【S1|形のルール】口が消えた #2
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第2話|制限は、敵ではない
制限という言葉には、
どこか窮屈な響きがある。
自由を奪うもの。
創造を縛るもの。
可能性を狭めるもの。
そう思い込んでしまいがちだ。
けれど、
形は本当に自由から生まれるのだろうか。
もし、何の条件もなかったら。
どんな形でもいい。
どんな方向でもいい。
それでは、アートになってしまう。
デザインには、必ず応答する相手がいる。
環境がある。
用途がある。
誰かの時間がある。
だからこそ、形には条件がある。
その条件が、
思考を縛るのではなく、
思考を具体にする。
私は、木を削るときのことを思い出す。
木目がある。
硬さがある。
刃の入り方に癖がある。
思い通りにはならない。
けれど、その思い通りにならなさが、
次に削るべき場所を教えてくれる。
制限は、敵ではない。
むしろ、形が立ち上がるための
静かな足場だ。
だからこそ、その足場が突然消えたとき、
私たちは戸惑う。
制限なき世界で、
デザインは何に応答すればいいのだろう。
つづく。
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