【大相撲】土俵祭② 『斎主祝詞奏上』 全文書き起こし!
さて、
前回の記事では大相撲の『土俵祭』のことを取り上げました。
まだお読みになってないかたは、
こちらをお先にどうぞ⬇️
今回は、
その『土俵祭』で唱えられる「祝詞」である
『斎主祝詞奏上』
を全文書き起こしました!
ちょっと難しいと感じるかもしれませんが、現代語訳や語句解説もしますで、興味のある方は、是非お読みください!
【『斎主祝詞奏上』とは】
大相撲の『土俵祭』において
「祭主(斎主=立行司)」により唱えられる「祝詞」です。
「相撲の神様」を土俵にお迎えし、怪我なく無事に本場所を開催できることを祈るものです。
【実際の『斎主祝詞奏上』】
下記動画は2026年5月9日に行われた、五月場所の『土俵祭』における『斎主祝詞奏上』を私が会場で撮影したものです。
まずはこちらの動画をご覧ください⬇️
(1分57秒)
土俵祭の
厳かな雰囲気が伝わるかと思います。
【『書き起こし』にあたって】
『斎主祝詞奏上』の基本的な内容は昔からあまり変わらないとは思いますが、時代による変化や斎主が交代した場合など、微妙に言い回しが変わっていくようです。
今回はネットで見つけた、以前の祝詞奏上の書き起こし文を参考にし、専門家ではない私が自分で撮影した動画から、個人的に「令和八年五月場所の土俵祭」における『斎主祝詞奏上』を書き起こしました。
動画の録音状態があまりよくなく、聞き取りにくい部分がありました。
また、ネットで見つけた書き起こし文とは異なる部分もあり、正確に書き起こせていない部分もあるかとは思いますが、ご了承下さい。
【全文 書き起こし】
掛けまくも 畏き この斎庭に
我が相撲の道の守り神と もちいずく
戸隠大神
鹿島大神
野見宿禰の尊たちを
ともに 祀りませ祀りて
畏み 畏み もうさく
ちはやふる神代の昔より
なか今は さらに申さず
いや遠永に 栄いくべき
相撲の道橋も
敏き心に 術を尽くして
猛き心に力を比べて
勝ち負けを争い
人の心を 勇ましむる
神代ながらの 国ぶりなれば
公益財団法人 日本相撲協会は
このところ 国技館に
古き則のまにまに 土俵を築き
明日より始めて 十五日のあいだ
力人らの 四股の響きも勇ましく
恒例の五月本場所を とりおこない
なしそむることに 先立ちて
今日の生日の足日に
祀りつかえ祀りて 大神たちの
高き尊きに 御霊の頼によりて
執り行い
成し務むることわざに
御霊幸さいたまいて
土俵の内外
日にげにつつしみ 禍事なく
いや奨めに 奨めたまいて
夜の守り 日の守りに
守り幸さい給えと
乞い祈奉らくを
平らけく 安らけく
合い諾ない 聞こしめせと
恐み 恐み もう白す
【現代語訳】
自力ですべて現代語訳するのは困難なので、
AIさんの力をお借りしました。
AIの回答そのままでは意味がわかりにくいところも多く、私の知識を合わせたり別途調べたりして加筆・修正してあります。
また、わかりやすくするため、
書き起こし原文を先に引用し、その下に現代語訳を書き対比できるようにしました。
・以下、現代語訳(書き起こし原文対比)
掛けまくも 畏き この斎庭に
我が相撲の道の守り神と もちいずく
恐れ多くも、この神聖な祭場において、
私たちの相撲の道を守ってくださる神々である
戸隠大神
鹿島大神
野見宿禰の尊たちを
戸隠の大神様(=天手力男神)
鹿島の大神様(=建御雷之男神)
そして 野見宿禰 の御霊を
ともに 祀りませ祀りて
畏み 畏み もうさく
ともに お祀り申し上げ、
畏れ多くも 謹んで申し上げます
ちはやふる神代の昔より
なか今は さらに申さず
荒ぶる神々がいた はるかな昔から続く
相撲の道については
今さら詳しく申し上げるまでもありません
いや遠永に栄いくべき
相撲の道橋も
永遠に栄えていくべき
この相撲の道は
敏き心に 術を尽くして
猛き心に 力を比べて
勝ち負けを争い
鋭い心で 技を尽くし
勇猛な心で 力を競い合い
勝ち負けを争うことで
人の心を 勇ましむる
神代ながらの 国ぶりなれば
人々の心を 奮い立たせる
神代から続く 我が国の伝統です
公益財団法人 日本相撲協会は
公益財団法人 日本相撲協会 は
このところ 国技館に
古き則のまにまに 土俵を築き
ここ 両国国技館 において
