「徹夜編集は美学か?幻想か?」
みなさん、こんにちは内藤です。
きょうはテレビ局の根強いイメージの
ひとつである徹夜について思った事を
書きたいと思います。
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私個人の話ですが、この仕事をやっていて11年間で何度か徹夜を経験したことはあります。
当時の徹夜の記憶は…
・夜中のカップ焼きそばは死ぬほどウマい
・レッドブル飲んでも効率は変わらない
・朝日が尊い
・漫画雑誌が発売日に最速で読めるの幸せ
こんな感じです。
よく文化祭の準備の様なイメージに例えられると思いますが、
ぶっちゃけそんな甘いもんじゃなく、
まずもって孤独なので、
無理矢理楽しみを作って乗り切っていた
記憶があります。
ですが当時は若かったということもあり、
辛かったという記憶はありません。
因みに今は全く徹夜はしていません。
怖くてできません。
私たちはなぜ徹夜しないといけないのでしょうか?
無論、締切があるからだと思います。
どんな仕事でも「納期」や「締切」はあると
思いますが、我々の業界ですと…
マスター納品や
プレビュー(映像チェック)があり、
その前のMA(音効)があり、
ナレーション原稿作成、
本編集があり、スーパー(字幕)の発注…
常になんかしらの「締切」に追われています。
慣れない頃は、
「最低限ここまでは終わらせなさい」という
壁をなかなか突破できず、他の人に迷惑ばかりかけていました。
終わらせられない理由は様々で、
「直前に取材して翌日に放送しないといけない」
「構成が立てられない」
「他の仕事と並行した為に進まなかった」
「使用したい映像が見つからず延々探していた」
「ダラダラしすぎた」
「野球中継見すぎた」
「飲みに行っちゃった」
こんな感じだったと思います。
こう見ると、ほとんどが自業自得ですね。l
「動画編集」は「時間」と「集中力」を要します。
ですので同じ作業をしたとしても、
数時間単位で個人差が出ます。
ここで厄介なのは、
怠慢でダラダラ作っても、
誰よりもこだわって作っても、
同じ様に「時間はかかる」ということです。
「だったら正解の型だけ覚えて最短最速で
やればいいじゃん」
という風に思われた方もいると思います。
確かに、ある一定のところまでは型でいけます。
この順番で組み立てれば成立するよね、
というものは、
1〜2年もすれば感覚的につかめます。
それさえつかめれば「徹夜」なんて不要です。
でもそれだと全く「面白くない」んですね。
実際に作ったものが面白いかどうかより先に、
やっていて面白くないんですね。
それだとAIでいいんです。
先輩から教わった誰でもできる、
代替可能な「型」をあえてやらない。
それでいて、映像を成立させる。
これを志した時に、
初めて選択肢として「徹夜」が出てきます。
なのでディレクターはいつも、
1:型通りにやって大量生産できるようなものを生み出すか
2:型を破って自分が思うものを生み出す挑戦をするか
この2択と戦っています。
「締切」が来るということは
無条件で「他人の意見が入る」ということです。
「もっとこうした方がいい」
「これは必要ない」
「そもそも何が伝えたいの?」
こんな意見が自分よりキャリアのある先輩から
降ってきます。
それが嫌だから、
若手時代は自分の手が届くうちに
「徹夜」という最終カードを切るんですね。
そして「間に合わないかも」という焦燥感、
孤独ゆえの責任感が、自分の脳を覚醒させるというのも事実です。
・無駄のない芯を食ったナレーション、
・表現にぴったりの映像素材との出会い
・クスッとくるスーパー(字幕)の文言
・しっくりくる映像素材の並び
これらが夜中にバチっとハマる瞬間が
あるんですね。
私はこれを「降ってくる」と勝手に呼んでます。
この瞬間に出会えた時に初めて「型」を
破ったのかなと思ってます。
ここまで読むと、まるで美学の様に見えてしまうかもしれませんが、
徹夜自体に魅力は全くなくて、
「誰かが止めても没頭してしまう状態」
になることが重要で、
その先に徹夜があるだけなのかなと思います。
何もわからず、時間と体力だけある若手時代に
数年間没頭すると得るものは多くて、
ある程度経験積んだ後は、
「昼間に全力で没頭する」
ことが重要なのかなと思っています。
まとめると、
時間を忘れて没頭できる事は、美学。
徹夜自体に酔っちゃってたら、幻想。
だと思います。
ちなみにテレビ局において、
「間に合わなかった」という理由で
放送されなかった経験はありません。
「すみません、頑張ったんですけど間に合いませんでした!
やっぱ放送なしでお願いします!!!」
これが通用したらどれほど救われたか…
もちろん通用しません。全てを失います。
それがわかっているので、どんなことがあっても、
不思議なくらいOAに間に合わせてくるのがディレクターです。
最後まで呼んでいただきありがとうございました。
今後もテレビ局のカメラの裏側や失敗談を
本音ベースで発信してきたいと思いますので、
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
