やる気は「上げる」ものではなく、育つもの|管理職研修で見えた、組織の本質
「どうすれば、部下のやる気を上げられますか?」
先日の若手社員研修で、
ある上司の方からご質問をいただきました。
会場は、うなずきの嵐。
この質問は、
管理職研修や人材育成の現場で、
最も多いご相談です。
ですが、30年の研修現場で見えてきたのは、
やる気は「上げる」ものではなく、
"育つもの"だということでした。
そこで私は、こんな問いを投げかけました。
「皆さんは、“やる気が出ない日”ってありませんか?」
会場に、
少し笑いが起こりました。
もちろん、
誰にでもモチベーションが上がらない日ってありますよね。
そして、その背景には、必ず理由があるのです。
やる気が出ないとき、必ず理由がある
モチベーションが下がるとき、
そこには必ず背景があります。
たとえば――
・この仕事が誰の役に立っているのか見えない
・どこまでやれば評価されるのかわからない
・頑張っても気づいてもらえない
この状態では、脳は自然に防御モードになります。
「どうせやっても…」
そう感じた瞬間、
エネルギーは静かに止まります。
これは、メンタルヘルスやラインケア研修でも、よく見られる状態です。
やる気を育てる3つの土壌|「意味・承認・成長実感」
逆に、こんな状態ではどうでしょう。
・自分の仕事の意味がわかる
・小さな成長を認めてもらえる
・上司がきちんと話を聴いてくれる
このような環境では、
人は自然に動き出します。
実は、私たちの"やる気"は、
次の3つの循環から生まれているのです。
──────────────────
① 意味
-この仕事は、誰の役に立っているのか
② 承認
-自分の存在や努力が、見てもらえているか
③ 成長実感
-少しずつ、できることが増えているか
──────────────────
この3つは、
いわば やる気の"土壌"です。
水や肥料(=やる気を上げる施策)を与えても、
土壌が痩せていれば、 植物が育たないのと同じ。
「やる気を上げる」前に、
「やる気が育つ土壌」が整っているか。
これは、心理的安全性の高い職場づくりに共通する特徴です。
管理職ができる、小さな声かけ
「もっと頑張れ」よりも、
・「この仕事の価値は、ここにあるよね」
・「前より、ここが良くなったね」
・「今、どんなことに迷っている?」
そんな一言が、
やる気の土壌をつくります。
モチベーション研修は、
気合いを入れる場ではなく、
・仕事の意味を言語化する力
・承認の循環をつくるコミュニケーション
を育てる場なのです。
離職率が低い組織が、共通してやっていること
30年の研修現場で見えてきたのは、
業績を伸ばし続け、離職率が低い組織には、
共通する3つの特徴があるということでした。
──────────────────
✔ 上司が仕事の価値を語れる
✔ 小さな成長を認める文化がある
✔ 話を聴く1on1が、習慣になっている
──────────────────
そんな組織ほど、
離職率が低く、チームの信頼が高いということです。
どれも特別な制度ではありません。
ただ、『人は土壌から育つ』という前提が、
組織の根っこに根づいているのです。
やる気を上げようとするより、
やる気が自然に育つ土壌をつくること。
それが、持続する組織づくりの本質です。
今日の小さな習慣
今日、誰かに一言だけ。
「前より、ここが良くなったね」
その一言が、
誰かの明日の力になるかもしれません。
必要なときに、
この言葉を思い出していただけたら、それで十分です。
◆経営層・人事責任者の方へ
「モチベーション施策を打っても、現場が変わらない」
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今日のひとこと
やる気を上げようとするより、
やる気が自然に育つ土壌をつくること。
もし、読んでいて
「少し立ち止まりたいな」と感じるところがあったら。
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Profile
桐生 純子|コミュニケーショントレーナー
管理職・リーダー層の対話や関わり方をテーマに、
企業研修・講演を行っています。
現在は、
ひとりで抱え込まずに
自分の感覚に戻っていくための
個人向けコーチングにも力を入れています。

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