見出し画像

ChatGPTで「使える英文」をつくるには? — 教材執筆者の試行錯誤

「こんな英文、使えないじゃん。」

ChatGPTって「それらしい英文」をあっという間に生成できますよね。
ちょっと直せば使えることもあるし、そのまま使ってもいい場面もあるかもしれません。
でも、お金をいただいて仕事として執筆するとなると、そうはいきません。
語彙や文法など細かく調整された教材や模試に使われる英文となれば、なおさらです。
 依頼元の要件を満たしている?
 文法や事実に誤りはない?
 使う人の立場で読んだときにどう?
(まあ、すべてクリアになる「使える英文」を瞬時に完成させてくれる奇跡のプロンプトがあったら、私のような執筆者はとっくに廃業しているでしょう。)

それでも、長い英文を執筆するときに活用できると便利なんだけどなぁ。
そう思ったのをきっかけに、どうやったらChatGPTで「使える英文」を書けるか、試行錯誤してみました。

教材に限らず、ビジネス文書やレポートなどの執筆にも通ずるところがあるかと思います。

あくまでも私が試してみたことに過ぎませんが、「へぇ~」と思っていただける方がいらっしゃったらうれしいです。

この記事ではまず大まかなところを説明して、今後は、ステップごとにプロンプトの実例を入れた記事を少しずつ紹介していく予定です。



ChatGPTと英文を書くプロセス

それでは、私の執筆プロセスをご紹介します。
リーディング教材や模試の長文問題の英文を執筆することを想定していますが、ほかのかたちのものでも基本的にはこの流れは変わりません。

1.準備

  • 執筆要領を読み込む:
    依頼元の執筆要領をよく読んで、どんな英文を書けばよいのかを確認する。疑問点は担当者に問い合わせてクリアにする。
    (例)文章の形式、題材・テーマ、語数、語彙レベル、文法の範囲、文章のトーン、問題の数や種類など

  • 題材を探す:
    具体的に何について書くのかを検討する。
    (例)指定されたテーマは「環境問題について」
    →「プラスチックごみ」「地球温暖化」「森林破壊」etc.
    →「森林破壊」について高校生向けに書くとしたら、どんな内容?
    →苦手な分野などで何も手持ちの材料がなければ、ChatGPTにブレインストーミングリサーチを手伝ってもらう。

・資料を探す・読む:
題材がある程度決まったら、切り口や話の展開を考えながら、関連資料やデータなどを探して読み込む。ChatGPTにPDFをアップロードして要約してもらうことも。
ChatGPTに「なるべく信頼のおけるデータを探して」「最近の事例はある?」と頼む。

2.下書きの生成

要件をまとめたプロンプトを用意して、ChatGPTに下書きを生成する。

3.対話でブラッシュアップ

下書きで気になるところを1つずつChatGPTと対話を重ねて文章をブラッシュアップしていく。
要件に合っていない点だけでなく、「この文[表現]を日本の高校生向けに易しく言いかえて」や「これ言い切っているけれど、根拠を示して」など、全体→部分 を見て手を入れていく。

4.推敲・チェック

ひと晩寝かせてから、ChatGPTといっしょに原稿を仕上げていく。

  • 「ほかの人の視点」で読み直す
    読み直すときは執筆者の視点から離れて、ほかの人の視点で英文を読み直す。ここでもChatGPTを活用できる。

  • チェック作業
    誤字脱字や表記の揺れ、執筆要領との照合(日英の表記ルール、語彙や文法の範囲内かなど)、依頼元提供のチェックリストで確認など。

5.作問作業

教材や模試の場合は、書いた英文をもとに問題を作成する。
作問の都合によって英文に少し手直しすることもある。
問題・解答(解説)が完成したら、4.と同様にチェックをする。模試の場合は特に別解や許容解がないかに注意。


ChatGPTなら有料版がおすすめ

いろいろな生成AIがありますが、私はChatGPTを使っています。
最初にどんなものか試してみたのがChatGPTの無料版だったからです。
試すだけなら無料版でも十分だと思いますが、教材執筆のために快適に使っていきたい場合はPlus(月額20ドル)をおすすめします。

理由の一つが、有料版ならばフルに使える「プロジェクト」という機能。
これはフォルダのように関連したチャットをまとめておける機能。
案件ごとにプロジェクトをつくっておけば、次のことができて便利です。

●関連したチャットをまとめる
 →プロジェクト「△△高校模試」の下に、大問ごとのチャットをまとめて管理する。
●ファイルをアップロードする
 →類似問題のPDFをこのプロジェクトにアップロードして分析してもらう。(※機密文書に該当するものなどは避けましょう。)
●プロジェクト内のチャットの応答の仕方をカスタムする
 →回答に特定の口調や形式を使用するように依頼することもできる。

なお、ChatGPT Proプランだとフルに使える「Deep Research機能」では、効率よく広く深いリサーチ作業ができて、出典も明示してくれるそうですが、月額200ドルは手が出ません。今のところPlusでプロンプトを工夫しながら作業をしています。


ごくごく普通の執筆プロセスですが、各ステップでChatGPTと「いっしょに」作業を進めています。
これまで自分で全部がんばってしていたことをいっしょに担当してくれる同僚が目の前にいる感覚です。最初のうちはお互いに勝手がわからないけれど、続けているうちにわかってくる部分があります。


#英語教育
#英語
#執筆
#編集の仕事
#フリーランス
#ChatGPT


いいなと思ったら応援しよう!

gonta|英語教材の執筆者 最後まで読んでくださり、ありがとうございます。もしよかったら、スキやフォロー、シェアなどをしていただけると励みになります。サポートしていただいたら、お気に入りの入浴剤(BARTH)で疲れをとって、また明日から仕事や家事・育児をする力が湧くよう大切に使わせていただきます。

この記事が参加している募集