古くからのしきたりに従って 土俵を築き
明日より始めて 十五日のあいだ
力人らの 四股の響きも勇ましく
明日から始まる十五日間
力士たちの踏む 四股の響きも勇ましく
恒例の五月本場所を とりおこない
なしそむることに 先立ちて
恒例の五月場所を 開催する
初日を迎えることに 先立って
今日の 生日の足日に
祀りつかえ祀りて 大神たちの
高き尊き御霊の頼によりて
本日の この素晴らしき良き日に
神々を丁重にお祀りし
高貴で尊い御霊のご加護をお受けし
執り行い
成し務むる ことわざに
興行を執り行い
どうかこの本場所の務めにおいて
御霊幸さいたまいて
土俵の内外
日に異につつしみ 禍事なく
神々のお導きを賜り
土俵の内外ともに
日々慎みを持って
事故や災いなどが起こらぬよう
いや奨めに 奨めたまいて
夜の守り 日の守りに
さらにいっそう繁栄するようお導きいただき
夜も昼もお守りくださり
守り幸さいたまえと
乞い祈奉らくを
平らけく 安らけく
安全と幸いをお与えくださいと
どうかこの切なる願いを
穏やかに 安らかに
合い諾ない 聞こしめせと
恐み 恐み もう白す
そして寛大に お聞き届けくださいますよう
畏れ多くも 申し上げます
【語句解説】
■斎庭
神を祀るために祓い清めた神聖な場所のこと
■戸隠大神
=天手力男神のこと
「天岩戸神話」で、天照大御神が閉じこもっていた岩戸をこじ開けて天照大御神を外に出した神。
その力の強さから相撲の神様として崇められる。
長野県の戸隠神社の奥社に祀られているため、祝詞の中では『戸隠大神』と呼ばれている。
■鹿島大神
=建御雷之男神のこと
国譲り神話で、地上の国を平定するために派遣され、「大国主命」の子である「建御名方神」と力比べをして打ち負かした武勇の神。
この二柱の神の力比べは、相撲の起源の一つとされている。
茨城県の「鹿島神宮」に祀られていることから祝詞の中では『鹿島大神』と呼ばれている。
■野見宿禰
相撲の祖であり、相撲の神様。
『日本書紀』にて垂仁天皇の時代に、天皇の前で「当麻蹴速」と捔力をとり勝利した。
この戦いが相撲の元祖といわれ、勝者の野見宿禰が相撲の神様と言われている。

■生日の足日
祝典や祭りの当日のこと。
生気に満ちている縁起の良い日という意味。
神事・儀式の日を祝っていう言葉。吉日。
■御霊の頼
恩頼
神を敬って、その威力・恩恵・加護をいう
■乞い祈奉らく
神に強く願い祈ること
【最後に】
『斎主祝詞奏上』の書き起こし、いかがでしたでしょうか?
大相撲開催における意義や想いが伝わってきたのではないでしょうか。
正直、今回の書き起こしと現代語訳は大変でした。
聞き取りにくい動画の音声を、
何度も何度も何度も聞き直して、やっと書き起こしました。
(それでも間違えているところはあると思います)
また、読みにくい字には、できる限りルビを振りました。(noteのルビ付は結構面倒)
それから現代語訳もなかなか大変でした。
私は「古事記」や「日本書紀」は好きで読んでいますが、神道の知識はあまりなく、神道の祝詞の独特の言い回しの持つ意味を調べたり、知識のない人が読んでも分かるように訳するのには、かなり手間がかかりました。
この記事を読んで、大相撲への理解が深まったと思っていただければ嬉しいです。
また、書き起こしや現代語訳に誤りがあれば、コメント欄でご指摘いただければありがたいです。
・次回予告
次回はやはり「土俵祭」で唱えられる『方屋開口(故実言上)』の書き起こしです!
お楽しみに!
2026.5.19 追記
『方屋開口(土俵開き)』の書き起こしの記事を公開しました❗️
『斎主祝詞奏上』との違いも明らかにしているので、是非お読みください✨⬇️
・関連記事の紹介
今回の記事に関連する
下記の記事も是非お読み下さい!
それでは、
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました!
もしこの記事が気に入っていただけたなら、下にある「スキ❤️」を押して応援していただけると、次の記事を書く励みになります!
noteアカウントがなくても誰でも押せます!
また、今後も面白い記事をお届けしますので、ぜひフォローしてチェックしてみてくださいね!
