リモートワークは「母性ペナルティ」を軽減し人材という最も貴重なリソースを有効に活用する:今日のノート#654(2025-09-02)
#今日のBGM
#今日のコトバ
"ああ、9月よ!あなたは私の魂を目覚めさせる季節への扉です…でも、正直に言うと、私はあなたを愛しているのは、私の愛する10月への前奏曲だからです。"
(ペギー・トニー・ホートン)
~ Lulu
Posted by Quote Library on Sunday, August 31, 2025
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その「間借りコワーキング」をやりたい方を募集しています。フリーランサーや複業をお持ちの方、シニアや子育て世代の方、さらに現役高校生、大学生も大歓迎。一応、面接して何をおやりになりたいのかはお聞きしますが、どなたでも応募いただけます。
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メール → ito@cahootz.jp
メッセンジャー → https://www.facebook.com/kanzan10to9
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次回のトーキング・コワーキングは、9月5日(金)の19時から。
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#リモートワークは「母性ペナルティ」を軽減し人材という最も貴重なリソースを有効に活用する
昨日は、育児と仕事の両立のために退社時間が早くなっていることを紹介したが、
今日は、リモートワークが、実は働くお母さんをサポートする、という記事を紹介しておこう。
元記事のタイトルは『在宅勤務は「家庭との両立が難しい仕事」における「母性ペナルティ」を軽減する』。「家庭との両立が難しい仕事」とは、主に金融やビジネスのような伝統的に職務規定が厳しい業界、職種を指す。
で、「母性ペナルティ」ってなに?英語では“motherhood penalty"。
「母性ペナルティ」とは、育児に専念するために休業した後に復職した女性が、子供を持たない女性と比較して、給与に大きな差があり、収入が大幅に減少することを表す言葉。そんな言葉があるんですね。しかし、これを「ペナルティ」にしてはいけませんよね。
この記事は、在宅勤務は、その「母親としてのペナルティ」を軽減するのに役立つ、という全米経済研究所(National Bureau of Economic Research)の論文に基づく。
以下に、その論文のサマリーをざっと訳して貼っつける。
パンデミック中に導入された柔軟な勤務形態を徐々に廃止し、従業員を在宅勤務からオフィス勤務へ戻す企業が増加している(※)。
(※)言わずとしれた「RTO(オフィス勤務の義務化)」のこと。
Kastle Systemsによると、米国10大都市の平均オフィス稼働率は、2022年初頭の20%未満から今月52.3%に上昇した。
オフィス復帰の動きは今後も続く見込みだ。KPMGが昨年発表したCEO意識調査報告書によると、CEOの5人中4人近く(79%)が、従来オフィスで行われてきた職務に従事する従業員は2027年までに職場復帰すべきだと考えている。
KPMGは「CEOは包括的なオフィス復帰をますます支持しているが、柔軟性の必要性は依然として残っている」と指摘した。
ギャラップが5月のデータを引用して発表したところによると、リモートワークが可能な米国従業員のうち、51%がオフィス勤務と在宅勤務を組み合わせたハイブリッド勤務形態を採用している。21%が完全なオフィス勤務、28%が完全なリモート勤務となっている。
「在宅勤務の将来は不透明だが、大規模調査の証拠から、在宅勤務率はパンデミック前の2倍以上で安定化しつつある」と研究者らはNBER論文で述べている。
米国の労働者はリモートワークを高く評価している。今年発表された別のNBER論文によると、彼らはオフィス勤務よりも部分的(ハイブリッドワーク)または完全なリモート(フルリモート)勤務を確保するため、平均で最大25%の賃金削減を受け入れる意思がある。
技術系労働者の選好に関する研究で、研究者らは許容される賃金削減幅が従来の研究で測定された額の3~5倍に上ることを発見した。
「この差異は方法論の違いに起因する部分があると我々は考えている。既存の手法ではリモートワークへの選好が過小評価されている可能性がある」と研究者らは述べた。
「母性ペナルティ」に関するNBER論文の著者らによれば、在宅勤務の可能性は若い女性たちに、より高い教育やキャリア目標を目指す動機付けとなる可能性があるという。
