ちを信じて、私たちはすぐに入学手続きを進めました。
しかしその後、家族5人のうち4人がコロナに感染。
願書提出を延期しなければならず、息子の面接も遅らせてもらうなど、調整が必要で大変な時期を過ごしました。
入学手続きを進めるなか、通信制高校の学校側の対応がとても丁寧で親身だったことに、私たちは大きな安心感を得ました。
書類のやりとりや面接の日程調整も、息子のペースに合わせて柔軟に対応してもらい、本当にありがたかったです。
そして迎えた入学式。
息子は緊張しながらも、少し自信を見せていました。
家族にとっても、新しいスタートの大切な日になりました。
⸻
子どもが変化していく姿を前に、「わたしはどうすればいいんだろう」って、
立ちすくんだこと、ありませんか?
わたしはありました。
正解なんて、どこにもなかった。
それでも今、あの時間が、わたしたち親子の“信頼”の始まりだったと思えます。
同じように、見守ることに迷いながら向き合っているあなたがいたら、
そっと、手を握るように、この言葉が届きますように。
次回は、高校生活と私たち家族の“今”を綴ります。
もしよかったら、また読みに来てくださいね。
最後まで読んで頂きましてありがとうございました。
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