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ニューヨーク・ハンターマウンテンで初滑り【🇺🇸スキー場探訪記②】

 12月に入り、日本では本格的にスキーシーズンが到来している。調べてみると、アメリカ北東部でも11月中下旬ごろから営業が始まったスキー場がちらほらと出てきているようだ。

 その1つがニューヨーカー御用達のハンターマウンテンだ。ハンターマウンテンはマンハッタンから車で約2時間半と比較的アクセスしやすい。11月22日に今シーズンの営業を開始していたので、初滑りに行ってみることにした。




ハンターマウンテンを滑る


ゲレンデの印象

 67のコース、12のリフトを備える。日本の感覚では中~大規模の間くらいの規模のスキー場で、ゲレンデ全面に人工降雪機を備えているのが特徴だ。近年も降雪設備やリフトの架け替えを行っているようで、ゲレンデ関係設備は新しいように感じた。


シーズン序盤でも滑り応え十分

 シーズン序盤のため、営業していたのはリフト4本(うち1本は動く歩道)、9コースのみ。それでも山頂から山麓まで標高差約500メートルがつながっていた。山頂からのコースは上級や中級のコースが中心で、滑り応えも十分だった。

 天気は、風が強く、曇りと風雪、晴れ間が見える状態が何度も繰り返すような天気だった。気温は朝が1番高く、夕方に向かってどんどん冷え込んでいく体感だった。夕方にはiPhoneの天気予報で、気温が-6℃、体感温度が-17℃と表示されていた。


斜面の状況

 朝1番の斜面状況は、数日前に降った雪と人工降雪の雪が圧雪車によって固められており、滑りやすかった。正午ごろになると、急斜面は下地の氷がむき出しになり、かなりアイシーに。スキー場下部はオープンしているコースながら、人工降雪作業が行われており、積もった雪がコブ状になって少し滑りづらい部分もあった。


初心者コースも◎

 地形とリフトの配置の関係により、中上級者向けのゲレンデと初心者向けのゲレンデが区別されているように感じられた。初心者が予期せず上級者ゲレンデに行ってしまうこともなく、近くを速い滑走者が通り過ぎることもないので、両者が安心して楽しめる気がした。


来場者の雰囲気

 平日だったため、来客は少なめ。営業開始時間の午前9時前には、リフト前に常連風の人たちが列を作っていたが、午後になるとどんどん人が少なくなり、最後はゲレンデが貸し切り状態となった。

 来場者のほとんどはヘルメットを着用しており、安全意識の高さがうかがえた。ヘルメット着用が必須ではないものの、着用を強く推奨している。用具をレンタルする際に、併せて借りることもできるようだ。


山頂近くに向かうキャッツキルフライヤー。6人乗りの高速リフト。日本で6人乗りのリフトは、まだ数えるほどしかないのでレア
朝1番のキャッツキルフライヤー前の列。リフト券は係員が手持ちの端末で読み取ってくれる
雲の切れ目から見える青空がきれい。左手のコースは上級のヘルゲート
ヘルゲートの下部。眼下の街並みや山々が美しい
ヘルゲートの上部は壁のよう。急な部分はかなりのアイスバーンだった
中級の7thアベニューコース。ニューヨークらしい名前の付いたコースやリフトが多数ある
キャッツキルフライヤーの終点付近。頂上付近はなだらかだった
4人乗りの20thセンチュリーリフト。速度はゆっくりで、両側に平らな初心者コースがある。初心者はここで滑り慣れてから、他のコースに挑戦するのが良さそう
中級のベルトパークウェイの入り口。谷沿いを進む長い林間コース。地形を楽しむスノーボーダーがたくさん滑っていた
こちらは6人乗り高速リフト「ブロードウェイエクスプレス」。この日乗車した3つのリフトのメーカーはフランス・ポマ社の米子会社・ライトナーポマだった


食事とロッジの様子


 昼食は1番メーンのベースロッジ内でいただいた。平日だったことから、ロッジ内の人はまばら。座席の確保に苦労することもなく、悠々と休むことができた。


キャッツキルフライヤーとブロードウェイエクスプレスの乗り場下部付近に位置するベースロッジ。波のようにうねった形状の屋根が特徴的
ベースロッジ内。中にはレストランやバーなどがある
ロッジ内で購入した「The Hunter Burger」。牛肉のパテに加え、チーズやトマト、ピクルス、キャラメリゼされたタマネギなどが挟んであっておいしかった。価格は24.99ドル
ロッジの下層階にはショップやロッカーがある
ベンチの下には履いてきた靴を入れたブーツバッグが並ぶ。この光景は日本のスキー場と似ている


⬆️今回は動画を作ってみた。こちらもぜひ


日米のハンターマウンテン比較


日本にもハンターマウンテンがある

 ハンターマウンテンという同名のスキー場は日本の栃木県にもある。ハンターマウンテン塩原という名称で、「ハンタマ」の愛称で知られている。近年、日本のハンタマのリブランディングを手掛けた会社のHPによると、日本のハンタマはNYのハンターマウンテンと提携して誕生した。日本のハンタマの原点がまさに、このNYのハンターマウンテンである。


