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同じシーン、自分の言葉で表すなら大会

落ちたメモ帳を他の人が拾って手渡す。ほんの短いワンシーンだ。

漫画で描かれたそれを、小説ではどのように書いたら良いか。という記事をとく とくこさんがあげていた。

それに応えてただのはるさんしーなさん喜木凛さんようさんが実際に小説でワンシーンを書いているのを見かけた。

とくこさんは小説を書いているはずなのに、漫画のコマ割りでシーンが浮かんでくるというのが興味深い。面白そうだと思ったので、私も飛び入り参加させてもらうことにした。

私にも小説を書きたい気持ちはいつだってあるのだ。残念ながらネタが降ってこないだけで。

元のシーンは下記の通り。

沙絵(主人公)の大事なメモ帳を、遠藤(いつも笑顔の男)が拾って渡す場面。遠藤は、このメモ帳、なんかあるなって思ってるけど何も言わない。

「微妙な空気どう書くの?【マンガと小説の違い】」より



落とした。
そのことに気付いた瞬間、首の裏に冷たいものが走った。
確かめるようにポケットをまさぐる。
ない。本当に、ない。
頭では分かっているはずなのに、私の指先はなおも未練がましく事実をいじりまわしている。

あわてて振り向いて、来た道を戻ろうとした。
すると見知った顔がこちらを目指して歩いてくることに気付く。
彼――遠藤は、今日も穏やかな笑顔をたたえている。
私の胸中とまるでうらはら。
ひとまず会釈だけして、その脇を抜けようとする。
彼は黙って片手を差し出してきた。

手の中にあるのは私が落としたメモ帳だった。
私は慌ててそれを受け取る。
うっかり互いの指と指が触れたことに何かを想う暇なんてなかった。
確かめるように表紙を見つめる。
この角の汚れはまちがいない、私の宝物だ。

視界の端で、変わらず弧を描いている遠藤の口元が見えた。
それは固く閉じたまま、何を問うことしもない。
中、見られた?
いやそんな時間はなかったはずだけど。
何か気付いてる?
分からない。彼の表情からは何も読めない。
互いに沈黙している時間が、授業中の何倍も重くのしかかる。

とにかく拾って貰ったことは事実だ。
お礼を伝えようと決意して、やっと息を吸い込むタイミングを見つけた。


私の場合はこんな感じになる。
互いが沈黙して向かい合っているシーンは、一人称ということなので、主人公の心情描写で乗り切って貰うパターンにした。「沈黙」という単語自体を出しちゃうのはズルいかなってちょっと迷ったけども。

これは書くのももちろん、いろんな人が書いたパターンを読み比べるのがすごく楽しい。とくこさん、シーンを使わせていただきありがとうございました!

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