難しい、腰との付き合い方。
先日、ギックリ腰が発動した。正確な数字は覚えていないが、3年ぶり4度目ぐらい。なかなかの強豪校である。3日後に歌のLIVE、10日後にミュージカルの出演を控えていたので、割と最悪なタイミングでのギックリさんだった。呼んでもないのに来るのはやめておくれ。コックリさんも来ないでください。腰をやった翌日には整体の先生にかかったので、何とかお客さんにはバレないぐらいのパフォーマンスは発揮できました。マジゴッドハンドセンキュー。
アクロバットを始めてから4年ほど経ち、筋肉が全身に付いて身体に馴染んでからは、それまでずっとあった慢性的な腰の痛みが無くなっていた。やっぱり適度な運動が必要なんや、適度な運動を続けている内は腰痛なんて無くなるんや、と思っていたらこのザマである。油断大敵。慢性的な腰痛は筋肉で解決したと思っていたけど、そんなモンだけで全てを解決できるほど腰痛は甘くない、ということか。
かれこれ腰の痛みは大学生ぐらいからだ。これは、PCなどのデスクワークが増えたこともさることながら、高校の時に部活で柔道をやっていた時に蓄積されたダメージが引退してから解放されたのが原因だと考えられる。現役の時は筋肉で押さえ込んでいたものが運動量が減ったことで出てきちゃうのである。大学に入ってから演劇を始めて、それからずっと演劇を続けてはいるので、一般的な同い年よりか体を動かしているとは思う。それなりに舞台上では暴れ回るし、発声していればインナーマッスルは鍛えられるし。とは言っても、学生時代の体育会系部活と比べると毎日の運動量は歴然の差なので筋肉は落ちる。大人の不摂生もたたり、睡眠時間もぐちゃぐちゃ、生活リズムは安定しない、で疲労は溜まる一方で、抑え込んでくれる筋肉もなくなっていく負のループで腰は痛くなるばかり。生活に支障はないけど、何となく痛いというのが常態化していた。
最初のギックリ腰は演劇の稽古中だった。それも本番の10日前ぐらい。その時の公演は劇団員として参加していた劇団の公演で、稽古も佳境で疲労が溜まっていたのは確かだけど、肉体の辛さ以上に精神的なしんどさが溜まっていた。金銭面・スタッフとの連携不足・タスクの偏りによる劇団員同士の不和など、劇団側の内情が結構とんでもない感じになっていて、でも勿論客演さんにはそれを言うことは出来ないし、かといって作品の根幹に関わる大事なポイントが決まってなかったり、もう誰にも言えないけどコレどうすんのよというフラストレーションが溜まっていたタイミングでギックリ腰が発動した。自分が一番下っ端だったので本来なら腰が痛いとか言い出せない状況だったが、痛いもんは痛いんだからしょうがない。幸いギックリの規模もプチ程度で、激しい動きをする役ではなかったのもあって、何とか本番をやり切ることは出来た。
この時までは、それなりに根性で色々乗り越えてきてたが、ギックリ腰は根性だけではどうしようもないということを悟った。肉体的にも精神的にも限界を迎えると腰は爆発する。腰は元気のバロメータ。
とは言っても、それ以後は暫くギックリ腰は発動してない…はず。Xで自分の過去のつぶやきを“腰痛”で検索すると、どの時代でもヒットするので、ずーっと腰が痛いんだな…ということは分かる。腰はずーっと痛いので最早いつギックリ腰をやったのか正確なことは思い出せないが、でも確か、騙し騙しやってギックリ腰は回避していたはずだ。騙し騙しというのは、公演の無い暇な時期に思い立ち、走る・筋トレなど運動をして、筋肉をその都度貯金しながら腰痛を耐え忍んでいたという意味だ。
公演があるとバイトと稽古でいっぱいいっぱいになってそれ以外のことが出来なくなる。腰痛対策には本当は筋肉が必要なのだが、公演があると筋肉どころではなく、疲労対策の睡眠が優先される。腰が痛い気がしても、疲労が溜まると腰が爆発するから、とにかく寝ることで腰の不安を何となく散らす。それが20代の腰との付き合い方だった。
