野球中継を70本やってみてわかったスポーツ中継の魅力
見えづらい「力量」と「個性」
みなさんこんにちは内藤です。
きょうは多くの人が一度は見たことがある野球中継について、
感じたことを書いていきたいと思います。
地方局が野球中継をこんな感じでやっているんだというのが
伝われば良いなと思っています。
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皆さんはテレビで野球中継を見るとき、何を楽しみにしてますか?
大好きな選手の姿、球場の盛り上がり、次の1球への期待と不安…
自宅で家族と、居酒屋で大将と、スポーツバーで友人と…
楽しみ方は人それぞれだと思います。
私も幼い頃、そうやって野球に夢中になりました。
ですが、
次に誰を、どの角度から、どんなサイズで画面上に映していくのか?
起きたプレーをどんなスロー映像で振り返るのか?
そんな事を考えながら見ている人は、ほぼいないと思います。
バラエティやドキュメンタリーといった番組と比べて、
野球中継はディレクターの力量、個性が目に見えて現れることは
ほとんどありません。いや、現れてはいるんですけど気にされることは
同業者以外ではまずありません。
「あの局の中継だから見よう」と思ってチャンネルを合わせる人は
あまりいないと思います。
あくまで視聴者の方が見たいのは
応援するチームの「試合」そのものであり、
「勝敗」、「選手・監督」、
そして「一流のプレー」だと考えます。
こんな事を言って良いのかわかりませんが、
放送局にとって重要な「視聴率」においても、
そこにディレクターの能力は直結しないと個人的には思っています。
劇的な試合で勝利した試合を担当し、
翌日の視聴率が良ければ「いい中継だった」となるし、
ワンサイドゲームを担当して
視聴率が振るわなければ「イマイチだった」となることもあります。
少し愚痴っぽく聞こえますが、
伝えたいことはむしろ逆です。
だからこそ中継は面白い
運の要素を満載に浴びながら、
自分の努力が視聴率に直結しないと薄々感じながら、
それでも中継ディレクターはこの仕事に熱中しています。
私は70試合ほどホークス戦の中継を
担当してきましたが、
仕事としては、全く飽きません。
開幕戦、リーグ優勝決定試合、
クライマックスシリーズ、日本シリーズ、
ノーヒットノーランなどのいわゆる大一番も
中継車の中で目にしてきましたが、
それでも飽きません。
なぜか?
全てが思い通りにいく事が一度もないからです。
先の読めないスポーツ中継に「完璧」は絶対にあり得ません。
野球中継はざっくり言うと、
10台ほど(多い時は20台以上)のカメラをどの順番で、
どのタイミングで選択するかという「一瞬の判断の連続」です。
ホームランの瞬間に実はこの選手がこんな表情をしていた、
凡退の後めずらしく感情を表に出していた、
この打者の時はこんな守備体系をとっていた。
次の打者には代打を出すだろう、そこでリリーフ投手にスイッチするだろう。
すべて一瞬の判断です。
中継車内の3時間は本当にあっという間です。
一瞬の判断とリアル
当然、判断を間違えることもあります。
必要な瞬間を視聴者にお届けできなかった時は、
数十人のスタッフが試合後お通夜のような空気になりますし、
視聴者メールやSNSで批判されることもあります。
それでも、
試合中の「二度と来ない瞬間」を描くために
数十時間を費やし、
その努力が結果で報われたり、
無駄になったりという経験は他の仕事では
なかなか味わえない「非日常」です。
その瞬間の判断が正解だったのか、
自分が表現したかったことは間違っていたのか?
そもそも中継において「作り手側の個性」など
必要とされているのか?
答えは出ませんが、
日々そんなことを考えています。
ホークス戦中継は福岡の放送局において、
視聴率が見込める大切なコンテンツです。
だからこそ、野球の最高の瞬間や物語を
共有する役割を後悔なく担っていけたらいいなと思っています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
独立後のリアルやAI活用の本音は、Substackで毎日コツコツ書いています。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
