メタル君の「今日の精神医学豆知識!」(761)-(765)
皆様、こんにちは。
鹿冶梟介(かやほうすけ)です😆
小生は政治に疎いと自覚しておりますが、最近の政治に関する雑感を述べたいと思います。
先の参議院選挙ですが、自民党が大敗したこと以上に「日本人ファースト」を掲げる参政党が大きく票を伸ばしたことが話題となりましたね。
日本人ファースト... ...、トランプ大統領のアメリカファースト(米国第一主義)をパクったようなキャッチフレーズですが、この考えに賛否あることは当然と感じます。
日本人であれば、「外国人を優遇するのではなく、まずは自国民を大切にしてほしい」という考えに異論を唱える方は少ないと思います。
これは近年TVで報道される外国人犯罪や、グローバリズムへの反動がこうした流れの背景にあると言われておりますが、この点については小生も一定の理解があります。
なかでも小生が特に懸念していたのは、極端な国際化の結果として生じた「科学技術の空洞化」です。博士課程学生への経済的支援は歪であり、文科省の「次世代研究者挑戦的研究プログラム(SPRING)」では、対象者の約6割が日本人、残り4割が留学生。そのうち中国人留学生が3,000人超を占めています。
ご存じの方もいるかもしれませんが、日本の科学者の待遇は極めて劣悪です。パーマネント職以外の雇用は不安定で、数年以内に業績を挙げなければならないため、研究は小粒な成果に偏りがちです。かつては「親方日の丸」に守られ、時間や資金に縛られない自由な環境があったからこそ、ノーベル賞級の発見が生まれたのではないでしょうか。
そう考えると、やはり少なくとも「学術」という分野に限っては、「日本人ファースト」に舵を切るべきではと感じます。
... ...とは言え、この「日本人ファースト」という考えが行き着く先に一抹の不安を抱くのも事実です。
極端になれば「自国民さえ良ければ他はどうでもいい」という排他的な考えに陥りかねません。
太平洋戦争時、日本人は自らを「皇民」と称し、今でいう「日本人ファースト」と呼べるスローガンを掲げながら敗戦いたしました... ...。
敗戦から多くを学んだはずの日本が、再び同じ道を歩むのか――。
終戦から80年を迎えようとする今、そんな懸念を抱かずにはいられません。
メタル君の「今日の精神医学豆知識!」は、X(旧: twitter)で毎朝8時にアップしております。
X(旧: twitter)民の皆様も、X(旧: twitter)では語りきれなかった【メタルのおまけ】がございますので、ご興味があれば本記事を是非お読みください!
【今日の精神医学豆知識集!(その153)】
761.スルトプリド(バルネチール®など)は強力な鎮静作用をもつベンザミド系の抗精神病薬だよ。オランザピンやクエチアピンなど鎮静系非定型抗精神病薬の登場で出番は少なくなったけど、非定型薬が無効な興奮状態の統合失調症や躁病に対して試す価値のある薬だよ。
【メタルのおまけ】
バルネチールは非常に強力な鎮静剤で、日本で使用できる抗精神病薬の中ではトップクラスの鎮静作用をもつと思うよ(ケースによってはロドピンより効く)。しかし徐脈傾向や低カリウムのあるケースはQT延長をきたすこともあるから、定期的に心電図をとったほうがいいよ。
↓QT(キューティー)といえば、キューティーハニー!
762.カルピプラミン(デフェクトン®)はイミノジベンジル系抗うつ剤と類似した構造をもつことから慢性統合失調症の抑うつ状態や陰性症状に有効と考えられていた薬だよ。抗幻覚作用は弱かったから「統合失調症患者用の抗うつ剤」的な使い方をされていたね。
【メタルのおまけ】
統合失調症の人格水準の低下を欠陥状態(defective state)というけど、デフェクトンという薬品名は欠陥(ディフェクト)に由来すると思うよ。でもこの薬が統合失調症の抑うつ状態、陰性症状、ましては欠陥状態を治癒するようには思えなかったね。
↓カルピプラミンよりカルビのほうが好きです。
763.ネモナプリド(エミレース®)は日本で開発されたベンザミド系抗精神病薬で、ドパミン受容体(D2, D3, D4)を強力にブロックするよ。リスペリドンやクロザピンの登場で出番は少なくなったけど、ハロペリドール以上の抗幻覚作用は今でも捨てがたいと思うね。
【メタルのおまけ】
エミレースの抗幻覚作用はかなり強力で、特に幻聴に対する効果は他の追随を許さない...といっても過言ではなかったかな(←思い出補正かも?)でもエミレースは錐体外路症状が出やすいから、投与する時は抗パーキンソン病薬との併用が必須だったね(アキネトン)。
↓思い出といえば、思い出のマーニー!
764.ピモジド(オーラップ®)は小児自閉症に適応可能な数少ない抗精神病薬だけど発売中止となったよ。リスペリドンやアリピプラゾールの登場で完全に出番はなくなったね。ちなみに僕個人の経験としては皮膚寄生虫妄想に著効したことがあるね。
【メタルのおまけ】
でもオーラップが発売された頃は、そもそも「自閉症」は珍しかったらか、児童精神科医以外はそれほど処方したことはないだろうね。ちなみにオーラップはQT延長をきったしやすい薬剤No1だったから、処方する場合は定期的な心電図が必要だよ。
↓これはオーラップではなくコーラックII!
765.プロペリシアジン(ニューレプチル®)はドパミン(D2)、セロトニン、ノルアドレナリン受容体を強力に遮断するフェノチアジン系抗精神病薬だよ。攻撃性の高い統合失調症患者さんによく処方されていたけど人格障害にも少量使用すると性格が丸くなるよ(個人的感想)。
【メタルのおまけ】
ニューレプチルはいまでも重宝するよ。僕の先輩曰く、「ニューレプチルはいい人にする薬」と言っていたけど、本当にそう思うよ。攻撃性を和らげる理由は、二ユーレプチル抗ドパミン作用だけでなく、抗ノルアドレナリン作用があるから... ...と説明されているよ。でもそのせいで、起立性低血圧を生じることがあるから要注意だね。
↓ニューレプチルを飲まなくても、これを読めばいい人になるかも?
【メタル君の考察】
今回は「往年の抗精神病薬」に関係する精神医学ネタをツイートしたよ!
今回紹介した抗精神病薬は、若い精神科医の先生には馴染みが薄いかもしれないね。
最近の抗精神病薬は副作用も少なくて効果が高いから、こういった昔の薬は忘れ去られるようになっているんだよ。
とはいえ、こういったマニアックな薬が「鍵と錠前」のようにバチっと特定の患者さんに効くことがあるから、それぞれの特性を知っておくことは臨床力の裾野を広げる意味でも大切だと思うよ。
これからもマニアックな精神医学ネタをジャカスカと紹介するぞ😆
↓これを被れば、防御力アップ?
【X(Twitter)】
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— 精神科医・鹿冶梟介(かやほうすけ) (@kayahosuke) March 22, 2022
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