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演出ってなんだ?11年迷い続けて掴んだ”本質”


演出とは?

みなさんこんにちは内藤です。

今回は演出について考えたいと思います。

みなさんは演出とは何かと聞かれて、
どう答えますか?

テレビ業界で働いていると「演出」という言葉に
たびたび出会います。

私自身は「演出」に馴染みがなく、
聞き慣れてはいるものの、
正直よくわかっていなかったりします。

なので「演出」という意味合いを
11年間ずっと考えてきました。

今回はそんな自分なりの解釈を、
経験も踏まえてお伝えしようと思います。

これから映像制作をやってみたい人だったり、
そういった業界を目指す学生の方、
普段テレビを見て疑問に思っている方

の役に立てればいいなと思います。

テレビ業界に興味ある方はこちらの記事もぜひ
👇

演出(えんしゅつ)とは?
演出とは、作品や場面をより効果的に魅せるために、全体の構成・表現・タイミング・見せ方などを意図的に調整・工夫する行為、またはその役割を担うこと。
「作品の目的や意図に合わせて、照明・音響・カメラワーク・編集・演技指導などを用いて、より効果的に観客に伝えるための総合的な設計・指示」

ChatGPTに聞いたところ上記の様な答えでした。
ありがとうございます。

『海に眠るダイヤモンド』

「演出」という意味合いについて、
11年間ピンと来なかった私ですが、
ドラマや映画とかだとめちゃくちゃピンときます。

少し前に、『海に眠るダイヤモンド』という
ドラマのクライマックスで、
コスモス畑越しに軍艦島(端島)が見えてくる
という名シーンがありました。

私はその映像が大好きです。
至極のズームアウトだと思います。

他のシーンやセリフの記憶は薄れていくのですが、
半年経ってもあの場面だけはしっかりと
覚えているんですね。

それはなぜかというと、あの数秒の映像で、

『勝手に物語を想像して感情が溢れ出る』

という経験をしたからなんですね。

ドラマを知らない人から見れば間違いなく
「綺麗なお花と遠くに見える島」なんです。

でも私は確実に、
その映像に過去のストーリーを乗っけて、
主人公を想像して、
結果としてひとりガストで号泣していたんですね。

だから忘れないのだと思います。

それが「演出」のパワーだと言われると
ものすごく納得できます。

では、いま自分がやっている仕事はどうか?