まずいな、と思ったのはコロナの頃だ。この頃、ちょうど30歳になった。
公演の予定も何にもなくなって、とにかく引きこもっていた。その結果、めちゃくちゃ運動不足になった。
それまでは継続的な運動というのは出来てはいなかったものの、演劇がとにかくエネルギーを消費するため、それ自体が運動の代わりとなっていた。年間何本か公演をやってその合間に運動をする、というサイクル。しかし、コロナ禍で公演もないし、家の外に出るのも憚られたので、とてつもなく運動不足になった。
このままでは身体が効かなくなって演劇ができなくなる…と表面上は焦っていた。しかし、頭のどこかでは大いなる腰痛の予感も感じていた。その結果、高校の時の柔道の感覚を思い出して、全身をフルに使う運動がしたい!という欲が出てきた。色々検索した結果、パルクールのジムが近所にあることがわかり通い始めた。
最初は運動不足を解消するために始めたパルクールで、同クラスには自分と同世代の人もいれば、現役でビュンビュン跳び回る10代の子たちもいて、それはもうスゲーやと遠くから見てるだけだった。でも半年ぐらい通っているうちに、バク転やらバク宙やら自分もやれるんじゃないか…?と思ってアクロバットも習い始めたのだった。
2回目、3回目のギックリ腰はパルクール・アクロバットのレッスン中に発動した。でも分かりやすく何か激しく回転した着地の瞬間とかではなくて、何でもない準備運動や予備動作で痛みはやってきた。
パルクールにしてもアクロバットにしても、日常生活では到底使わない箇所の筋肉を使うので、始めたての頃はとにかく筋肉痛だった。尚且つ、上記のようにバイトの合間にレッスンに通うので、そこに更に公演の稽古などが挟まってくると単純に睡眠が足りなくなってきて、疲労の回復が追いつかず、でも休んでばかりだと最初の方は特に教わったことをすぐに忘れてしまうので、多少しんどくてもなるべく通うようにしていた。その結果、何でもないタイミングでビキッときた。やっぱり30代でアクロバットを始めるのは難しいのか、と悩んだりもした。
しかし、それらのギックリを経て、全身に筋肉が馴染んでくると、それまで慢性的にずっとあった腰痛は感じなくなっていた。2回目、3回目のギックリ腰は本格的なやつで、そのせいで3ヶ月ずつ練習を休んだり、アクロバットだけでなく色んなところに迷惑をかけたけれども、肉体的にも体力的にも学生時代に戻ったような感触があった。色んな技も出来るようになってきて、まだまだ身体的にもレベルアップできるぞ、と思っていたところに今回のギックリ腰である。36歳になる3週間ほど前のことであった。
ギックリ腰になると痛みは元より、なってしまったことに対してもショックを覚える。え、そんなに自分は疲れていたのか、と。腰は元気のバロメータなので、ギックリ腰は身体と精神の疲労がピークに達していた証拠である。そうなるまで気づけなかった自分にもショックだし、その調整を36歳になっても未だに出来てない自分にもショックだし、とにかく自分にガッカリしてしまう。
LIVE3日前に発動したにも関わらず何とか本番をこなせたこともあり、今までと比べれば軽度のものであったけれども、整体を受けるまでは屈んだ状態で自分の太腿を掴んでいないと歩くどころか立つこともままならなかったので、しっかりとしたギックリ腰ではあった。立っても座っても横になっても痛い、痛みの逃げ場所が無く自分という者が存在することで痛みが生まれる。肉体という監獄の中、ギックリを発動させてしまった自分自身を呪うしかない。ああそうだ、この辛さがギックリ腰だった…と地獄を久々に堪能した。
とはいえ、軽度だったので絶望も軽く、今はくしゃみしても痛みは走らないぐらいの通常営業の腰の痛みといったところ。良かったじゃん、という話かも知れないが、この通常営業の、慢性的な痛みも、最近は無くなっていたので、憮然とした思いは拭えない。チェだぜ!
