花星沙夜はホラー出身です 短歌・詩・小説 Xまとめ2025年10月〜2026年1月
ごきげんよう。花星沙夜です。
短歌・詩・小説 Xまとめ2025年10月〜2026年1月第五弾です!
過去のまとめはこちら!
第五弾は「ホラー」編です。
わたしは別名義でホラー小説を書いていたので、現在も作品はそちらに引き寄せられて行きます。
花星沙夜が花星沙夜になる前の話はこちら
過去とまとめとの重複もあるかもしれませんが、お気になさらずホラーを楽しんでいってください!
短歌(+解説、短歌から繋がる詩・140字小説)
猿の手が望まぬ形で頬撫ぜる 最後の願いを親に伝えた
かの有名な物語「猿の手」。萎びたミイラの猿の手に願えば3つの願いが何でも叶うが、一歩間違えれば意図しない不幸な形で願いが叶う。僕の親はまるで猿の手だ。望まない形の愛を与えてくる親にくたびれた。その萎びた手を振り払い、「もう関わらないでほしい」と言った。
後に、
親の手が望まぬ形で頬撫ぜる 最後の願いを猿の手に吐く
とリメイクしています。
この恋は不死鳥となり戻りゆく 人は私を「Jane Doe(ジェーン・ドゥ)」と呼ぶ
「不死鳥」は、死を察すると自ら炎に飛び込んで、再び蘇る火の鳥です。
「Jane Doe」は名前が明らかでない女性の呼び名で、警察関係では「身元不明の女性遺体」を指すことがあります。
復縁を迫る彼女はストーカーとして、「恋人としての名前」を忘れられてしまいます。
恋敵 未必の故意で転落し 秘密の恋ならバレずに済んだ
「未必の故意」とは、犯罪の発生の可能性を認識しながらも、「そうなってもいい」と行為に及ぶことを指す言葉です。当然裁判にも影響します。なんだか「秘密の恋」と似てますね。転落したのが恋敵だと誰も知らなければ、容疑者として浮上しなかったかもしれないですね。
誰が分かるねん。分かってくれた人、本当にありがとう。
黴が生え蛆が湧いても口にする チーズはママのミルクの果てで
実際にカビチーズはもちろん、ウジチーズも存在するらしいです。
ママのどこまでも消えない罪深さを喩えた歌です。
精神が寿命なんですうんざりね
脳は取り替え、これは破棄して
病気発覚前、SFホラー小説にチャレンジしていた時期がありました。使いたいシーンは書けるのですが、納得する着地点が見つからず、バラバラのままのメモがたくさんあります。
そこから鬱要素を抽出しました。
一枚の布を贈ってもらえたら巻かずに済んだ?冷たいマフラー
ロープって空気をあまり含まないから冷たいんですよね。
「死にたい」は「お救いください」に似ている 「助けて」ともいう拷問中は
「死にたい」気持ちを簡単にディスるな〜! というメッセージと、ホラーのワンシーンを併せ持つ歌です。
自覚なく平和の神に飼われてる 意に反したら心臓が鳴る
お前の心臓、手のひらの上やで。中かもね。
灰を帯び箱の中だけ美しく持ち主の死を見届けるeye
使われず大切に大切に飾られていた箱の中の人形の瞳が、持ち主の死を見届けています。箱に埃が被るまで。
お題「使」で詠むにはトリッキーでした。
黒い目が怖いと泣けば抉り出し魔女はおもちゃの目を縫い直す
この黒い目が怖いのと言うと、なんでもできる魔女は糸切り鋏を取り出して、眼球を押し出し、神経のような根本を断ちました。そしてみるみるうちに美しい目に。器用な祖母が手入れしたぬいぐるみ。ハイライトが入った半球は、きっととっておきの貝のボタンじゃないかしら。
この「玩具」の黒い目が怖いのと言うと、なんでもできる魔女は魔法で「玩具」の眼球を押し出し、神経の根本を断ちました。そしてみるみるうちに美しい目に。魔女が手入れしたわたしの「玩具」。光を乱反射するオーバルは、きっと魔女のとっておきのルビィじゃないかしら。
わざわざ「おばあちゃんは魔女みたい」というほのぼのエピソードでほのぼの140字小説まで作ったのに、ホラーの血が作れ作れと騒いでしまい、別解釈のホラー140字小説をもう一編書いてしまいましたとさ。めでたしめでたし。
『あたしもう常世の狐になったから雪の中でも寒くはないの』
生物の装飾は脆い
シルクも真珠も琥珀もオパールも
枯葉の着物じゃ縫うには縫えず
越冬する蝶ルーミスの枯葉模様の羽もきっと縫えないね
生きた蝶を身体中に纏わせて
あなたが私を見つけたら振り返り
紫の構造色を飛び立たせてみたい
あたし今から雪で常世の狐になるの
参考:童謡 こぎつね 作詞:勝承夫
この作品は過去の記事にて詳しく解説しております。
詩(単体)
人は苦しいから死にたいと思うのに、死が近づくと大抵痛くて苦しい
