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転職したら、急にポンコツになった気がする。前職の評価は、持ち越せない。

※この記事は2026年6月22日に加筆・更新しました。

転職して、最初の数週間。 簡単なタスクで、ミスを連発しました。

「あれ、僕ってこんなに仕事できなかったっけ……」

前の職場では、ちょっとしたトラブルを直すだけで「神!」なんて言われていたのに。 新しい場所では、ただの「最近入ってきた人」です。

この感覚とは、転職を5回くりかえす中で、何度も向き合ってきました。 そしてようやく、分かったことがあります。

実力が落ちたわけじゃない。評価は、前の"場所"に置いてきただけなんです。



転職した瞬間、僕の「すごい人」は消えた

「かずさんなら何とかしてくれる」
「さすが、頼りになります」

前の職場でそんな言葉をかけられるたび、心の中でガッツポーズをしていました。

システムの管理者として、ユーザーの「こんな機能がほしい」に応える。 夜に検証して、新しい仕組みをリリースする。

「めっちゃ便利になりました、ありがとうございます!」

その一言が、エネルギー源でした。 自分では大したことをしていなくても、周りが勝手に「すごい人」のイメージを育ててくれる。

こういうのを「錯覚資産」と呼ぶらしいです。 その資産が、毎日のモチベーションを支えてくれていました。

でも、転職した瞬間。 その魔法は、あっけなく解けました。

僕が過去に何を出してきたかなんて、新しい職場では誰も知りません。 「前の職場ではこうで……」なんて、口が裂けても言えない空気。

優秀な同僚と自分を比べては落ち込んで、焦るほど空回りして、またミスをする。 かつて僕を支えてくれた評価は、次の職場には持ち込めなかった。

すうっと引いていく、自信。 残ったのは、何も持っていない自分だけでした。


なぜ過去の評価に、こんなにすがってしまうのか

「前の職場では、もっと評価されていたのに」 そんなふうに、過去にすがりたくなる。

私たちはどうして、ここまで過去の評価を手放せないんでしょう。

僕の場合、根っこにあったのは「無能だと思われたくない」という恐怖でした。 これは、僕が抱えるアダルトチルドレンの気質とも関係している気がします。

子どもの頃、親の期待に応えることでしか、自分の価値を確かめられなかった。 だから大人になっても、「できる人でいないと、必要とされなくなる」と思い込んでいたんです。

知識をたくわえ、スキルを磨くことに必死だったのも、たぶんそのため。 評価は、自信のない自分を守ってくれる、ただひとつの盾でした。

その守りを、転職があっさり取り上げた。 だから、こんなに苦しかったんですね。

過去の評価に執着していたのは、ありのままの自分に、自信がなかったから。

気づいたときは苦しかったけれど、同時に、少しだけ呼吸が楽になりました。


持ち込めないものと、どこへでも持っていけるもの

その守りを失って、僕はやっと、丸裸の自分と向き合うことになりました。

怖かった。 でも、そこで初めて見えたものがあります。

「僕が本当にやりたいことって、なんだろう」

答えは、わりとシンプルでした。 人と深く話すこと。 自分の苦しい経験や、内省で見つけた気づきを、言葉にして、誰かの役に立てること。

このnoteを書き続けているのも、まさにそれです。

誰かの評価のためじゃない。 自分が「楽しい」「やりたい」と思えること。 それだけは、転職しても、環境が変わっても、誰にも奪えません。

影響力は、次の職場には持ち込めない。 でも、経験から得た学びと、自分の「好き」は、どこへでも連れていける。

持ち込めなかったのは"借りもの"で、ずっと持っていたのは"自分のもの"だったんです。


転職して、急にポンコツになった気がする。 前の職場の自分と今の自分を比べて、落ち込む。

そんなときは、失ったものを数えるより、今ここにある「好き」に目を向けてみる。

あなたが新しい場所で空回りしているのは、実力が落ちたからじゃありません。 ただ、評価を前の場所に置いてきただけ。

あなたはどうでしょう。 前の職場に、置いてきたものはありますか。 よかったら、聞かせてください。


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「もう、この職場ではやっていけないかも」。そう思った僕を、踏みとどまらせてくれたものについて書きました。

「すごい人」でいなきゃ、と力んでしまう人へ。評価の外側に、自分なりのペースで走るヒントを置いてきました。

こうした気づきを重ねた先で、しんどかった転職期に書きはじめた本を出版しました。


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