小林十之助のどこが偉いか② 夏目漱石論2.0
作品の読み間違いに関していくつも指摘しているから偉い
これはもう何度も指摘しているのでずらずらっとやりますよ。
・『虞美人草』の藤尾が自殺していないことを論理的に説明しているから偉い。
・『野分』の色を隠す遊びに気が付いているから偉い
・『二百十日』のカメラのスイッチに気が付いているから偉い
・ついでに『二百十日』が二百十一日だと指摘しているから偉い。
・『坑夫』が回想の形式であることを柄谷行人が理解していないことを指摘しているのが偉い
……これまで柄谷行人の漱石論についてそこが違うここが違うとあれこれ指摘してきた。例えば先生の部屋が二階かどうか何んてことは「根本的な読み誤り」とまでは言えないかもしれないが、これで柄谷に基本的な国語能力が欠けていることが証明できたんじゃないかと思う。
そういう意味で画期的な指摘じゃない。たとえ私が死んでも、誰か言い続けてね。
・『三四郎』には分からないことがいくつもあることを指摘したのが偉い
……学部生の皆さんはここから適当なテーマをつまんで論文が書けるんじゃない。それこそ「から方言」だけ精緻に調べ上げてもいいかと。
・『三四郎』では徹底して色を隠すのに対して、『それから』では代助が眼球から色彩を出す批評家になっているのを指摘したのが偉い
・『門』の参禅ではお米と小六の関係を指摘したのが偉い
・『彼岸過迄』ではいろいろと注解に文句を言っているから偉い
・『行人』のあらすじを説明したのが偉い
・『道草』ではパズルを解いたから偉い
・『こころ』に関してはいろいろと偉い。特に「私」の立ち位置を見極めたのが偉い
・『明暗』に関しては、岩波の注解の誤りを指摘しているから偉いけれどそれはたいしたことない
ただし今後『明暗』を読んでいくにあたって、肝心な前振りを見つけた。これはえらい。この「三四日」の出来事が何なのか。これが読解のカギとなろう。
[余談]
どうでもいいけどさ、君ら本当にお金がないのか。

これどういうことや?
殺す気か?
