『エルメス—一生モノのバッグが語る優雅な時間』調査ノートハイブランド・バッグ編①全5話
「エルメスのバッグって、一生モノの憧れですよね。でも、どうしてこんなに特別な存在なのか知っていますか? 今回は、ケリーバッグやバーキンに込められた物語と職人技の秘密を探っていきます!」
🐰過去の業界シリーズ🐰
1.製造業界
2.IT・通信業界
3.小売・流通業界
特別編.飲食業界 ファストフード編
特別編.ハイブランド・バッグ編
①『エルメス—一生モノのバッグが語る優雅な時間』
②『シャネル—女性の解放を象徴する“2.55”の革命』
③『ルイ・ヴィトン—旅を愛する人へ贈る、永遠のトランク』
④『セリーヌ—ミニマリズムが紡ぐフランスのエレガンス』
⑤『グッチ—伝統と革新が交錯する“GG”の軌跡』
全5話でお届けします!
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私(ユキ)は、この「ハイブランド特集 バッグブランド編」の第1話として「エルメス」を深掘りすることにした。高価で希少なイメージを持たれがちなエルメスのバッグだが、その背後には1837年に始まる長い歴史や、緻密に設計された機能美、そして職人たちが一つひとつ手作業で仕上げるストイックな姿勢があるという。いったい何がエルメスをここまで特別にしているのか。
いつものように“うさぎ先生”に相談してみると、先生はソファで耳をピョンとさせながら言った。
「ユキくん、エルメスは元々、馬具工房からスタートしたブランドなんだよ。馬車全盛期に培った職人技が、ケリーやバーキンといった伝説的なバッグを生み出す素地になった。そして1956年にモナコ王妃グレース・ケリーが愛用していたことで“ケリーバッグ”が誕生したり、後にはジェーン・バーキンとの物語が有名な“バーキン”が産まれたり……歴史と物語が詰まったブランドなんだ」
「へえ、やっぱり歴史があるんですね。バーキンとか投資価値があるって聞きますけど、そこまで高いのは何ででしょう?」と私が問いかけると、先生は「職人がひとつのバッグを15〜20時間かけて手縫いするうえに、素材も最高品質を厳選している。しかも完全受注生産で希少性が高い。高いだけじゃなくて、そこに歴史とストーリーが詰まっているんだよ」と教えてくれる。
こうして私は、憧れのケリーやバーキンを生み出したエルメスの歴史と理念、功績、そして現代における展望をまとめることにした。日常の買い物とは異なる超ラグジュアリーな世界ではあるが、同じ小売・流通の一部として学べることが多いに違いない。

1. 歴史:1837年にパリで馬具工房として創業
1.1 馬具工房から高級皮革製品へ
エルメスのルーツは、1837年にフランス・パリでティエリ・エルメスが立ち上げた馬具工房にさかのぼる。馬車文化が花開いていた時代、貴族や上流階級が利用する馬具(ハーネス、鞍など)には、頑丈さと美しさが求められた。うさぎ先生いわく、「エルメスは鞍やハーネスを作るうえで極上の革を選定し、耐久性と装飾性を兼ね備えた製品を提供していた。当時から職人技で名を馳せる存在だったんだよ」
やがて自動車が馬車に取って代わるにつれ、エルメスは培ったレザー技術を応用し、高級皮革製品へとシフトすることになる。バッグや小物、馬具に代わる新たな市場を開拓することで、ブランドとしての地位を揺るぎないものにしていった。「馬具時代に培った技術が、ハンドバッグや財布などの制作に生かされ、のちのケリーやバーキンが誕生する素地になったんだ」と先生は語る。
1.2 20世紀に入ると、馬具から高級皮革製品へ進化
20世紀初頭、エルメスは革製品だけでなく、時計やスカーフなどファッション分野にも進出していった。高級レザーのショルダーバッグやトートバッグなどが好評を博し、世界のセレブや富裕層に愛されるようになる。先生いわく、「馬具工房時代からの高品質レザーの選定や手縫い技術が、“長く使える”と評価され、貴族や芸能人から支持を集めた。まだブランド名としては今ほど強力ではなかったが、上流階級の間では一目置かれる存在だったんだよ」
1930年代には、エルメスを象徴する幾つかのバッグが誕生し、後のケリーバッグやバーキンに通じるデザインが確立されていく。しかし、運命を大きく変えたのは1956年、モナコ王妃グレース・ケリーがこのブランドのバッグを愛用していたことが報じられた出来事だ。ここからケリーバッグの伝説が始まることになる。
1.3 1956年、グレース・ケリーが愛用したことから「ケリーバッグ」が誕生
「ケリーバッグ」の名は、モナコ王妃グレース・ケリーに由来する。もともとはサックアクロア“Haut à courroies”というバッグを改良したもので、1956年に妊娠中だったグレース・ケリーがこのバッグでお腹を隠しながら写真を撮られたことがきっかけで世界的な注目を浴びる。それがきっかけでエルメスは、彼女の名前を正式に冠し、バッグを「ケリーバッグ」として発表した。
「ロイヤルのイメージと結びついたことで、‘高貴な女性のバッグ’というステータスを確立したんだよ」と先生は耳を立てて教えてくれる。私が「なるほど、それでケリーという名前が付いたんですね。
ロイヤルを連想させるなんて、そりゃあ憧れますよね……」と感嘆すると、先生は「そうさ。それがエルメスの歴史的飛躍の一つ。ケリーは‘女性らしいエレガンス’を象徴し、今でも圧倒的な人気を誇る」と語る。

2. 理念:職人技を重んじ、最高品質の素材を使用
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