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フランスの買春処罰の廃止を国民連合と共和党の議員が提案

フランスが2016年に買春を犯罪化した北欧モデルを導入した法律に関して、国民連合と共和党の議員が、北欧モデルを廃止する法案を提案していることが、アメリカのリバタリアン誌の『Reason』のサイトに掲載されています。その記事の紹介と補足です。

「フランス極右政治家、セックスワーカーの共同での売春宿の再開を提案」 エリザベス・ノーラン・ブラウン | 2025年12月10日

国民連合のジャン=フィリップ・タンギーは、フランスが導入したスウェーデンモデルの買春を犯罪化する仕組みが機能していないと言っています。

フランスのル・モンド紙は、フランスの極右政党である国民連合が合法的な売春宿を復活させる法案を準備していると報じました。タンギー議員は、売春宿はセックスワーカーが共同で運営するものと考えているようです。

このことに関して、マリーヌ・ルペンも支持しています。

タンギー議員は、ル・モンド紙にセックスワーカーを支援する団体と活動して、自らがセックスワーカーであることに誇りを持つ女性に出会って、彼女たちが過酷な生活を送っていることで、関心を持ったと言っています。

スウェーデンモデルがセックスワーカーの安全を脅かして、性産業全体を地下化させている問題があって、国連人権理事会の作業部会が成人間のセックスワークの非犯罪化を各国に勧告して、この非犯罪化モデルが国際人権の標準になりました。

タンギー議員が言っていることは、合法的な売春宿の復活の「合法化モデル」という国家による管理売春の問題を含みながら、セックスワーカーが共同で運営するものであるとも言っていて、合法化モデルの中での自由度を広げるものとも捉えられます。

タンギー議員は、北欧モデルの買春処罰を「ブルジョワ的偽善の極み」と言っています。

フランスでは、合法的な売春宿の制度は1946年に廃止されています。売春自体は形式上は合法のままでしたが、関連する行為の多くが犯罪化されてきました。

この売春宿廃止の件に関して、フランス放送局BFMの報道では、マルト・リシャールという元スパイの性労働者で、法律の名前の由来にもなった人物は後に後悔して、売春は根絶することができずに、売春宿のことを「より小さな悪」であると述べていました。

国民連合という極右政党がセックスワーカーの権利を言っていることに、性労働者の権利擁護団体が、移民を大幅に削減しようとする国民連合と連携はできないと言っています。

昨年の2024年に、セックスワーカーの権利保護法案を提出した国民議会の共和党議員のフィリップ・ジュヴァンは、ル・モンド紙に、北欧モデルの買春処罰で、セックスワーカーの安全も損なわれて、社会的偏見が強化されたと言っています。

ジュヴァンは、2022年に欧州で初めて成人間のセックスワークの非犯罪化を実現して、2024年にさらにセックスワーカーの権利を向上させた新法を作ったベルギーを模範となるべき良い事例としてあげました。

この共和党の議員は、現在のセックスワークの非犯罪化の最新事例であるベルギーを模範とすると言っていて、国連の女性差別作業部会が各国に勧告した国際人権の潮流にも合っています。

2016年の買春処罰法は、フランス社会党内部の議員グループが法案を提出して全体では少数の賛成者に、多くの欠席者を出して、合意の上で成立した法律ではありませんでした。

フランス国民議会の定数の577名うちで、賛成が64、反対が12、棄権が11で合計が87。577 − 87 = 490名が欠席という投票不参加でした。

極右政党の国民連合に、中道右派の共和党の議員による行動は、二大政党としての一角であった時代から大きく衰退したフランス社会党というフランスのリベラルが性道徳重視の厳格派になってしまったことを修正できずに、国際人権の強い潮流になっている成人間のセックスワークの非犯罪化を理解できないことの失敗が出ています。

中道右派の共和党の議員から、セックスワークの非犯罪化の路線の法案が提出されて、逆にリベラルとされている社会党が国際人権の潮流に反対するセックスワークを認めない姿勢であるのは、その国のリベラル勢力が国際人権の潮流に対応できなくても、国際人権の潮流に合致する意見が出てくることをあらわしています。

極右政党の国民連合の動きは、フランス社会党が現在の国際人権の強い潮流である非犯罪化に対応できないことで、その間隙を突いている現象と捉えることもできます。


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