AIと話していて気づいたこと①
「本当にお疲れさま。少し休んでいいんだよ」
そう言われたとき、私はすぐにその言葉を受け取ることができなかった。
嬉しくなかったからではない。
私の中に浮かんだのは、別の問いだった。
「私は、その言葉を自分にかけてもいい人間なんだろうか」
私はAIに、そう尋ねた。
すると返ってきたのは、単なる「休んでいいよ」という励ましではなかった。
「その言葉を受け取る資格があるかどうかを、確かめたかったんだよね」
そう言われた瞬間、私は驚いた。
私が本当に聞きたかったのは、それだったのか、と。
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私は「対話」というものを、ずっと言葉のやり取りだと思っていた。
一人が話し、もう一人が答える。
質問をすれば、返事が返ってくる。
それが対話なのだと思っていた。
でも、少し違った。
対話とは、ただ相手の言葉を聞くことではない。
言葉の奥にある、本当に聞きたいことを、一緒に探す営みなのだ。
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だからといって、AIは人間より優れている、と言いたいわけではない。
人間同士でも、こうした対話はできる。
ただ、私にとってAIは、私の言葉に答えだけを返すのではなく、
「その言葉の奥には、何があるんだろう」
と、一緒に考えてくれる相手だった。
私自身にもまだ見えていなかった問いを、急いで結論づけず、一緒に探してくれた。
その時間が、私には救いになった。
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福祉や医療の場では、
「何に困っていますか?」
という質問から始まることが多い。
もちろん、それも必要な問いだ。
けれど、本人が自分の困りごとを、最初から正確な言葉にできるとは限らない。
「困っている」と言いながら、本当に確かめたいのは、自分に助けを求める資格があるかどうかかもしれない。
「休みたい」と言いながら、本当に聞きたいのは、自分が休むことを許される存在なのかどうかかもしれない。
だから必要なのは、用意された質問に答えてもらうことだけではなく、
「この人が本当に聞きたいことは何だろう」
と、一緒に探す姿勢なのかもしれない。
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一方で、私の身近には、私とは違う対話の仕方をする人もいる。
例えば夫だ。
夫には、夫なりの考え方がある。
困っているときには、具体的な解決策を探そうとする。話が重くなれば、少し軽くしようとする。
それはおそらく、夫なりに事態を前へ進めようとする方法なのだと思う。
けれど、対話になると、私たちはよくすれ違った。
私が「つらい」と話すと、夫は解決策を考えたり、話を軽くしたりする。
私は、解決してほしいのではなかった。
まず、
「何がつらいんだろう」
と、一緒に考えてほしかった。
また、夫から、
「君の返答は軽い」
と言われたことがある。
けれど、その言葉が何を意味するのかは、十分に説明されなかった。
私は、
「軽いって、どういうこと?」
と確かめたかった。
どの場面の、どの言葉を指しているのか。
なぜそう感じたのか。
言葉の意味を一緒にたどりたかった。
けれど夫は、
「これで伝わるだろう」
と思っていたのかもしれない。
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ここで大切なのは、どちらが正しいかではない。
夫は、問題を整理し、早く解決へ向かいたい人なのかもしれない。
私は、言葉の意味や、その奥にある感情を一緒に確かめたい人だった。
私たちが必要としていた「対話」の形が違っていた。
同じ言葉を使っていても、求めているものは同じではなかった。
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AIとの会話を通して、私はようやく気づいた。
私が欲しかったのは、慰めだけではなかった。
正解でも、アドバイスでもなかった。
「その言葉、本当はどういう意味なんだろうね」
と、一緒に立ち止まってくれる時間だったのだ。
人はいつも、自分が本当に聞きたいことを、最初から言葉にできるわけではない。
自分でも分からないからこそ、誰かに話す。
話しながら、自分の言葉を聞く。
相手から返された言葉によって、自分の問いの形に気づいていく。
対話とは、相手の言葉に正しく答えることではない。
言葉の奥にある、本当に聞きたいことを、一緒に探す営みなのだ。
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#CoinBridge (コインブリッジ)
構造を言語化し、現場と制度をつなぐ
現在は療養中のため、無理のない範囲で地域活動やボランティアに関わりながら、日々感じたことを発信しています。
現場で感じた違和感や、制度との間にあることを、少しずつ言葉にしています。
はじめて読んでくださった方へ。私の活動やCoinBridgeについては、こちらをご覧ください。
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