褒められても自信にならない人へ|感情ではなく「できた事実」を残す小さな記録
「助かったよ」
「この資料、分かりやすかった」
「いつも丁寧ですね」
周囲からそんな言葉をもらっても、
「いやいや、たまたまです」
「自分なんて大したことしていません」
と、すぐに打ち消してしまうことはないでしょうか。
褒められても自信がない。
誰かから評価されても、「本当の自分はそんなにできる人間ではない」と感じてしまう。
40〜50代で会社員を続けていると、仕事では「できて当然」と扱われることも増えます。
自分自身も、
「これくらい普通」
「もっとできる人はいくらでもいる」
と考えて、これまでやってきたことを小さく扱ってしまうことがあります。
この記事では、無理に「自信を持ちましょう」とは言いません。
褒め言葉をそのまま信じる必要もありません。
代わりに残していくのは、感情ではなく確認できる事実です。
今回使うのは、次の3つだけです。
やったこと
続けたこと
助かった・ありがとうと言われたこと
紙でも、スマートフォンのメモでも構いません。
「自分には何があるんだろう」と分からなくなった日に見返せる、小さな記録を作っていきます。
第1章 褒められた直後に「いやいや」と打ち消してしまう
「助かったよ」「この資料、分かりやすかった」。
そう言われても、反射的に、
「いやいや、たまたまです」
と返してしまうことはないでしょうか。
40〜50代になると、長く続けてきた仕事ほど、自分にとっては当たり前になっていることがあります。
資料を整える。
質問されたことを説明する。
トラブルが起きる前に確認する。
後輩をフォローする。
自分では「普通にやっただけ」と思っていても、相手から見れば助かった行動だった、ということもあります。
だからといって、
「褒められたのだから、自分はすごいと思わなければ」
と考える必要はありません。
まずは、褒め言葉を信じるかどうかではなく、その前に自分が何をしたのかだけ残してみます。
最近褒められた場面を1つ思い出す
褒められた、または感謝された場面を1つ思い出す
相手の言葉を覚えている範囲で書く
その前に自分がした行動を書く
例えば、
言われたこと
「上司から『助かった』と言われた」
自分がしたこと
「会議前に資料を整理して共有した」
副業なら、
言われたこと
「記事が分かりやすいと言われた」
自分がしたこと
「見出しを整理して公開した」
という形で十分です。
褒められた場面が思いつかなければ、「ありがとう」と言われた場面でも構いません。
ここで集めたいのは評価ではなく、まずできた事実です。
第2章 「自信を持とう」より、事実を残す
「もっと自信を持ったほうがいい」
と言われても、自分の気持ちは簡単には切り替わらないことがあります。
仕事で失敗した日。
SNSで誰かの成果を見た日。
疲れて何も進まなかった日。
同じ自分でも、その日の状況によって自己評価は揺れます。
一方で、
「今日、資料を提出した」
「今週、2回noteを書いた」
という事実なら記録できます。
そこで、スマートフォンのメモに次の3項目を作ってみてください。
事実記録の3項目
1.やったこと
2.続けたこと
3.助かった・ありがとうと言われたこと
例えば、
会議資料を期限までに提出した
今週も副業の記事を書いた
同僚から「確認してくれて助かった」と言われた
この程度で十分です。
「こんなの誰でもできる」
「もっとできたはず」
という評価は、いったん加えません。
書けない項目があれば空欄でも構いません。
ここで残すのは、
「自分はすごい」
という感想ではなく、
「実際に何をしたのか」
です。
もし他人と比較したあとに、頭の中が「自分は遅れている」「もっとやらなければ」でいっぱいになった場合は、こちらの3列メモも使えます。
▶ 副業を始めたいのに、比較ばかりして動けない|今日やる一つを決める「3列メモ」
ここから、3つの記録を一つずつ作っていきます。
第3章 記録1:やったこと
最初は、もっとも確認しやすい**「やったこと」**です。
一日を振り返ったとき、
「今日も大したことができなかった」
と感じることがあります。
特に本業、家庭、副業を並行していると、
「記事を完成できなかった」
「勉強できなかった」
「予定していたところまで進まなかった」
と、終わらなかったことばかり目につく日もあります。
そこで見るのは、できなかったことではなく、実際に終えた行動です。
今日やったことを3つ書く
朝から今日一日を順番に思い出す
終えたことを1つ探す
仕事・家庭・副業を含めて3つまで書く
「すごい・すごくない」は判断しない
例えば、
依頼された資料を提出した
後回しにしていたメールを1通返信した
副業noteの見出しを3つ考えた
これで十分です。
3つ出なければ、1つでも構いません。
「パソコンを開いた」
「資料を読み直した」
「下書きを5分だけ修正した」
という小さな完了でも残せます。
大切なのは、自信があるかどうかではなく、今日やったことを自分で消してしまわないことです。
第4章 記録2:続けたこと
次に残したいのが、続けたことです。
ただし、ここでいう「続けた」は、
