ピクサー買収からスター・ウォーズまで|ディズニーCEOボブ・アイガーの経営哲学
著者プロフィール: ロバート・アイガー Robert Iger
ウォルト・ディズニー・カンパニーCEO。1951年生まれ。1974年、ABCテレビ入社。スタジオ雑務の仕事から昇進を続け、41歳でABC社長に就任。ディズニーによるABC買収を経て、2000年にディズニー社長に就任。2005年よりCEO、2012年より会長。2020年2月、CEOを退任するが2022年11月に復帰。2019年タイム誌「世界で最も影響力のある100人」および「ビジネスパーソン・オブ・ザ・イヤー」に選出された。
今回の記事は、世界最大のエンターテインメント企業ウォルト・ディズニー・カンパニーの6代目CEOで、Disneyの復活劇の立役者になった、ロバート・アイガーの本です。
この記事では、本の要約をするのではなく、輪読会を行うにあたり、私が読んだ感想や本からの学び、一部引用を紹介するものです。輪読会用のメモなので、一般的な記事のようにきちんと整理されているわけではないのでご了承ください。
感想
人物像
必要とあらば、好き嫌い関係なく、実行できるちょっとメンタルがすごい人。
度胸と実行力がすごい。
やらなければならないことは本当にきちんとやり込む。
上司に仕える、チャンスが来るまで耐えて待つ、でも、必要な時にはちゃんと大胆に動くことができる。徳川家康を思い出させる。
計画と直感のバランスが良い、Twitter買収しなかったのは正解だと思うし、Pixar、マーベル、ルーカス・フィルムの買収は正解だと思う。
21世紀Foxは自分は判断できるだけの情報が今のところない。
幼少期の家庭環境のせいで、感情・精神がおかしくなったというのは実体験からわかる。
この人が物怖じしない・ストレス耐性が高いのは、そこに原因があるとしていた。
この人自身に好き嫌い・やりたくてたまらないことがあるとは感じなかった。
感覚的には、ABCもたまたま。ディズニーもたまたま。
大統領選出馬にも興味がある。
この人の精神的なコアはどこにあるのだろう?
その辺りはちょっと気味の悪さを感じる。
精神がなくて、必要事項をロボットのように実行していく印象を受ける。
破天荒な経営者たちに出てくるタイプのCEOかなと思った。
コミュニケーション
スティーブ・ジョブズの懐に入り込む。
ジョブズは彼のことを良いやつだと信用しているし、奥さん以外にガンの再発を伝えた初めての人物になった。
全体を通して、この人の敵になった人はほぼいない。
誠実さを大事にしているし、実直なコミュニケーションが良かったのだと思った。
DisneyのCEO就任後
Disneyの戦略を3つに絞る(取締役会を説得する意味が当初は大きかったが)
1. コンテンツの充実
2. テクノロジーへの投資
3. グローバル進出
ディズニーの核はアニメーションにあるとし、実際にそれを建て直したのが素晴らしい。
コンテンツ充実のための手段になったのは買収劇。
後にPixar陣がDisney本体のアニメーション復活に大きな成果をあげた。
Pixar買収。
前CEOマイケル・アイズナーと拗れていたスティーブ・ジョブズを味方に付けられたのが素晴らしい。
スティーブ・ジョブズがマーベルのアイクにも連絡を取り、お墨付きを与えてくれた。
テクノロジーも進んでおり、Disney本体のテクノロジーも引き上げることができた。
ルーカス・フィルムの買収
ジョージ・ルーカスが会社を売却する当日のことは心に響くものがある。
スター・ウォーズを手に入れるのは大きな成果だと思う。
Twitter買収(撤回)
最終的に買収しなかったのは正解だと思う。
Disneyのブランドイメージに対して、Twitterは良くないと直感的に感じていて、それに最後に従った。
21世紀Foxの買収。
最大の買収。
インドでの配信能力が高いらしい。
戦略の3つ目に当たる。
D2C
当時、DisneyがDisney Plusを始めた時は大きな話題になった。
Netflixよりも会員数が多い。
たくさんの映画制作会社を買収したこともあり、Disney Plusのコンテンツ力は素晴らしく、独占配信なので、多数の会員を獲得することができた。
Disney CEOに就任する時に立てた3つの戦略が、ここで最終的に統合され、大きな成果を挙げたと思う。
他の登場人物について
ジョン・ラセターは何があったのか。
この本でももちろん語られていないが、ジョンが引退したのはやはり一線を越えていたからなのか。
大学の時にジョン・ラセターが製作総指揮を務めた映画をたくさん観ていたので、引退は残念だなと思う。
ジョンの話については、ピクサーの本にもいろいろと書かれていたので、そちらでも感想を書ければと思う。
