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⑮ 母親の認知症(姉妹の仲が拗れた原因の一端)

▶︎最初から読む:姫路への道のり-①母親の認知症
▶︎前回のお話:⑭母親の認知症(アクティブな母のプライド)


実家は田舎にあったため、下水が通っておらず、実家も隣に住んでいる姉の家も浄化槽だった。浄化槽は定期的に業者が清掃に来るため、その都度、誰かの立ち会いが必要になる。

認知症で母は立ち会えなくなったため、姉夫婦が海外赴任のため留守にする2年間、その間の「実家の浄化槽の立ち会いは誰がするのか」についての話し合いが行われた。

妹の家は実家から車で30〜40分、私の家は高速を使っても1時間ほどかかる距離にある。

そんな中、実家が浄化槽であることすら知らなかった妹が、「立ち会いって何?」と口にした瞬間、度々母の代わりに実家の立ち会いをさせられていた姉の怒りが一気に爆発した。

「あんたたちがやらないから、私がやらされるんでしょ!」

妹は黙り込んだ。本当に知らないのだ。
私は立ち会いしたことがあるが、反論はしなかった。ここで反論したところで、言葉が倍になって返ってくるだけだし、理不尽な事を言われかねないからだ。

間に入った介護福祉士さんが「日本に残るお子さんたち(大学生)に、お家の立ち会いの時に、ご実家も立ち会ってもらうのは?」と提案したが、姉はさらに激昂した。

「子供たちを使わないで!!」

介護福祉士さんも黙るしか無かった。


姉がこれほど激昂したのには、理由があった。

昔から母は、「大切な子」である妹には殆ど手伝いをさせず、姉と私に手伝いをさせていた。特に専業主婦で普段家にいる姉は、度々手伝いをさせられていた。母はいつも姉の都合を無視して自分の都合を押し付けていた。

「ゴミの分別だって『あいつに言ったってやらない』って、あんたがやらないから私がやらされるんでしょ!」

母は、私がやらないからと姉に無理やり手伝わさせていた。

なるほど…。
私は手伝わなかったわけではない。最初から分別できるように専用の置き場所を作ったが、母がそれを無視した。注意すると「私がやるんだからいいでしょ!」と怒り出したのだ。

自分が私の提案を面倒くさくて無視したのに、母は「あいつは手伝わないから」と私のせいにして、姉に面倒を押し付けていた。

母の都合で、度々面倒を押し付けられいた姉は「あいつのせいで」と私への不満を募らせ、私と姉の仲はすっかり拗れてしまった。


▶︎次回のお話はこちら
⑯ 母親の認知症(似ている母娘)

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