「プロ野球の取材」
「スポーツ中継」、
「スポーツニュース」、
「ドキュメンタリー番組制作」 

だったりしますが、
正直「演出」というのを意識することは
実はあまりないです。

ただ、

「こうした方が面白そう」とか、
「こっちの方が伝わりやすい」とか、
「こっちの方が胸に刺さりそう」とか
そんなことは日々考えてます。

ChatGPTでいうところの、

①場面をより効果的に魅せるための、全体の構成・表現・タイミング・見せ方を
 工夫する役割を担う

②目的や意図に合わせて、照明・音響・カメラワーク・編集などを用いて、
 より効果的に観客に伝えるための総合的な設計・指示

ですね。

これは無意識にしていると思います。

それでも意識的に「演出」というのを
考えたことはないんです。

それは何でだろう?と考えてみた時に、

「演出」を履き違えると痛い目見るからかもな、

という結論になりました。
どういうことか説明します。

「無理。かわいそうじゃん。」

ひとつ例をあげます。

スポーツ選手の密着取材などでは、
「家族を撮るのがマスト」という不文律が
あります。

親、配偶者、兄弟、子どもなどですね。
取材をやったことがある人は必ず通る道だと
思います。

私もその一人です。

昔あるアスリートに、家族の取材を申し込み、
断られました。
オリンピックにも出たことのある、
有名なアスリートです。

なんでも撮っていいよと言ってくれていた
その方が、

即答で「無理」。

続け様に、

「(子どもが)かわいそうじゃん」

と私に言ったのです。

自分のプライベートを明かしたくないという
理由ではなく、
あくまで子どもの将来を考えて。

それまで、

「家族の映像がないと厳しい」と、
そう思い込んでいた私は、ハッとしました。

「家族って本当にマストなのか?」

「仮にゴリ押して家族が撮れたとして、
 その代償で相手の信頼を失った場合、
本当に良い番組になるのか?」

マストだったら、それでも食い下がって
交渉したはずです。
「よし!撮れた」という自己満ではないことを
説明したはずです。

しかし少なくともその時には、
「かわいそうじゃん」を覆すほどの理由を
述べることはできませんでした。

後頭部をガツンとやられた気分で、
しばらくそのアスリートの「かわいそうじゃん」という言葉がぐるぐる脳内を巡っていました。

この経験以降、
家族取材は「演出」に見せかけた「自己満」に
なりうるなと思うようになりました。

もちろん、全てがそうではありません。
伝えたいのが「家族愛」ならマストだし、

親の涙とか、奥さまの言葉とかが、
番組に深みを持たせることはあります。
実際、うちの母親はそういう番組で
号泣したりします。

誤解なきように書いておくと、
僕は決して「演出」を否定しているわけでは
ありません。
番組によっては、めちゃめちゃ大事です。

ただ、伝えたい本質が別のところにあるのなら、
それは決して「マスト」ではない。

ChatGPTでいうところの、

全体の構成・表現・タイミング・見せ方などを意図的に調整・工夫する行為

この意図的に調整・工夫するという部分が、

今の自分の仕事にとっては落とし穴に
なりうるなと、思ったのです。

これを撮らないといい番組にならない
という思い込み、
「演出」による過度なお願いが、
結果的に取材対象者の信頼を
大きく損ねる可能性がある

これは胸に刻んでる部分です。
思えば11年間、必死にこのバランスをとってきた
ようにも思います。

11年でたどり着いた演出の「答え」

「そんなこと言ったら、演出なんかできないじゃん。家族で深みを出したり、色々仕掛けたりしないと飽きられるよ。
ありきたりな番組にしかならないじゃん。」

そう思う方もいると思います。わかります。

ここからは私が番組作りにおいて
意識していることをお伝えします。

それが11年間考えて自分なりに出した、「演出」の答えです。

最初に『海に眠るダイヤモンド』の話をしました。
私にとって強烈に印象に残っているのは「コスモス畑と軍艦島のシーン」で、
それ以外はあまり覚えていないとも
お伝えしました。

なので、

勝手に物語を想像して感情が溢れ出る』

そんなシーンを1つで良いので、作ること。

それを「演出」と勝手にとらえて、
取材・編集を行なっています。

例えばTNCの公式YouTube、
「ももスポチャンネル」で64万回再生された

『不器用な監督 工藤公康の7年』という
番組では、冒頭の「暖炉」のシーンに、
数時間こだわって作りました。
開始数秒が全てだと思っていたからです。

制作秘話はこちら👇


福岡ソフトバンクホークス元監督の工藤公康さんが火を眺めて、ポツリと語る。

それだけで7年間の監督生活で、
大変な苦労をされて、
重圧かららようやく解放されたんだということが感覚的に理解できる。

少なくとも現場でそう感じたので、

「このシーンだけで全てが伝わる」
「あそこだけは覚えている」

となるように、炎の燃えるカットや工藤公康さんの表情、言葉の選別にとことんこだわりました。

過去の実績とか、貴重な言葉とか、
自宅での取材とか、伝えたいところは
いっぱいあるのですが、

「全ての映像が人々に記憶されることはない」

というのも現実です。

なのであの暖炉のシーンを見た人が
一撃で、末長く、印象に残る様に、

勝手に物語を想像して感情が溢れ出る』

くらいに全力を注ぐこと。
これが大事なのかなと思っています。

自分でも何を言ってるかわからなくなって
きましたのでこの辺で。



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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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