利害関係を一致させると、仕事も人生もうまくいく話。|仕事の部屋
人に何かをお願いする時、私はまず「貸し」から入ることを大切にしています。
「借り」から入ると、迷惑をかけることが出発点になる。
「貸し」から入ると、「ありがとうございます」からスタートできる。
この順番が、仕事でも家庭でもキャリアでも、全部変わってくる。
まず「貸し」から入るとは何か。
「借り」から入るというのは、
こちらがお願いして、向こうがやりたいかどうかもわからないことを
やってもらうことが前提になる。
「貸し」から入るというのは、その逆です。
相手が何を必要としているかを先に考えて、まず自分から差し出す。
人って、その人と付き合う価値があると思ってもらえるからこそ、
助けてあげようとか、一緒に何かをやりたいと思ってもらえる。
関係性の土台をどこに置くかが、ここで変わってくる。
これは仕事でも、家庭でも、キャリアでも、全部同じ構造をしています。

面接編:会社が何を必要としているかを先に考える。
面接で自分のやりたいことばかり話す人がいます。
これは「借り」から入っている状態です。
以前、全く違う業界から経験を積んできた方が
コンサルに挑戦したいということで採用面接をしたことがあります。
「前職での給与はこれくらいなので、
転職はステップアップだと思うので、これくらいほしい」
という話をされた。
言っていること自体は間違っていない。
でもそのステップアップの過程で、
どんなバリューを会社に持ち込んでくれるのかの提示がない。
企業側からすると「条件だけぶつけられている」という状態です。
「貸し」から入る面接はこうなります。
会社が今何に困っていて、どんな人を必要としているかを事前にしっかり調べる。
その上で「私の経験でいうと、この課題にはこういうアプローチができます」
と差し出す。条件の話はその後でいい。
まずは相手が貸してほしいものを先に差し出す。
入社してから貸しを作りながら、
その過程の中で必要なものの借り方を考えていく。
その順番が大事なのかなと思っています。
副業・転職編:会社を「使ってやる」くらいの気持ちで。
今の会社の条件に納得していない、もっとやりたいことがある。
そういう時にいきなり辞めるのはリスクが高い。
でもそれより先に、「今の会社から何を借りられるか」を考えてみてほしい。
まず前提として、今の会社も周りにいる人たちも、
外部環境は基本的に変えられない。
それを受け入れてしまうことで、逆に楽になることがあります。
なぜなら、転職先でも同じようなことは必ず起きるから。
変えられないなら、使い方を変えればいい。
今の環境に不満を感じているということは、
裏を返せばまだ自分で変える力が足りていないフェーズということでもある。
だったら今ある正社員という土台を活かして、
そこでしか得られない経験とスキルを取り切ってやろうと思えばいい。
会社を「使ってやる」くらいの気持ちで。
その上で、会社では伸ばしきれないスキルを副業で補う。
一つの場所で全部もらおうとしなくていい。
足りないものは別のところから取ってくればいい。
夫婦編:同じ方向を向いていなかった。
産後うつで夫婦喧嘩が増えていた頃、
私と夫は利害関係の一致ができていなかった。
私は自分の不満をぶつけていて、夫は夫で自分の立場から話していた。
どちらも「借り」から入っていた。
相手に変わってほしい、わかってほしい、やってほしい。
そういう要求が先に来ていた。
「貸し」から入るというのは、夫婦でも同じで、
相手が今何を必要としているかを先に考えること。
私が先にスペースを作れば、夫も動きやすくなる。
私が自分の時間を先に確保すれば、夫の時間も自然と生まれる。
相手を変えようとするのをやめて、自分が先に動く。
それだけで、夫婦の空気は変わることがあると感じています。
ビジネス編:商社もバイヤーも、同じ構造。
海外進出の支援をしていると、
輸出をしたいメーカーの社長さんが商社に
「うちの商品を買ってください」と持ち込むケースをよく見ます。
これも「借り」から入る商談です。
商品とカタログだけ渡して「あとはお願いします」では、
売れそうな時に声をかけてくれるかな、という扱いになってしまう。
「貸し」から入るとこうなります。
「期間限定のプロモーションプレゼンを作ってきました。
一緒に御社が取引されているバイヤーさんにピッチさせていただけませんか。
商売になりそうだったら、ぜひ物流面でお助けいただけないでしょうか」。
メーカーが企画立案してくれる、
マンネリ化した取引先に新しい提案を持ち込める。
商社側にとってもメリットになる。
お願いだった依頼が、相手のことを少し考えて一手間加えるだけで、
「ありがとうございます」という状態からスタートできるんです。
日本国内では当たり前にやっていることが、
海外だとプレーヤーがわからないからできていない。
でも構造は全く同じです。
法人でも、個人でも、夫婦でも、言っていることは同じ。
面接も、副業も、夫婦も、商談も。
全部違う話のように見えて、根っこにあるのは一つです。

相手が何を必要としているかを先に考えて、まず自分から差し出す。
そうすると利害関係が自然と一致していく。
一致した時に、自分一人のエネルギーじゃなくて、
周りの人たちのエネルギーも掛け算で使わせてもらえる状態が生まれる。
もう一つ大事なことがあって。
人は変えられない。一つの場所や人に全てを期待しない。
足りないものは別のところから補えばいい。
この考え方が身につくと、今いる場所への不満が少し変わってきます。
変えられないなら使い方を変えればいい。
足りないなら補えばいい。
私自身、昔は不器用でうまくできなかった。
たくさん衝突もしてきた。
でも前に進めてこられたのは、
そうやって利害関係が一致した周りの人たちが
手を差し伸べてくれたからだと、今は感謝しています。
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【この記事を書いた人】まなラボの紹介
ベトナム在住10年・ダナン在住。4言語(日英仏西)、5カ国居住、約40カ国経験。
音大中退後、学位も貯金もゼロからパスポート一枚で海外へ。
物流・金融・コンサルとキャリアを積み、2016年にベトナムでコンサル会社を立ち上げ・売却。
ジェトロや中小企業基盤機構、公的機関の現地アドバイザーや、日系企業2,000社超の相談・支援に関与。
証券外務員/米国MBA保有。
ベトナムで息子を出産したことをきっかけに、日本経済の将来を人任せにするのをやめようと決めた。
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