まぁ疲れのピークが早めに発動してくれて、旅行を潰すことにならなかったのは不幸中の幸いである。去年は旅行中にその年の疲労が爆発して大変な目に遭った…。何やかや今年は忙しかったので、上半期の疲れがちょうど出たというところだろう。
慢性的な腰の痛みが出たことで分かったこともある。
求ム 疲労×睡眠×腰痛×頻尿 ノ因果関係…と思うぐらい、怠さと眠気と腰の痛みと尿の頻度の多さがグチャグチャになることが最近は多かった。午前中の仕事を終えて夕方の別仕事までの時間、日中は作業したいのだが、寝ざるを得ないぐらいグッタリ、ほんのちょっと仮眠のつもりが2時間ぐらい寝てしまって夜の仕事へ、ということが多すぎて、やりたい作業が全然進まねえことへの自己嫌悪と苛立ちが募る日々だった。だけど久々にクーラーかけて寝たらスッキリ起きれて、上記の四要素が午前中顔を出すことがなかった。どうやら寝てる間に熱中症になってたのが原因だったらしい。
熱中症気味だと腰の痛みが治りにくいというのが分かって良かった。そして腰が痛いとおしっこの回数も多くなる。熱中症だといくら眠っても睡眠不足のような感じ。そのせいで疲れも取れず、ギックリ腰も発動しやすくなる。全ては繋がっているのだ…。
今はがっつり夏休み中なので、日常に戻った時に自分の身体を普段から労わってあげられるような生活スタイルを今から心がけていきたい。
整体の先生に言われた私の身体の中で硬いと言われるところが、アクロバットの時に先生に指摘されるところと同じであった。
私は現在、バク転とバク宙は形としては出来る。しかし、いまいち見た目が美しくない。バク転だと特に顕著だが、首の返しのタイミングが少し早く、地面に着く時の手の間隔が肩幅より広く、回転する時に脚が閉じ切れずに途中で開いてしまう。
本日のアクロバット。トンネルフリップちょっと高さ上がったとな!ビーツイも安定してきたとな!←嬉しい。バク転、力づくでなくもっと軽く跳ぶには、で上に跳躍して首を返す、を意識しすぎてよく分からん感じに。脚を閉じることを意識した方が良いと言われて直したら精度が上がる。うーんバランス。。 pic.twitter.com/iXIKhcjpDx
— 山川恭平 KYOKYO (@higekaaaaan) July 9, 2025
↑4つ目の動画がバク転。
そうなってしまうことの原因は、胸の筋肉と股関節が硬いからだ、ということはずっと指摘されてきた。
で、整体の先生に腰痛を防ぐために普段から意識してほぐした方が良いと言われた場所は以下の部分である。

内腿の大きな筋は股関節を通って捻れて反対側の腰へと繋がっている。胸の筋肉も硬いので、胸から肩にかけての筋肉はよくストレッチした方が良い。ふくらはぎも硬くなりがちなので、よくほぐすと良い。何と、ふくらはぎは胸の筋肉と連動しているのだそうだ。
腰痛予防のためにほぐすべきところと、アクロバットの改善のために直すべきところはドンピシャで同じだったのである。つまり、ここを直せば自分の弱点はかなり減って格段にレベルアップできるのである!
という訳で、絶賛夏休み中なので、ダラダラ遊び呆けつつ、寝る前に言われたところをほぐしまくっている。が、前述した通り、分かりやすく走るような痛みはないが、何となくの痛みが残っているのが現状だ。日々良くなっているのかもよく分からない。思い切ってしばらく休んでたレッスンを復活させても良い気はするが、ちょっとまだ怖いのが36歳の正直なところ…。
とはいえ、体を動かしたい気持ちもあるので昨日からブルガリアンスクワットを始めてみました。片足を椅子に乗せた状態で深く片足でスクワットをするやつ。これも曲げた時に膝がつま先を超えてしまうと足が壊れてしまうとかの注意点があって、上手く出来てるのかもちょっと不安だけど、やった後に痛みが緩和するのが一番嬉しい。これがアドレナリンのせいなのか、血行が良くなるせいなのかは分からないけど、良い効果な気はするのでしばらく続けてみたいと思う。
こんな感じで様子を見つつ、自分の腰、並びに身体全体と付き合っていきたいと思う。
バク転・バク宙をマット無しの地面でやる、何ならバク転を自転車に乗るぐらいの感覚で出来るようになるのが夢だけど、そこまでやれるようになるのかなぁ36歳…。