「母親になった後も在宅勤務が可能だという期待は、若い女性が教育への投資を促進し、成長性の高いキャリアにつながる学位を選択し、就職後は企業固有の人材資本への投資を促す可能性がある」と彼らは述べた。
「女性のキャリア選択を将来の出産予定から切り離すことで、在宅勤務は女性が男性のように最適化を図れるようにするかもしれない」と彼らは指摘した。
研究者らによれば、在宅勤務制度は企業が女性従業員の研修に投資する動機付けも高める。なぜなら女性は母親となった後、仕事を辞めて育児に専念するよりも、会社に留まる可能性が高くなるからだ。
CEOの79%が、従来オフィスで行われてきた職務に従事する従業員は2027年までに職場復帰すべきだと考えている、というのはあくまで経営陣がそう希望しているだけでそうなるとは言っていない。というか、ならないと思う。
ワーカーの労働意識はパンデミックを境に大きく変化している。いわゆるナレッジワーカーは、今どき別に毎日通勤に疲労しながらオフィスに全員集合しなくても仕事はできるし、心配された生産性(この言葉も産業革命期に工業製品の生産効率を測るための「工業用語」として生まれた言葉で現代のナレッジワーカーには馴染まない)も低下するどころか、むしろ向上したという報告もあるぐらいだ。
すでにテクノロジーが解決できる課題であったことにパンデミックが気づかせてくれたと言うべきかもしれない。要するに、ちゃんと働いてほしければ、働く人が気持ちよくアタマとカラダを使える環境を提供すべき。加えて言えば、今やその環境を働く側が選択できる時代になっている。
KPMGが「CEOは包括的なオフィス復帰をますます支持しているが、柔軟性の必要性は依然として残っている」と指摘しているのは、そのことを言って釘を差した格好。
51%、つまり過半数がハイブリッドワークというのは結構な数字だ。この1年でオフィスと在宅(もしくは生活圏内のコワーキング)をミックスして仕事につくワーカーがぐんと増えている。
ハイブリッドは当初、フルリモートへの橋渡し的な意味合いがあったかと思うが、時々、居場所を変えて気分を変えて仕事すると効果的というのは、これも誰もが経験しているところだろう。
つまるところ、我々は機械ではない。生身の生き物であって、スイッチを入れれば毎日決められたように動くようにはできていない。その日の気分や調子という感情的、身体的条件、というか、その日の脳の働きによって、全然、パフォーマンスに差が出る。
しかし、それは仕方がないのだ。そういう風にできているのだから。それを矯正するのではなく、むしろサポートする仕組み、環境を提供することのほうがよっぽど理に適っている。
リモートやハイブリッドを選択できるのなら、最大25%の賃金削減も甘んじて受け入れるというのは、その意思表示に他ならない。しかも、この数字は確かに徐々に大きくなっている。マジ。
彼らは仕事をしたくないのではない、むしろ、ちゃんとやりたい。ちゃんとやりたいから、リモートやハイブリッドを選ぶ。←ここをアタマの古い経営陣は理解していない。
「在宅勤務率はパンデミック前の2倍以上で安定化しつつある」とあるが、今後は引き続きオフィス勤務は減り、ハイブリッドとフルリモートの%が増える。
蛇足ながら、「在宅勤務」は必ずしも自宅内での勤務に限らない。いつも言うように自宅近くの、生活圏内にあるコワーキングを利用するのもオススメ。
ひとりで部屋に籠もってると、やっぱり精神的におかしくなる。コロナ禍の際、急に会社から在宅勤務を命じられた社員が、世界中でメンタルをやられたのは記憶に新しい。それを回避する意味でも、コワーキングを利用して「人の中にいる」、つまりコミュニティに参加している感覚を持つことが望ましい。
で、肝心な話、働く場所を自由に選択することで大きなメリットを享受できるのは、実は、女性の方だ。
彼女たちは仕事と家事の両立を求められていて、そのために泣く泣くキャリアを棒に振ることもある。彼女にとっても辛い経験だが、と同時にそれはその社会における人材の損失であることも確か。
そう、人材、人財であることを忘れてはいけないと思う。要するに、リモートワークは単なる労働者のわがままではない。「母性ペナルティ」を解消するとともに、人材という最も貴重なリソースを有効に活用するための方法論ということ。
ところで、親の73%が仕事と家庭の両立に強い罪悪感を感じているという記事もあるのだが、長くなるので後日、別稿で紹介するとします。
ということで、今日はこのへんで。
(トップ画像:Vitolda Klein)
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