「毎日欠かさず3か月続けた」
というような立派な記録だけではありません。
40〜50代で会社員をしていれば、本業が忙しい週もあります。
家庭の予定が重なることもあります。
副業や勉強を数日できないこともあるでしょう。
それでも、
数日後にまたnoteを書いた。
資格の勉強へ戻った。
途中だった資料を再び開いた。
そうした**「止まっても、また戻った」こと**も記録します。
続けたことを2つ書く
この1週間〜1か月を振り返る
2回以上取り組んだことを探す
途中で空いた期間があっても除外しない
分かれば「何回やったか」も書く
例えば、
今月、noteの記事作りに3回戻った
忙しい週でも、副業の情報収集を2回した
という形です。
「毎日できなかったから継続ではない」
と決めなくても構いません。
また戻ってきたことも、一つの事実です。
第5章 記録3:助かったと言われたこと
3つ目は、誰かから**「助かった」「ありがとう」と言われたこと**です。
こうした言葉を受け取ったときも、
「それくらい普通」
「大したことはしていない」
と思うことがあります。
ここでも、
「相手が褒めたのだから、自分には価値がある」
と大きな結論へつなげる必要はありません。
残すのは、次の3つだけです。
場面
自分の行動
言われた言葉
助かった場面を1つ書く
最近「助かった」「ありがとう」と言われた場面を思い出す
そのとき自分がしたことを書く
相手の言葉を覚えている範囲で残す
自分への評価は追加しない
例えば、
場面
会議前の確認
自分の行動
資料の数字を確認して修正した
言われたこと
「先に気づいてくれて助かった」
という形です。
副業なら、
「質問に分かりやすく答えたら『ありがとうございます』と言われた」
でも構いません。
思い出せなければ、仕事以外の家庭や日常生活の中から探しても大丈夫です。
相手の評価を盛らず、自分が何をして、その結果どんな反応があったのかだけ残します。
第6章 「たまたま」と思ったら、行動だけに戻す
ここまで記録しても、
「でも、たまたまうまくいっただけ」
と思うことがあるかもしれません。
そんなときに、
「いや、自分の実力だ」
と言い聞かせる必要はありません。
物事がうまくいった理由は、一つとは限りません。
タイミングが良かったのかもしれない。
相手との相性が良かったのかもしれない。
周囲の助けがあったのかもしれない。
それなら、偶然だったか実力だったかを決めるのではなく、自分が実際にした行動だけへ戻ります。
「たまたま」を行動へ書き換える
例えば、
「資料を褒められたけど、たまたま」
と思ったら、
↓
「提出前に数字を確認して、見出しを整理した」
と書き換えます。
副業なら、
「noteを読んでもらえたのは、たまたま」
↓
「記事を書き終えて公開した」
です。
結果を大きく評価する必要はありません。
ただし、
結果の前に自分がやった行動まで、なかったことにする必要もありません。
もし年下の人や周囲の成果を見て「自分だけ遅い」と感じやすい場合は、事実と自分の解釈を分けて整理するこちらの記事も関連しています。
第7章 1週間だけ、小さな記録を続ける
ここまでの記録を、まずは1週間だけ続けてみます。
毎日3項目すべてを書く必要はありません。
本業で疲れた日。
帰宅が遅くなった日。
家庭の予定が重なった日。
そんな日は、3つのうち1つだけで十分です。
7日記録フォーマット
スマートフォンのメモに、次の形を作ります。
日付:
やったこと:
続けたこと:
助かったと言われたこと:
1日の終わりに、書ける項目を1つ選びます。
例えば、
1日目|やったこと
会議資料を期限までに提出した
2日目|続けたこと
帰宅後、noteの下書きを10分進めた
3日目|助かったと言われたこと
同僚の資料を確認して「助かった」と言われた
という形です。
4日目に何も書けなくても構いません。
5日目からまた書けば大丈夫です。
記録を続けること自体を、新しい「できなかったこと」にしないためにも、空欄の日を失敗扱いしないようにします。
目的は毎日きれいに埋めることではありません。
自分が実際にしていたことを、あとから確認できる形で残すことです。
第8章 記録から「何度も出てくる行動」を拾う
1週間分が少したまったら、記録を読み返します。
ここで、
「自分の強みは何だろう」
といきなり大きな答えを出す必要はありません。
探したいのは、記録の中に何度も出てくる行動です。
できれば名詞ではなく、「動詞」で拾います。
例えば、
資料を整理する
人に手順を説明する
予定に合わせて調整する
間違いがないか確認する
途中で止まっても再び続ける
という形です。
繰り返す動詞を3つ探す
1週間の記録を読み返す
自分がした行動に線を引く
行動を「○○する」という動詞に変える
何度か出てきたものを3つまで残す
例えば、
「会議資料を分かりやすく並べ直した」
「noteの見出しを読みやすく直した」
という2つの記録があったとします。
内容は違いますが、どちらにも、
「整理する」
という行動が含まれています。
ほかにも、
「新人に作業手順を伝えた」