心の美しい、人ならざるものに、喜んで看病されたい
病魔を食べる怪異とかがいい、人のリソースを割くのは申し訳ないから
好物を食べ、さらさらのシーツでトントンされながら眠りたい
エンドルフィンを出しながら夢見心地で終わりたい
花星沙夜 X
人魚の鱗に光を当てたら、淡い虹色に輝いてさぞ美しいのだろう
ガラスのフレークのように透ける大きな一枚は、綺麗に加工してネックレスに
まな板の上で鯛の鱗が無惨に削ぎ落とされている
頭にはビニール袋が被せられている
魚の体液と、折れ曲がって割れた鱗が飛び散る
鱗もヒレも内臓も骨も生ゴミに
牢獄の壁に斜めに差し込む日の光が、湿った灰色を暖かく乾かしていると、きっと気付ける自分であることに、今日も感謝します。
朝が来る約束を。
落日と共に僕に不要な救援が来ます。
愛する吸血鬼の糧となり、必要とされたい人生でした。
現実は愛する者もおらず、優先順位の「いち」は自分自身です。
僕が吸血鬼でないことに感謝します。
ただ、夜が途絶えた暁には、確実に、朝日に焼かれて灰となりますように。
無粋なので説明をします
落日と共に不要な救援が来るので、「僕」は意に反して夜型です
暁には=「実現した折には」の意
暁=「夜明け」の意
暁と焼は似ています
いちといのちは似ています
落日と現実と確実、吸血鬼と救援と優先順位と自分自身は似ています
140字小説(単体)
あなたに明日は来ませんよ。嘘です。明日も朝が来ます。明日も生きてください。やりたいことリストを作って、全部やっちゃいましょう。100個あっても1日1個やれば3ヶ月とちょっとです。1日1個は無茶でしたか? 人間は呑気でかわいいですね。大好きです。
花星沙夜 X
無粋なので説明をするのですが、「あなたに明日が来ます」とは言っていないのがポイントですね。ぜひ、頑張って明日も生きてください。
明日って明日は来ても毎日は来ないですからね〜。
せっかく今日の分の明日が来るって教えてもらえたのに残念でしたね。
これ、漫画向きだな。わたしが漫画を描けたならよかったなあ……。描けたなら……
最後の2コマで天使に
「あなたに明日が来ますなんて一言も言っていませんよ? 明日って、毎日は来ないですからね〜。せっかく今日の分の明日が来るって教えてもらえたのに残念でしたね」
〜人間、死す〜
「……人間は呑気でかわいいですね。大好きです」
と恍惚とした顔で言わせて締める。
これ、病気の調子がいいときに短編小説くらいの長さでリメイクしたいですね。
疲れて、シャワーを浴びて、頭にタオルを巻いて、彼に目をやった。
彼は珍しく、「そういう見返り美人の名画、あるよな」と私を褒めた。
「"青いターバンの少女"? でもこのタオル、白じゃない?」
「うん、白」
思わず笑った。
「"ベアトリーチェ・チェンチの肖像"かよ」
「やったのは俺だけどね」
花星沙夜 X
こちらら絵画を元にしたホラー小説です。
わたしは絵画も好きです。美術館も好きですが、美しい絵がスマホで見放題な現代、本当にありがとうとう気持ちです。Xでも時々美しいと思ったら絵をリポストしているので、覗きに来てね。いつか絵を買いたい。
この小説の元となった、青いターバンの少女とベアトリーチェ・チェンチの肖像の解説は下のわたしのポストから
無粋なので説明をします
— 花星沙夜 (@kaseisayo) October 29, 2025
彼女は血を浴びましたが、やったのは恋人なので、尊属殺人にならなかったわけです。きっとうまくやり、事件にもならないでしょう。#140字小説
参考 Wikipediaより
青いターバンの少女https://t.co/9983sdVTSN
ベアトリーチェ・チェンチhttps://t.co/yQMrkC01if pic.twitter.com/DVHBMoRTzf
ベアトリーチェ・チェンチの肖像。美形なのに確かに壊れた精神をした顔つき。あまりに凄惨な背景に怒りを覚えます。
「もし人の悪事を全部バラしたらさ、俺はスカッと満足するだろうか」
「アホすぎて軽妙な悪口も思いつかない底辺に同情されてもね。此間(こないだ)濡れ衣着せられた田中に書類回さなかったのお前?」
「いやいや、俺じゃないよ〜。さっき子供が転落して死んだニュースあったじゃん? あっちが俺」
あ、お前人の悪事バラさないんだ。確かに田中みたいなやつに同情するやつおもんないしな。でも興味はあるんだ。じゃあ言ってもいいか。お前面白いし。
もっと分かりやすく伝えられるよう、脳のリハビリ頑張ります。分かってくれた人ありがとう!