日本のハンターマウンテン


共通点の多い日米の「ハンタマ」

 栃木県出身の私はハンタマでも滑り慣れているため、日米のハンタマの共通点を考察したい。


  1. 都市からのアクセス時間が同じ
    アメリカのはマンハッタンから車で約2時間半、日本のは東京から車で約2時間半という距離感。

  2. 都市圏を代表するスキー場である
    アメリカのはNY都市部から気軽に行ける範囲では比較的大規模で、日本のも首都圏で最大級のスキー場といわれている。

  3. 人工降雪機によるゲレンデづくり
    アメリカも日本も人工降雪機によってゲレンデの積雪を確保している。両スキー場とも近年、最新鋭の人工降雪機へ設備投資を行っていることも共通している。そのためか、雪質も似ていると感じた。


 上記のような共通点は、おそらく日本のハンタマを開業するに当たって、アメリカのハンタマを参考にしたからだと推察する。

 その一方、コースレイアウトや各コースの地形は全く異なっていた。日本のハンタマは基本的に斜面がフラットに仕上げられているが、アメリカのはうねりも大きかった。またコース数はアメリカの方が多い一方で、幅は日本よりも狭いと感じた。


イタリア・テクノアルピン社製の人工降雪機。日本のハンタマにもこのメーカーのがある


木に下着?アメリカのスキー場文化?


 天気の悪かった午前中は気づかなかったが、晴れた午後にリフト脇の木に女性用の下着がいくつも引っ掛かっているのを見つけた。意味が分からず調べると、これがアメリカのスキー場の文化(サブカルチャー?)であるかもしれないことが分かった。

 スキー専門メディア「Snow Brains」の記事「Why is That Tree Covered in Bras and Beads at the Ski Area?」によると、あの木は「パンティツリー」や「ブラツリー」と呼ばれるものらしい。起源には諸説あるようだが、その1つは1980年代、男性中心だったスキー業界に女性の存在を主張するためのものだったという。こうした背景をきっかけに広まり、今にいたっているのかもしれない。

 学生時代に取った女性学の授業で、先生が「女性学はパンツから戦争までを扱う学問だ」と話していたことを思い出した。戦うことで権利を勝ち取ってきたアメリカらしいエピソードだと思った。他の説が気になる方は、記事を参照してほしい。


木に引っ掛かっている下着。アメリカでは洗濯物を外に干す習慣がないため、いくつも同じ場所に飛んでくることはあり得ない


【実用情報】事前準備と車でのアクセス


リフト券

 リフト券は事前にホームページから購入した。私が訪れた日は平日だったこともあってか、114ドルだった。日本円にすると、1万7670円(1ドル155円換算)とかなり高額に感じるが仕方がない。価格は変動制で、ざっと見る限り、高い日は大人が150ドル程度、安い日は100ドル程度のレンジで動くようだ。

 なお当日購入だとより高額になるため、前日までに買っておく方がいい。スキー場側は1日の客数制限を設けているとのことで、早めの購入を勧めているようだ。

 リフト券は「Epic」というアプリに取り込むことで、スマホがチケット代わりになる。しかも、スマホをスキーウエアのポケットに入れたままゲートを通過できる。実際のチケットを発券するために窓口に行く必要もないので、忙しいスキーの日の朝には大変ありがたい。

 用具のレンタルが必要な人は、こちらもHPから事前予約が可能となっている。事前に確かめておくといいだろう。

 Epicを含め、アメリカのリフト券事情は日本とは違った側面が多々あるのが興味深い。長くなるので、詳しくは別の機会にまとめることにしたい。

HPのチケット購入画面


I-87、NY-32、32Aでアクセス

 営業開始1時間前の到着を目指して早朝に自宅を出た。使用したルートはI-87,NY-32,32A。大部分が高速・幹線道路だったため、運転は非常に楽だった。

 唯一の懸念事項は雪。こちらでは多くの人が車にオールシーズンタイヤを装着している。除雪作業と融雪剤によって路上の雪は速やかに除去されるため、冬でもスタッドレスタイヤなどの冬用タイヤに換えない人が多いと聞く。私も4駆とオールシーズンタイヤという組み合わせだ。

 結果的には路上に雪や凍結はなく、オールシーズンタイヤで問題なかった。しかしながら、スキー場の近くには山道もあり、常にオールシーズンタイヤで安全だとは思えない。急な雪や凍結に備え、チェーンは用意しておこうと思った。タイヤ事情に詳しい方がいたら、ぜひ教えていただきたい。


I-87→NY-32への交差点。道路脇には雪が残る
ベースロッジ前の駐車場に置かれたトヨタのピックアップトラック。オフィシャルモビリティーパートナーらしい。トヨタはアルペンスキーアメリカ代表のスポンサーもしている


結びに:気軽にウインタースポーツを楽しめる


 何よりもアクセスが楽で、気軽にウインタースポーツを楽しめるのが、このスキー場の最大の強みだと感じた。シーズン初めの12月初旬に起伏に富んだロングコースを楽しめるのはとてもありがたかった。

 ハイシーズンはもっとたくさんのコースがオープンし、混雑状況なども変わるだろう。また訪れて状況を確認してみたい。今シーズンは行くスキー場を絞らずに、できるだけいろいろなスキー場を訪問してみたいと考えている。訪れた際には、引き続き記録を残していきたい。




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Takaaki Ueno 最後まで読んでくださってありがとうございます。今後もいろいろなテーマで書いていく予定ですので、応援いただけると大変励みになります。