「家族にスマートフォンの設定方法を教えた」
「noteで初心者向けに手順を書いた」
なら、
「説明する」
が何度か出てくるかもしれません。
3つ見つからなければ、1つでも十分です。
「自分には何もない」と感じたとき、肩書きや資格だけを探すのではなく、何度もやってきた行動を見ると、別の材料が見えてくることがあります。
第9章 その事実を、次の選択条件に変える
繰り返している行動が見つかったら、それを仕事や副業を考えるときの材料にします。
ここでも、
「整理することが自分の強みだ」
「説明する仕事が向いている」
と断定する必要はありません。
まだそこまで分からなくても、
「こういう場面なら使えそう」
という条件にはできます。
使えそうな場面を1つ書く
前章で拾った動詞を1つ選ぶ
その行動を使ってきた場面を思い出す
仕事や副業で使えそうな場面を考える
「○○なら使えそう」と一文にする
例えば、
整理する
↓
「複雑な情報を分かりやすくまとめる仕事なら使えそう」
説明する
↓
「初心者向けの記事や資料づくりなら使えそう」
調整する
↓
「複数の人や予定を合わせる仕事なら使えそう」
という形です。
ここから、
「だから転職しよう」
「この副業を始めよう」
と、すぐに結論を出す必要はありません。
転職・副業・独立のような大きな選択ほど、
「何となく向いていそう」
だけではなく、
これまで実際に繰り返してきた行動が使えるか
という視点も、一つの条件になります。
「得意」と言い切る自信がなくても、
使えそうな条件なら残せる。
そのくらいの距離から考えてみます。
第10章 自信を作るより、材料を残しておく
ここまで作ってきたのは、
「自分はすごい」
と思うための記録ではありません。
仕事で失敗した日。
SNSで誰かの成果を見た日。
転職した同年代の話を聞いた日。
副業が思うように進まなかった日。
そんな日は、また、
「自分なんて」
と思うことがあるかもしれません。
感情が揺れること自体を、完全になくす必要はありません。
ただ、気持ちが揺れた日でも、過去に自分がやった事実までは変わりません。
最後に、ここまでの記録を一つのメモへまとめて保存しておきます。
「できた事実メモ」
やったこと
__________
続けたこと
__________
助かったと言われたこと
__________
何度も出てきた行動
____する
____する
____する
使えそうな場面
__________
例えば、
資料を整理した
noteを書くことに何度も戻った
説明して「助かった」と言われた
「整理する」「説明する」が何度も出てきた
初心者向けに情報をまとめる場面なら使えそう
という程度で十分です。
これをスマートフォンのメモに保存しておきます。
比較した日や、「自分には何もない」と感じた日に、また開けばいい。
無理に自信を取り戻そうとする前に、
「実際には何をしてきたんだっけ?」
へ戻るための材料にします。
まとめ|「自分なんて」と思った日は、できた事実へ戻る
褒められても、
「たまたまです」
「自分なんて」
と打ち消してしまう。
そんなときに、無理に褒め言葉を信じようとしなくても構いません。
今回やったのは、自分への評価を変えることではなく、事実を残すことでした。
残すのは、この3つです。
1.やったこと
今日、実際に終えたこと。
2.続けたこと
毎日でなくても、何度も戻ってきたこと。
3.助かったと言われたこと
どんな場面で何をして、どんな言葉を受け取ったか。
そして1週間分を見返し、
「整理する」
「説明する」
「続ける」
「調整する」
といった繰り返す行動を拾います。
そこから、
「自分の強みはこれだ」
と急いで決めなくても大丈夫です。
まずは、
「こういう場面なら使えそう」
まで書ければ、この無料記事で行う整理は完了です。
この記事を閉じる前に、今日の「やったこと」を1つだけスマートフォンへ残してみてください。
それが最初の記録になります。
もう少し深く整理したい人へ
今回の方法は、
「自分は何をやってきたのか」
を、日々の小さな事実から拾うためのものです。
ただ、
「記録を見ても、これを副業にどうつなげればいいか分からない」
「転職するのか、今の会社に残るのか、副業を始めるのか迷っている」
「同年代や年下と比べると、やっぱり自分には何もないように感じる」
という場合は、もう少し広い範囲を整理したほうが考えやすいこともあります。
そのために用意しているのが、
『40代で「自分には何もない」と感じた日に|副業・転職・独立の比較不安を整理する7つのワーク』
です。
今回の「できた事実」の記録から一歩広げて、
これまでの経験、比較して気になること、今すぐ決めること・まだ決めないこと、これからの選択肢を順番に書き出して整理するための内容です。
今回の記録だけで十分整理できたなら、まずは1週間続けてみてください。
それで十分です。
もう少し時間を取って、
「自分に何があるのか」から「これから何を選ぶのか」まで整理したくなったときだけ、次の7つのワークを使ってみてください。
#自己否定 #自己肯定感 #自己理解 #40代の働き方 #自分を見つめ直す