マイケル・アイズナー
アメリカにおいて、有名な経営者だったのか。
あまり知らなかったけど、在任21年のうち、最初の10年は確かにディズニーの有名作品が並んでいて、素晴らしいと思った。
全体を通して
アメリカのエンタメ業界についての理解が深まったと思う。
この人が未来を考えるために使っていたのはどんなものか。フレームワークなどはあるのか。
実際、ロバート・アイガーはアメリカでどれぐらい有名なのか。
68歳でまだ引退しておらず、その後引退し、再登板。後継者の育成が大きい課題だなと思った。
Disney復活の鍵となった3つの戦略は、Glaspにおいても全て共通していると思う。
特にコアとなるのはコンテンツ。
Content is kingと言われるように、良いコンテンツの元に人は集まる。
Glaspが作るコンテンツ・レコメンドするコンテンツも、良いものにしていかなければならないと思う。
また、コンテンツを磨くために、多くの企業を買収していった。
Glaspでも、Glasp TalkやGuest post seriesなど、有名・良いコンテンツを作る人を多く味方にしていかなければならないと思った。
テクノロジーへの投資は言わずもがな。
ただ、特にテクノロジーで作られるシステムへの投資はGlaspは多く、ここをさらにレバレッジしていければと思う。
引用
本物のリーダーシップとは、自分が何者かを知り、誰かのふりをしないことなのだ。
1.前向きであること 優れたリーダーに共通する大切な特徴のひとつは、前向きであること、つまり熱意を持って高い目標に取り組むことができるということだ。難しい選択を迫られた時や、理想的な結果が出ない時でも、前向きなリーダーはただ悲観ばかりに囚われることはない。
2.勇気を持つこと 勇気がなければリスクは取れない。変化と競争の激しい業界では、リスクテイクは必須であり、イノベーションは欠かせない。
3.集中すること 最も重要で価値の高い戦略や問題やプロジェクトに、時間と労力とリソースを注ぎ込むことは極めて大切だ。またその優先順位をはっきりと頻繁に周囲に伝えることが欠かせない。
4.決断すること どれほど難しい決断であっても、必要以上に遅らせてはいけない。リーダーは多様な意見を尊重しながらも、タイムリーに決断を下し実行する必要がある。
5.好奇心を持つこと 心の奥深くに強い好奇心があると、それが新しい人や場所や考え方との出会いにつながり、市場とその変化に対する気づきと理解をもたらしてくれる。イノベーションのきっかけは好奇心だ。
6.公平であること 強いリーダーは誰とでも公平に丁寧に接する。他者に共感できなければリーダーは務まらない。また、リーダーは近寄りやすい存在であることも大切だ。努力の甲斐なく失敗してしまった部下には 挽回 のチャンスを与えるべきだ。
7.思慮深いこと 優れたリーダーの特徴の中で、あまり評価されないのが思慮深さだ。思慮深さとは、知識を身につけるプロセスである。
8.自然体であること ありのままのあなたでいよう。正直でいよう。自分以外の誰かのふりをしてはいけない。敬意と信頼は、噓のないリーダーによって育まれる。
9.常に最高を追求すること 最高を追求するということは、どんな犠牲を払ってでも完璧を求めるのとは違う。凡庸なものを受け入れず、「ほどほど」で妥協しないということだ。
10.誠実であること 組織の中で、人やプロダクトに対して公平であり誠実であることは、何よりも大切だ。大きなことにも小さなことにも倫理的に高い基準を設けられるかどうかが、組織の成功を左右する。
ルーンの口癖は単純だった。「もっといいものを作るために必要なことをしろ」。ルーンから学んだ数多くの教訓の中でも、何より今の私を作ってくれたのはこの言葉だ。私はリーダーの大切な資質としていつも、「完璧への飽くなき追求」を挙げている。完璧の追求にもさまざまな意味があり、「これ」と特定するのは難しい。
その点で、トムとダンは理想の上司だった。二人は経験よりも能力を重んじ、本人ができると思える以上の力を求められる仕事を部下に与えた。経験が大切でないというわけではないが、二人は「才能に賭ける」とよく言っていた。馴染みのない領域であっても、才能ある人たちを成長できる立場に置けば、自然にうまくいくはずだと信じていたのだ。
創造のプロセスを管理するということは、それが科学ではないと理解することからはじまる。すべては主観であり、何が正しいかはわからない。何かを生み出すには大きな情熱が必要で、ほとんどのクリエイターは自分のビジョンや流儀が疑われれば、当然ながら傷つく。私は、制作側の人たちと関わる時にはこのことをいつも心に留めている。
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