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迷いながら、ここで育てている|世界の見え方が変わった瞬間〜海外・多言語子育ての記録|家族の部屋

子どもが生まれてから、世界の見え方が変わりました。

大きく変わった、というよりも、

今まで見過ごしてきたものが、急に目に入るようになった、という方が近いかもしれません。

朝の光。風の音。

小さな手が、ぎゅっと私の指をつかむ力。

急いでいた毎日の中で、ずっとそこにあったのに、

私はずっと、気づかないふりをしていたのかもしれない。

子どもが生まれて初めて、立ち止まり方を覚えた気がします。


見え方が変わった。

子どもが生まれる前の私は、

自分のことを全力で生きていました。

仕事も、恋愛も、趣味も、学ぶことも、経験することも。

「もっと知りたい」「もっとうまくなりたい」「もっと遠くへ」。

その衝動だけで、ずっと走ってきた。

それが間違いだったとは、今も思っていません。

でも、あの小さな手が私の指をつかんだ瞬間、

何かが、静かに、変わりました。


世界の主語が、変わった。

それまで、世界はいつも「私」を中心に回っていた。

うまくいかないことは、周りや社会のせいだと思っていた。

でもこの子が生まれて、気づいてしまった。

この子がこれから生きていく社会を作っていくのは、

自分自身だということに。

そう思ったら、問いの立て方が変わった。

「なぜうまくいかないのか」じゃなくて、

「じゃあ、どうすれば変えられるか」へ。

文句を言うんじゃなくて、仕組みを考えるへ。

自分一人でできないなら、誰をどう巻き込むかへ。


頑張る理由が、変わった。

それまでずっと、自分のために頑張ってきた。

でも人は、自分のためだけには頑張り続けられない。

大切な誰かのためなら、評価も結果も関係なく、動き続けられる。

この子が生きる未来を、少しでもよくしたい。

それだけが、今の私を動かしている。

自分のためでも、特定の誰かのためでもなく。

ただ、この子がこれから歩いていく世界のために。

他責にしない。他人任せにしない。

自分にできることから、一つずつ。

この子が生まれて初めて、そう思えるようになりました。


そして、まなラボを始めた。

この変化が、私がまなラボを始めた理由の一つでもあります。

書くことで整理して、誰かの役に立てるなら。

自分の経験や失敗が、次の誰かの地図になるなら。

それもまた、この子が生きる社会への、

私なりの当事者としての関わり方だと思っています。


私たちの家族は、国境をまたいで成り立っている。

私は日本人、夫はフランス人。

ベトナムで出会い、今はダナンで3人で暮らしています。

家庭内の共通言語は英語。

私の両親は日本語だけ、夫の両親はフランス語だけ。

必然的に、息子はマルチリンガルな環境で育つことになります。

「すごいね」「理想的だね」と言われることもあるけれど、

当事者として感じるのは、キラキラした理想よりも、静かな不安です。

複数の言語、複数の文化、複数の価値観の中で育つことは、

小さな体にとって、きっと大きな負担でもある。

将来、どこかに自分の居場所を感じられるのだろうか。

そんなことを、毎日考えています。


だから私たちは、「言語教育」だけをゴールにしないことにした。

まず親である私たちが、親である前に、人として幸せでいること。

そのベースの上に、健やかに育つ環境を作りたいと思っています。

毎日笑顔があって、安心できる家庭。

失敗しても戻ってこられる場所。

言葉よりも先に、「愛されている」という感覚を持てること。

それが今、私たちが子育てで一番大切にしていることです。

もちろん、教育を手放すわけではありません。

30代後半で授かった命だからこそ、

私たちがこれまで積み重ねてきた経験や視点は、できる限り伝えていきたい。

「世界を生きていくための土台」を、家庭の中で丁寧に育てていきたいなと。


このマガジンで書いていくこと。

このシリーズでは、海外・多言語子育ての中での気づきや、迷い、発見を書いていきます。

うまくいった話よりも、うまくいかなかった日のこと。

知っておけばよかった、と思った手続きや費用の話。

幼稚園選びのリアルや、多言語育児の実際のところ。

答えを出すよりも、考え続けている途中の記録です。

完璧なママの話でも、育児ノウハウ集でもないけれど、

同じように迷いながら子どもと向き合っている誰かに、

「あなたも一人じゃない」と、そっと伝えられる場所でありたいと思っています。


小さな手に、今日もたくさん教えられながら。

迷いながら、それでも前に進んでいく。

― 小さな手が教えてくれる、大きな世界。


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お読みいただきありがとうございます。

「何者かにならなくていい。全部の自分のままでいい。」

そう信じながら、等身大のまま書いています。

諦める前に、もう一回だけ試してほしい。

そのための実験を、私自身が続けています。

どこかの誰かのエールになれたら、嬉しいです。

スキやコメント、とても励みになります。

フォローして、続きも一緒に見届けてもらえたら嬉しいです。

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【この記事を書いた人】まなラボ

音楽フェスのステージを降りた瞬間に、フランス人の夫と出会いました。

自転車旅行の途中で家族になって、今はダナンで、3人で暮らしています。

国際結婚も、多文化の子育ても、うまくいく日ばかりじゃない。

産後には、家族がバラバラになりかけた時期もありました。

それでも、ぶつかって、話して、笑って。

何もない日常の中にある、小さな幸せを、ひとつずつ数えながら生きています。

完璧な妻でも、母でもないけれど。

この家族でよかったと、毎日思えるように。

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