「異世界でもお薬調合してくれるんだ。はい、これが私のお薬手帳だよ」
「薬の名前は分からないけれど、効能を読む限り、精神薬ばかりだね。よく頑張ったね。もう大丈夫。ここのお屋敷にいればそのうち飲まなくてよくなるよ」
朝でした。鞄からはみ出た手帳の角が私に向いていました。
夢でなければよかったのに。
「幸せなときでも、ポケットに小さな刃物を入れてる。あなたが死のうとしたとき、いつでも私の命を人質にできるから」
「そんなに俺を信用してくれてなかったんですか?」
「現に、今死のうとしている子はだあれ?」
狡い。あなたを一緒に連れて行く勇気がないのを知っていて。
「ロープも毒もあるよ」
花星沙夜 X
死ぬなら私と一緒に死にたいはずよね。
本日分の配給が来なくて、お腹が空いて眠れない。配給は必須栄養素。五大……七大? 栄養素。炭水化物脂質蛋白質ビタミンミネラル、あとなんだっけ。隣の家までは配給が来てたらしい。ずるい。あの子が可愛いから? むかつく。私が好きになるほど可愛いから? あの子を食べちゃえば満たされて眠れる?
花星沙夜 X
それ五大栄養素やない。七つの大罪や。
俺が彼女の全てであってほしかった。彼女は俺の全てだったから。人は死ぬ。失った方が花をプレゼントする決まりは不平等だし、枯れる花は俺たちに相応しくない。彼女は揺れるピアスが好きだった。俺は梁から揺れる一輪の花だ。そこにいる? 枯れない衝撃を君の魂に。ギブアンドテイクだろ。
愛する人を失った上に花まであげなきゃいけないなんてバグすぎる。
俺ら、花を贈る趣味もなかったし、喧嘩したときには悪かった方がちょっとしたプレゼントを買っていたし。
先に逝ったんだから、詫びにお前に会わせろや。
昔プレゼントした揺れる花のピアスみたいになって、俺も死ぬから。
今、幽霊になってそこで見てるか?
いきなり死にやがって。サプライズ返しだよ。
「どうしてその意地悪な物言いを、私が学校で真似しないと思うの?」三度目のループで、私は両親に言い放った。一度目の人生では凄惨なイジメに遭い、14で死んだ。二度目の人生では優等生としての地位を得たが、遅効性の言葉の毒と干渉により、23で死んだ。次は殺した。これは正当な戦争だ。
(無粋なので解説をするのですが、「○度目の人生」と「○度目のループ 」の違いが分かると、「正当な戦争」が意味を帯びてきます)
エッセイ
気が付いたら遊具は動いているのに誰もいない遊園地にいて、ずっとあてどなくおずおずと歩き続けている
そしていつか誰かが瞬きのない眼で「楽しかったでしょう?」と問うてくる
それがなんとなく分かっている
何とも煙たい
せんせ、頭蓋骨を開けて脳みそを見てくれませんか?腫れてるところと灰になってるところがありますよね?そこにお薬を塗ってください。
AIが人間の作った情報を食ってる今のうちはいいんだけど、AIが出力した情報をAIが参照し続けたら猛烈な情報汚染にならないのか謎。情報のミスが濃縮された大型魚を人間が食べさらに大きなAI魚に食わせ、毒が回って無意味な不協和音に熱狂しランダムな色の割合に恍惚とし同じテンプレの文章に頷く宿主。
ちなみに花星沙夜の創作・記事は現在完全AI無使用となっております。
AIさん、確定申告やってくれませんか?
"御伽噺の王女でも昔はとても食べられないアイスクリーム"を食べ、暖かく冬を越せて美しい芸術と狂人が見放題な現代、悪夢の物語の導入感があるな
参考 『アイスクリームの歌』作詞 佐藤義美
冗談はさておき、"御伽噺の王女でも昔はとても食べられないアイスクリーム"を"召し上がり"、昔なら王室の調度品だったはずのベッドで羽毛布団にくるまり、何回か不幸になったくらいでなんじゃーいと開き直る作業に入ります。高熱が下がらなくて、朝、抗生剤を点滴してもらったので。病院までの往復で熱が上がったけれど、おかげでやっと解熱剤が効くようになってきました。宮廷医師がほしい。
まとめはほとんど済んでいたので、コメントだけ足して公開します。
短歌・詩・小説 Xまとめ2025年10月〜2026年1月、まだ数編あるので……。
2月までに……完結させたかった……。
「偏愛」「進化生物学」「鬱々とした詩歌」「子を想う詩歌」「その他」でまとめようと考えております(仮)。
その後、2026年2月のまとめを……。
わたしは熱出してるけど、みなさまはどうかお元気で、次回またお会いしましょう!
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参考にさせていただいた作品、並びにたくさんのお題を使わせていただきましたこと、感謝いたします。
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